60代・70代の働き方と収入:在職老齢年金の仕組みと損をしない働き方
60代・70代で働きながら年金を受け取る際の在職老齢年金制度を解説。収入と年金が調整される仕組みと、年金を減らさずに賢く働くための収入設計を詳しく説明します。
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60代・70代で働きながら年金を受け取る際の在職老齢年金制度を解説。収入と年金が調整される仕組みと、年金を減らさずに賢く働くための収入設計を詳しく説明します。
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2026年6月19日 制度改正確認済み
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60代・70代になっても働き続ける人が増えています。2025年の高年齢者雇用安定法の改正により、65歳までの雇用確保が義務化され、多くの企業で70歳まで働ける環境が整いつつあります。
しかし、65歳以降も厚生年金に加入しながら働くと、収入によっては年金が減額される「在職老齢年金」の制度が適用されます。この制度を正しく理解しないと、一生懸命働いているのに年金が削られ、損をしてしまうことがあります。
在職老齢年金とは:収入と年金の合計額で調整
在職老齢年金とは、65歳以上の方が厚生年金に加入しながら働く場合、収入(標準報酬月額)と年金(老齢厚生年金)の合計額が一定の金額を超えると、年金が減額(または支給停止)される制度です。
2024年現在の基準額:月額50万円
「標準報酬月額」+「老齢厚生年金の月額」の合計が50万円を超えると、超えた分の半分が年金から減額されます。
計算例
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標準報酬月額:30万円
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老齢厚生年金(月額):20万円
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合計:50万円 → ちょうど50万円なので調整なし
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標準報酬月額:35万円
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老齢厚生年金(月額):20万円
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合計:55万円 → 超過5万円の半分(2.5万円)が年金から差し引かれる
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実際の月収:35万円(給与)+17.5万円(減額後年金)=52.5万円
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60歳代前半(60〜64歳)の在職老齢年金
65歳以上とは別に、60〜64歳で「特別支給の老齢厚生年金」を受け取りながら働く場合も在職老齢年金の制度が適用されます。
2024年現在、60〜64歳の基準額も50万円(65歳以上と同じ)です。以前は60〜64歳は基準が28万円と低かったため多くの人が年金を削られていましたが、2022年4月の改正で50万円に引き上げられました。
ただし、特別支給の老齢厚生年金は生年月日によって異なり、現在(2026年)では対象者が限られています。
損をしない働き方:収入を50万円以下に調整する
在職老齢年金の制度を理解したうえで、「年金を減らさずに働く」ための収入調整戦略があります。
方法1:標準報酬月額を抑える 給与を月30万円以下に設定することで、年金20万円との合計を50万円以下に収める。週3〜4日勤務やパートタイムへの切り替えが有効。
方法2:賞与(ボーナス)の調整 在職老齢年金は月額での計算ですが、賞与(標準賞与額)も合算されます。賞与を受け取る月は合計額に注意が必要です。
方法3:繰り下げ受給を選択する 65歳以降も厚生年金に加入して働く場合、年金の受け取り自体を70歳・75歳まで繰り下げる選択肢があります。繰り下げ中は在職老齢年金の影響を受けず、将来の受給額を増やせます。
厚生年金に加入せずに働く方法
在職老齢年金の影響を完全に避けたい場合、厚生年金に加入しない働き方を選ぶことも一つの手段です。
厚生年金に加入しない働き方の条件(2024年現在)
- 週の所定労働時間が20時間未満
- 月額賃金が8.8万円未満(従業員51人以上の企業では条件が緩和)
フリーランス・個人事業主として働く場合も、厚生年金への加入義務はありません(国民年金のみ)。
ただし、厚生年金に加入しないと老後の年金受給額が増えないデメリットもあります。在職老齢年金で削られる額と、厚生年金への加入継続で増える将来の年金額を比較して判断しましょう。
高年齢雇用継続給付も活用する
60〜65歳で再雇用などで収入が大幅に下がった場合、「高年齢雇用継続給付」という雇用保険の制度を活用できます。
60歳時点の賃金と比較して、75%未満の賃金になった場合に、低下した賃金の最大15%が給付されます(2025年4月以降は給付上限が引き下げられています)。
ただし、この制度は2025年度以降に段階的に廃止される予定のため、最新の情報を確認してください。
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70代以降の働き方:年金との組み合わせ
70歳以降は厚生年金への強制加入義務がなくなります(任意加入は可能)。このため、70歳以降は在職老齢年金の影響を受けつつ、自由度が高い働き方ができます。
70代で働く主な選択肢:
- 再雇用・勤務延長:会社員として継続(70歳まで)
- パート・アルバイト:週2〜3日の軽労働
- フリーランス・個人事業:専門知識・経験を活かした仕事
- 農業・ボランティア:収入より生きがい重視の働き方
70代の在職老齢年金も基準額は50万円(給与+年金が50万円超えると調整)。ただし、70歳以降は厚生年金に加入せず働く選択もできるため、年金調整を避けやすくなります。
働きながら年金を増やす:65〜70歳の厚生年金加入継続の効果
65歳以降も厚生年金に加入して働くと、65歳以降に加入した期間分の厚生年金が追加されます。これを「在職定時改定」といい、毎年10月に年金額が改定されます。
例えば、65歳時点の厚生年金月額が15万円だとしても、66〜70歳まで働いて厚生年金に加入し続けると、70歳時点ではさらに厚生年金が増える可能性があります。
在職老齢年金で目先の年金が削られても、将来の年金受給額が増えるというメリットがあります。
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まとめ:在職老齢年金を理解して賢く収入設計する
60代・70代の働き方で大切なのは、在職老齢年金の仕組みを理解したうえで「損をしない収入設計」をすることです。
ポイント整理:
- 給与+年金の合計が月50万円以下なら年金は削られない
- 50万円を超える部分の半分が年金から差し引かれる
- 繰り下げ受給を選べば在職中は年金調整を回避できる
- 70歳以降は厚生年金加入義務がなくなり自由度が上がる
健康でいられる間は積極的に働き、収入と年金の組み合わせで豊かな老後を実現しましょう。
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