暮らしとお金のカフェ
節税

退職金の受け取り方と税金:一括と年金方式を比較

暮らしとお金のカフェ 編集部
編集部確認済み: 2026-06-19(制度・法令の更新情報を反映)

退職金の一括受け取りと年金方式での受け取りの税負担を比較。退職所得控除の仕組みと、どちらが有利かを年収・金額別に解説します。

✓この記事でわかること

退職金の一括受け取りと年金方式での受け取りの税負担を比較。退職所得控除の仕組みと、どちらが有利かを年収・金額別に解説します。

税制・社会保険・金融制度・サービス料金・キャンペーン内容は変更されることがあります。 記事の内容は一般的な情報として確認し、申し込みや申告の前には公式サイト・税務署・年金事務所・専門家の最新情報もあわせて確認してください。
📋

この記事の目次

あわせて読みたい記事

こんにちは、暮らしとお金のカフェへようこそ。定年退職が近づいてくると、「退職金はどうやって受け取るのが一番得なの?」という問いに向き合う時が来ます。一括でもらうか、年金のように分割でもらうか、税金の面では大きな差が生まれることがあります。

今日は退職金の税金について、わかりやすく整理します。

退職金の受け取り方は主に3種類

退職金の受け取り方によって適用される税金の種類が変わります。

受け取り方 課税の種類 特徴
一括受け取り(退職一時金) 退職所得 退職所得控除が大きく、課税が軽い
年金方式(確定給付年金等) 雑所得 年金控除があるが長期にわたる
一括+年金の組み合わせ 両方の課税 柔軟だが計算が複雑

多くの場合、一括受け取りの方が税負担が軽くなります。その理由は「退職所得控除」の存在です。

退職所得控除の計算方法

退職所得控除は、勤続年数が長いほど大きくなる仕組みです。

  • 勤続20年以下の部分:1年につき40万円(最低80万円)
  • 勤続20年超の部分:1年につき70万円

勤続年数35年の場合の計算例:

  • 20年分:40万円 × 20年 = 800万円
  • 残り15年分:70万円 × 15年 = 1,050万円
  • 合計退職所得控除:1,850万円

退職金が1,850万円以下なら、退職所得はゼロ。つまり所得税・住民税はかかりません。

退職所得の計算式: 退職所得 =(退職金額 − 退職所得控除額)× 1/2

1/2の課税という優遇もあるため、一括受け取りは非常に有利な課税制度です。

勤続年数別の退職所得控除額

勤続年数 退職所得控除額
10年 400万円
20年 800万円
25年 1,150万円
30年 1,500万円
35年 1,850万円
40年 2,200万円

勤続40年で退職金が2,200万円以下なら非課税です。日本の会社員の平均退職金(2023年調査:大卒・総合職で約2,000〜2,500万円)を考えると、多くの方がほぼ非課税か非常に軽い課税で受け取れることになります。

年金方式の課税の仕組み

年金として受け取る場合は「雑所得」として毎年課税されます。公的年金と合算した雑所得に対して所得税・住民税がかかります。

公的年金等控除額は年金額と年齢によって異なります(65歳以上・公的年金等の収入が330万円以下なら110万円控除)。

問題は、すでに公的年金をもらっている場合、企業年金も合算されると所得が増えて他の控除に影響したり、社会保険料が上がったりする点です。

一括受け取りが有利なケース・不利なケース

一括が有利なケース

  • 退職金額が退職所得控除を大きく超えない
  • 早期退職(勤続20年以上で中途退職)
  • 手元資金を自分で運用したい

年金方式が有利なケース

  • 退職金が退職所得控除を大幅に超える(数千万円規模)
  • 長生きリスクを考えて毎月の収入が欲しい
  • 一括で受け取ると使いすぎが心配な場合

注意:2022年改正以降、iDeCoの退職所得控除に関するルールが変更され、iDeCoを一時金受け取りする場合と会社退職金の間に5年以上の間隔を空けないと控除が重複適用できなくなりました。退職のタイミングとiDeCoの受け取り方は計画が必要です。

まとめ

  • 退職金の一括受け取りには「退職所得控除+1/2課税」という大きな優遇がある
  • 勤続35年なら控除額1,850万円、多くの人が実質非課税に近い
  • 年金方式は毎年の雑所得として課税され、他の年金収入と合算される
  • iDeCoと退職金の受け取り時期のタイミングに注意が必要
  • 大きな金額になる場合は税理士に相談してシミュレーションを依頼するのが安心

暮らしとお金のカフェでは、生活のあらゆる場面で役立つ情報をやさしくお届けしています。ぜひ他の記事もご覧ください。

【広告】
知りたいことがぜんぶわかる! 定年前後のお金の超基本

知りたいことがぜんぶわかる! 定年前後のお金の超基本

年金・退職金・健康保険の切り替えなど、定年前後の手続きとお金を確認できます。

Amazonで見る

暮らしとお金のカフェ 編集部

副業・節税・フリーランス・資産形成の実践的な情報を発信。暮らしとお金をもっとよくするために、やさしい言葉で情報をお届けします。

関連記事