相続税の基礎知識:3,000万円控除と相続対策の基本
相続税の仕組みと基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を解説。相続税がかかるケース・かからないケース、生前贈与・生命保険を使った基本的な相続対策をわかりやすく説明します。
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相続税の仕組みと基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を解説。相続税がかかるケース・かからないケース、生前贈与・生命保険を使った基本的な相続対策をわかりやすく説明します。
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2026年6月19日 制度改正確認済み
所得税・年収の壁:2026年分は基礎控除と給与所得控除が再改正されています。本文中の「基礎控除48万円」「給与収入103万円」は旧制度の計算例です。給与収入のみで一定の低所得区分に該当する場合、本人の所得税がかかり始める目安は最大178万円まで引き上げられますが、配偶者控除・扶養控除・社会保険の判定は別基準です。 公式情報を確認
「相続税は資産家だけの話」と思っている方は多いですが、実は2015年の税制改正以降、基礎控除が大幅に縮小され(「5,000万円+1,000万円×法定相続人数」→「3,000万円+600万円×法定相続人数」)、相続税の申告が必要になる割合が増えています。
特に都市部でマイホームを持っている場合、土地・建物の評価額だけで相続税の課税対象になるケースも珍しくありません。
この記事では、相続税の基礎知識と、今からできる基本的な対策を解説します。
相続税の基礎知識
相続税がかかる条件
亡くなった方(被相続人)の遺産総額が「基礎控除額」を超えた場合に、相続税がかかります。
基礎控除額の計算式
基礎控除額 = 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)
例:法定相続人が妻・子ども2人(計3人)の場合 3,000万円 + (600万円 × 3人)= 4,800万円
遺産総額が4,800万円以下であれば、相続税はかかりません。4,800万円を超えた分に相続税がかかります。
法定相続人とは
法律上の相続人(法定相続人)は以下の順位で決まります。
| 順位 | 相続人 | 備考 |
|---|---|---|
| 常に | 配偶者 | 常に相続人になる |
| 第1順位 | 子(直系卑属) | 子がいない場合は第2順位へ |
| 第2順位 | 親(直系尊属) | 親もいない場合は第3順位へ |
| 第3順位 | 兄弟姉妹 |
注意:法的に認められた養子は実子と同等の相続権を持ちます。
相続税の計算の仕組み
相続税の計算は複雑ですが、大まかな流れは以下の通りです。
- 遺産の総額を計算(不動産・預貯金・有価証券・保険等)
- 基礎控除額を差し引く
- 各相続人の法定相続分で按分した額に税率を適用
- 各種控除(配偶者控除等)を適用
相続税の非課税枠と控除
配偶者控除(最大の控除)
配偶者(夫または妻)が相続する場合、以下のどちらか大きい方まで相続税がかかりません。
- 法定相続分相当額
- 1億6,000万円
つまり、配偶者への相続であれば1億6,000万円まで相続税なし。ただし二次相続(配偶者が亡くなった時)での税負担が増えるため、長期的な視点が必要です。
生命保険の非課税枠
相続税の計算上、生命保険金には非課税枠があります。
非課税枠の計算式
500万円 × 法定相続人の数
法定相続人が3人の場合:500万円 × 3人 = 1,500万円が非課税
この枠を活用するため、「相続税対策の生命保険」として終身保険を活用する方法があります。
小規模宅地等の特例
被相続人が住んでいた土地を相続する場合、「小規模宅地等の特例」で土地の評価額を最大80%減額できます(面積330㎡以下の居住用宅地)。
例:評価額5,000万円の土地に特例を適用 → 相続税評価額1,000万円に
この特例を使えるかどうかで、相続税の金額が大きく変わります。
相続対策の基本3選
対策1:毎年の生前贈与(暦年贈与)
贈与税には年間110万円の基礎控除があります。毎年110万円以内で贈与を続けることで、相続財産を少しずつ移転できます。
シミュレーション 子ども2人に毎年110万円ずつ贈与した場合:
- 年間贈与額:110万円 × 2人 = 220万円
- 10年間で:2,200万円を相続財産から移転
- 贈与税:0円(毎年110万円以内なので非課税)
注意点(定期贈与への注意) 毎年同じ金額・同じ時期に贈与すると「定期贈与」と見なされ、一括して贈与税がかかる可能性があります。毎年の金額・時期を変えること、贈与契約書を作成することが対策になります。
2024年以降の変更点 2024年1月以降、生前贈与の相続加算期間が3年から7年に延長されました(段階的に適用)。亡くなる7年前までの贈与は相続財産に加算されるようになるため、早めの対策が重要になっています。
対策2:生命保険を活用した節税
死亡保険金には前述の非課税枠(500万円×法定相続人数)があります。相続財産として現金を持つより、生命保険で持つ方が節税になります。
また、生命保険は遺産分割協議の対象外になるため、「特定の相続人に確実に資産を渡せる」というメリットもあります。
対策3:遺言書の作成
遺産をどのように分けるかを遺言で明確にしておくことで、相続後のトラブルを防げます。
遺言書の種類
自筆証書遺言
- すべて自筆で書く(ただし財産目録のみパソコン可)
- 法務局への保管制度が利用できる
- 費用が少なく手軽だが、形式不備で無効になるリスク
公正証書遺言
- 公証人が作成・証人2人が必要
- 法的に最も確実
- 費用がかかるが無効になるリスクが低い
相続税申告の注意点
相続税の申告期限
被相続人が亡くなった日の翌日から10ヶ月以内に申告・納付が必要です。
延納・物納の制度
相続税を一度に払えない場合、分割払い(延納)や不動産などの現物で払う(物納)制度があります。ただし延納には利子税がかかります。
税理士への依頼
相続税の申告は複雑なため、税理士への依頼が一般的です。相続税申告に強い税理士を選ぶことが重要です。相続財産の規模・種類によって費用は異なりますが、一般的に遺産総額の0.5〜1%程度が報酬の目安です。
相続に備えて今すぐできること
エンディングノートを作る
「自分が亡くなった後に家族が困らないように」財産・保険・連絡先などをまとめた「エンディングノート」を作成しましょう。
記録しておくこと
- 銀行口座一覧(金融機関名・口座番号)
- 保険の一覧(保険会社・証券番号・受取人)
- 不動産の一覧(場所・登記情報)
- 有価証券の一覧(証券会社・銘柄)
- デジタル資産(パスワード等)の保管方法
- 葬儀・お墓に関する希望
家族で相続の話をする
相続の話は「縁起でもない」と避けがちですが、事前に話し合うことでトラブルを防げます。「うちの場合は誰が相続するか」「どんな財産があるか」を家族で把握しておくことが重要です。
まとめ:相続対策は「早めに・少しずつ」
相続税対策のポイントをまとめます。
- 基礎控除(3,000万円+600万円×相続人数)を把握する
- 毎年の暦年贈与(110万円以内)で早めに財産を移転する
- 生命保険の非課税枠(500万円×相続人数)を活用する
- 小規模宅地等の特例の適用条件を確認する
- 遺言書を作成して相続のトラブルを防ぐ
相続対策は「亡くなりそうになってから」では遅すぎます。特に暦年贈与は時間がかかる対策のため、40〜50代から少しずつ始めることが重要です。複雑なケースは税理士・FPへ相談しましょう。
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