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相続対策の基本:生前贈与・遺言書・家族信託で資産を守る

暮らしとお金のカフェ 編集部
編集部確認済み: 2026-06-19(制度・法令の更新情報を反映)

相続対策の基本を生前贈与・遺言書・家族信託の3つの手段で解説。相続税の基礎控除・贈与税の非課税枠・遺言書の作り方・家族信託の活用法まで、資産を守るための知識をまとめます。

この記事でわかること

相続対策の基本を生前贈与・遺言書・家族信託の3つの手段で解説。相続税の基礎控除・贈与税の非課税枠・遺言書の作り方・家族信託の活用法まで、資産を守るための知識をまとめます。

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この記事の目次

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# 相続対策の基本:生前贈与・遺言書・家族信託で資産を守る

老後の資産形成と同じくらい重要なのが「相続対策」です。何も準備しないまま亡くなると、遺族が困ることが多くあります。遺産分割で家族間がもめる、相続税で大きな負担が生じる、認知症になって資産が凍結されるなど、事前に対策していれば防げた問題が多いのです。

この記事では、相続対策の基本として「生前贈与」「遺言書」「家族信託」の3つの手段を解説します。

なぜ相続対策が必要なのか:事例で理解する

相続で問題が起きやすいケースを整理しましょう。

問題1:遺産分割でもめる 遺言書がない場合、遺産は相続人全員の合意がないと分割できません。不動産(家・土地)は特に分割が難しく、兄弟間でもめることがよくあります。

問題2:相続税で資産が大きく減る 遺産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を超えると相続税がかかります。現金がなく不動産しかない場合、税金を払うために不動産を売却しなければならないことも。

問題3:認知症で資産が凍結される 認知症になると、本人の財産の管理・処分が難しくなります。銀行口座が凍結され、家族でも引き出せなくなる「資産凍結」問題が起きることがあります。

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相続税の基礎:基礎控除を超えると課税される

相続税は、遺産の総額が「基礎控除額」を超えた場合にかかります。

基礎控除額の計算式 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

例:法定相続人が妻と子2人(計3人)の場合 基礎控除額:3,000万円 + 600万円 × 3 = 4,800万円

遺産の総額が4,800万円以下なら相続税はゼロです。4,800万円を超えた場合、超えた部分に対して相続税が課税されます(税率は超過額により10〜55%)。

相続税の注意点

  • 不動産の評価額は路線価・固定資産税評価額で計算
  • 生命保険の死亡保険金も相続財産に含まれる(非課税枠あり:500万円×法定相続人数)
  • 債務(借金)は遺産から差し引いて計算

生前贈与:税金を少なくしながら資産を移す

生前贈与とは、生きているうちに財産を無償で譲渡することです。相続税の対象となる遺産を減らすことができます。

年110万円の暦年贈与(基礎控除) 年間110万円以下の贈与は、贈与を受けた人に贈与税がかかりません(基礎控除内)。

ただし、2024年1月から「相続前7年以内の贈与は相続財産に加算」というルールになりました(以前は3年以内)。亡くなる7年前までの贈与は相続税の計算に戻されるため、早めの生前贈与が重要です。

2,500万円まで非課税の相続時精算課税制度 60歳以上の親・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与で利用できる制度です。累計2,500万円まで贈与税ゼロで贈与できますが、贈与した財産は相続時に相続財産に加算されます(相続税の節税にはならない)。

主な非課税の贈与の種類

  • 教育資金の一括贈与:最大1,500万円まで非課税(30歳未満の子・孫へ)
  • 結婚・子育て資金の一括贈与:最大1,000万円まで非課税(50歳未満の子・孫へ)
  • 住宅取得等資金:要件を満たせば最大数百万円まで非課税

遺言書:遺産分割のトラブルを防ぐ最も確実な方法

遺言書があれば、法定相続分と異なる分配方法を指定できます。家族間のトラブルを防ぐ最も確実な方法です。

遺言書の種類

種類 特徴 費用
自筆証書遺言 全文・日付・署名を自書 費用ほぼゼロ
公正証書遺言 公証人が作成・公証役場に保管 数万〜十数万円
秘密証書遺言 内容は秘密で存在のみ公証 数万円
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最も安全で確実なのは「公正証書遺言」です。紛失・偽造のリスクがなく、家庭裁判所の検認が不要で、遺族がすぐに手続きできます。

自筆証書遺言の法務局保管制度 2020年から、自筆証書遺言を法務局で保管してもらえる制度が始まりました(手数料:3,900円)。法務局に保管した場合は検認が不要です。

遺言書に書くべき主な内容

  • 誰にどの財産を相続させるか
  • 遺産の分割方法
  • 遺言執行者の指定(遺言書の内容を実行する人)
  • 付言事項(家族へのメッセージ)

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家族信託:認知症になっても資産を管理できる仕組み

家族信託とは、自分の財産を信頼できる家族に預けて管理・運用してもらう仕組みです。特に「認知症になった場合の資産凍結」対策として有効です。

家族信託の仕組み

  1. 委託者(親)が受託者(子)に財産を信託する
  2. 受益者(親自身)は財産から生じる利益を受け取り続ける
  3. 委託者が認知症になっても、受託者(子)が財産を管理・処分できる

家族信託のメリット

  • 認知症になっても資産凍結を防げる
  • 不動産の売却・管理を子が行える
  • 法定後見制度(成年後見人)より柔軟な管理が可能

家族信託の費用

  • 弁護士・司法書士への設計・契約費用:50〜100万円程度
  • 信託契約公正証書作成費用:数万円

成年後見制度と違い、家族信託は報酬を設定しなければ子への毎月の費用負担がなく、管理が柔軟という特徴があります。

相続対策のタイムライン:いつ何をすべきか

相続対策は「元気なうちに」行うことが重要です。認知症になってしまうと、遺言書の作成も家族信託も難しくなります。

60代前半のうちにやること

  • 遺産の全体像(不動産・預貯金・有価証券)を把握する
  • 相続税の試算をする(税理士や相続診断士に依頼)
  • 生前贈与の計画を立てる

60代後半〜70代のうちにやること

  • 遺言書を作成する(公正証書遺言を推奨)
  • 家族信託を検討・設定する
  • 生命保険の非課税枠を活用する

70代〜以降

  • エンディングノートを作成する(金融機関・暗証番号・保険証書の場所など)
  • かかりつけ医・介護施設の希望を家族に伝える

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まとめ:相続対策は「元気なうちに」始めることが最重要

相続対策の最大の失敗は「何もしないこと」です。遺言書ひとつで、家族のトラブルと相続税の一部を防ぐことができます。

相続対策のポイント:

  1. 遺言書を作成する(公正証書遺言が安全)
  2. 年110万円以内の暦年贈与で遺産を減らす(早めに始めるほど効果大)
  3. 認知症リスクに備えて家族信託を検討する
  4. 生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人数)を活用する
  5. エンディングノートで財産・希望を家族に伝える

相続対策は弁護士・税理士・司法書士などの専門家への相談が不可欠です。複雑な場合は早めに専門家に相談しましょう。


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