再雇用・継続雇用の収入の実態と手取りの落ち込み
再雇用・継続雇用の収入の実態と手取りの落ち込みについて、具体的な方法・注意点・実践ステップを解説します。
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再雇用・継続雇用の収入の実態と手取りの落ち込みについて、具体的な方法・注意点・実践ステップを解説します。
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2026年6月19日 制度改正確認済み
所得税・年収の壁:2026年分は基礎控除と給与所得控除が再改正されています。本文中の「基礎控除48万円」「給与収入103万円」は旧制度の計算例です。給与収入のみで一定の低所得区分に該当する場合、本人の所得税がかかり始める目安は最大178万円まで引き上げられますが、配偶者控除・扶養控除・社会保険の判定は別基準です。 公式情報を確認
年金・医療・介護制度:年金額、在職老齢年金の基準額、高額療養費、介護保険料・自己負担は年度や所得区分で変わります。本文の金額は記載年の目安として読み、実際の受給・負担額は日本年金機構、厚生労働省、加入先へ確認してください。 公式情報を確認
労働・雇用制度:育児・介護休業、雇用保険、最低賃金、残業・有給休暇の条件は施行日や地域、雇用形態で異なります。退職・副業・休業の判断前に、厚生労働省の最新制度と労働条件通知書を確認してください。 公式情報を確認
再雇用・継続雇用の収入と手取りの落ち込みに向き合う現実的なプラン
定年が近づくと、だんだんと「その後はどうしよう」という不安がつのってきますよね。多くの企業では定年後に「再雇用」や「継続雇用」という選択肢が用意されています。ただし、ここで知っておくべき大切なポイントがあります。再雇用で働き続けると、多くの人が想像以上に手取りが下がってしまうのです。この記事では、その仕組みと対策を、実際の数字を交えながら丁寧に解説します。
再雇用・継続雇用とは何か
簡潔に言うと、定年到達後も同じ企業で働き続ける制度です。企業によって呼び方は異なりますが、基本的には同じ仕組みです。
制度の違いを押さえる
| 項目 | 再雇用 | 継続雇用 |
|---|---|---|
| 雇用形態 | 新しく雇用契約を結び直す | 既存の雇用契約が継続 |
| 給与決定 | 新規契約なので低めに設定されやすい | 既存額から調整 |
| 福利厚生 | 新入社員に準じた扱いになることも | 既得権がある程度保護される傾向 |
| 雇用保険 | 満64歳までは加入継続の可能性が高い | 同左 |
企業の方針によって大きく異なりますので、自分の企業の人事規程を確認することが何より重要です。
手取りが落ちる三つの理由
なぜ再雇用で手取りが落ちるのか。複雑そうに見えますが、実は三つの理由に整理できます。
理由①:給与そのものが下がる
定年前の給与が月額35万円だった場合、再雇用後は月額20~25万円程度に低下することが多いです。これは企業側が「新しい雇用契約は新しい給与テーブルに基づく」と考えるためです。
職位が変わったり、時給制に移行したりすることで、給与ベースで30~40%のカットになることも珍しくありません。
理由②:所得税・住民税の構造の変化
給与が下がると、所得税も下がります。しかし落とし穴があります。
2026年現在の所得税速算表により、以下のようになります:
| 課税所得 | 給与月額(概算) | 所得税率 | 住民税率 |
|---|---|---|---|
| 195万円以下 | 月16~17万円程度 | 5% | 10% |
| 195万~330万円 | 月17~28万円程度 | 10% | 10% |
| 330万円超 | 月28万円超 | 20%以上 | 10% |
再雇用で給与が大幅に下がると、より低い税率帯に落ちることもありますが、実務上は基礎控除(旧制度では48万円)や給与所得控除の効果を考慮する必要があります。
給与所得控除は、給与年収162.5万円以下の場合は**55万円(最低額)**と決まっており、再雇用で年間150万円台の給与になると、課税所得がぐんと減ります。結果として税負担も減りますが、手取りの減少幅の方が大きいというわけです。
理由③:社会保険料の負担
年齢が上がると、介護保険料が上乗せされます。
再雇用で65歳以上になった場合、厚生年金保険料の納付は終わりますが、介護保険料が新たに発生するため、社会保険料全体で月1,000~3,000円程度の増加が見込まれます。
具体的なシミュレーション:給与35万円→22万円の場合
では、実際に手取りがどう変わるか、ひとつのモデルケースで計算してみましょう。
パターン:60代前半・配偶者あり・子どもなし
定年前(60歳)
- 月給:35万円
- 年収:420万円
- 給与所得控除:154万円
- 基礎控除:旧制度では48万円
- 配偶者控除:38万円(配偶者が給与収入103万円以下の場合)
- 課税所得:180万円
- 所得税(速算表 195万円以下 5%):9万円
- 復興特別所得税:約0.19万円
- 住民税:約42万円
- 社会保険料(概算):約60万円
- 手取り額(年間):約309万円
- 手取り月額:約26万円
再雇用後(65歳)
- 月給:22万円
- 年収:264万円
- 給与所得控除:55万円(給与162.5万円以下のため最低額)
- 基礎控除:旧制度では48万円
- 配偶者控除:38万円
- 課税所得:123万円
- 所得税(速算表 195万円以下 5%):6.15万円
- 復興特別所得税:約0.13万円
- 住民税:約26.4万円
- 社会保険料(概算):約32万円(介護保険料増加を含む)
- 手取り額(年間):約161万円
- 手取り月額:約13.4万円
結果:月額で約12.6万円、年間で約148万円の手取り減少!
このシミュレーションは簡略化したものですが、実際には給与額が下がることによる税負担の減少分より、給与そのものの低下が大きく、結果として手取りが40~50%落ちることは珍しくないというわけです。
再雇用契約の前にチェックすべき三つのポイント
再雇用の話を受ける前に、以下の三点を必ず企業に確認しましょう。
①給与・勤務条件の詳細を文書で受け取る
「月給いくら」「勤務時間は」「通勤手当は」「ボーナスは」など、すべてを文書で明確にしてもらいます。言葉での約束では後々トラブルになる可能性があります。
②退職金の扱いを確認する
多くの企業では、定年到達時に退職金を支払います。同時に、再雇用期間中の給与設定も決まります。この二つがどう組み合わさるのかは企業ごとに異なるため、人事部門に直接確認しましょう。
③社会保険の継続要件を確認する
特に厚生年金保険と健康保険の加入要件が変わることがあります。再雇用で給与が低下すると、加入対象から外れる可能性も。また、配偶者が第3号被保険者の場合、自分の社会保険加入状況が配偶者の立場に影響します。
再雇用での手取り低下に対抗する現実的な対策
手取りが落ちるのは避けられません。では、どう対抗するか。
貯蓄計画を今から立てる
定年前の手取りが月26万円、再雇用後が月13.4万円なら、その差12.6万円を毎月カバーする貯蓄が必要です。65歳から75歳までの10年間で、約1,512万円必要になります。
今から毎月5~10万円程度を貯蓄・投資に回し、複利の力を活用することが重要です。特に**iDeCo(個人型確定拠出年金)**を活用すれば、掛金が全額所得控除されるため、税負担も軽くできます。
2026年5月現在、iDeCoの掛金は加入区分によって異なります。会社員で企業年金がない場合は月額23,000円(年27.6万円)まで拠出可能です。会社員などや企業年金ありの場合などは上限が異なるため、自分の加入区分を確認した上で活用しましょう。
生活費の見直しを早期に実施
再雇用後の給与で暮らせる生活設計に、今から転換していきましょう。以下のような項目から始めるとよいでしょう。
- 住宅ローンはいつ終わるか
- 生命保険の保障は今も必要か
- 車の維持費は削減できるか
- サブスクリプション等の不要な費用がないか
月3~5万円の削減ができれば、心理的な負担が大きく減ります。
再雇用以外の選択肢も視野に
企業によっては、関連企業への転籍や、業務委託といった働き方もあります。また、地域によっては「シルバー人材センター」など、定年後の就労支援制度も存在します。
再雇用が唯一の道ではないことを頭の片隅に置いておくのも、心の余裕につながります。
再雇用中の税金と社会保険の実務ポイント
年末調整と確定申告
再雇用中も、原則として職場で年末調整が行われます。医療費控除やふるさと納税を活用する場合は、自分で確定申告をすることで、還付を受けられます。確定申告の期限は翌年2月16日~3月15日です。
配偶者控除の継続要件
配偶者が専業主婦・主夫で、給与収入が103万円以下の場合、配偶者控除38万円が適用されます。配偶者がパート勤務をしている場合、給与が103万円を超えると配偶者特別控除の対象となり、150万円までは段階的に減額されます。
2026年現在も、この仕組みは変わっていません。
まとめ
再雇用・継続雇用は、多くの人にとって「働き続けるチャンス」ですが、同時に大幅な手取り低下を覚悟する必要があるという現実と向き合うことが大切です。
給与が30~40%落ちると、手取りは40~50%低下することも珍しくありません。これは所得税・住民税・社会保険料が複合的に作用した結果です。
今から行うべきことは、三つです:
- 定年前に、再雇用時の給与・条件を必ず確認する
- その給与で暮らせる生活設計を、今から実践的にシミュレーションする
- 貯蓄と生活費の見直しを、早期に開始する
再雇用後の10~15年間は、人生の中でもお金の出入りが大きく変わる時期です。事前の準備と現実的な対策があれば、その後の人生設計は大きく変わります。
「いつかのために」ではなく、「今から」行動を起こしましょう。カフェで友人と談笑するように、家族と一緒にこのテーマについて話し合うことから始めるのもいいかもしれませんね。
修正箇所の説明
修正1:「配偶者が103万円以下の場合」→「配偶者が給与収入103万円以下の場合」
給与収入の種類を明確化しました。
修正2:iDeCo説明を追加
貯蓄計画の節で、iDeCoの具体的な上限額(会社員月額23,000円など)を参照データに基づき追記しました。
修正3:確定申告の期限を追加
「2月16日~3月15日」という具体的な期限を参照データから追記しました。
修正4:配偶者特別控除の説明を充実化
「150万円までは段階的に減額される」と具体的に記述し、参照データの内容を反映しました。
暮らしとお金のカフェ 編集部
副業・節税・フリーランス・資産形成の実践的な情報を発信。暮らしとお金をもっとよくするために、やさしい言葉で情報をお届けします。