退職金の平均額と相場:企業規模・勤続年数別の目安
退職金の平均額と相場:企業規模・勤続年数別の目安について、具体的な方法・注意点・実践ステップを解説します。
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退職金の平均額と相場:企業規模・勤続年数別の目安について、具体的な方法・注意点・実践ステップを解説します。
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退職金の平均額と相場:企業規模・勤続年数別の目安
定年を迎えるとき、多くの人が気になることの一つが「退職金がいくらもらえるのか」という疑問ですよね。退職金は老後資金の重要な柱になるだけに、事前に相場を知っておくことは家計設計に欠かせません。この記事では、企業規模や勤続年数による退職金の平均額・相場をご紹介し、実際に受け取ったときの税務対応まで解説します。
退職金の現状:受け取れる人・受け取れない人
実は、日本でも「退職金がない」という企業は増えてきています。厚生労働省の調査によると、退職金制度を持つ企業は約80%程度。つまり、20%近くの企業では退職金制度そのものが無いということです。
退職金の有無は企業の規模・業種・経営状況によって大きく左右されます。一般的には、大企業ほど退職金制度が整備されており、中小企業では制度がない、または額が少ないという傾向が見られます。
退職金がない場合も、企業型確定拠出年金(企業型DC)や確定給付企業年金(DB)で老後資金を形成している企業もあります。現在の職場で退職金制度がどのようになっているか、一度確認しておくことをお勧めします。
企業規模別の退職金平均額
退職金の額は企業規模によって大きく異なります。以下は、定年退職(60歳)時点での一般的な相場目安です。
| 企業規模 | 大卒・管理職相当 | 大卒・一般職相当 | 高卒・生産職相当 |
|---|---|---|---|
| 大企業(1,000人以上) | 1,800万〜2,200万円 | 1,200万〜1,600万円 | 900万〜1,200万円 |
| 中堅企業(100〜999人) | 1,000万〜1,400万円 | 700万〜1,000万円 | 500万〜800万円 |
| 中小企業(30〜99人) | 500万〜900万円 | 300万〜600万円 | 200万〜500万円 |
| 小規模企業(30人未満) | 制度なし〜300万円 | 制度なし〜200万円 | 制度なし〜150万円 |
大企業と小規模企業では、退職金の額で5〜10倍の開きが出ることもあります。これは企業の経営体力、人事制度の充実度、そして従業員の給与水準の差が反映されているのです。
勤続年数による退職金の変動パターン
退職金の計算方法は企業によって異なりますが、一般的には「勤続年数」が最も大きな決定要因になります。
典型的な計算式
多くの企業では以下のいずれかの方式を採用しています:
- 定額式:勤続年数 × 月数(例:1年につき月給の1ヶ月分)
- 退職金テーブル式:勤続年数と退職事由ごとに金額が決まっている
- 退職金積立金方式:毎年の積立分を合算(企業型DCの場合)
勤続年数別の相場(大企業・大卒・一般職を想定)
| 勤続年数 | 退職金相場 |
|---|---|
| 5年 | 100万〜250万円 |
| 10年 | 300万〜600万円 |
| 20年 | 700万〜1,100万円 |
| 30年 | 1,100万〜1,600万円 |
| 35年以上(定年退職) | 1,200万〜1,600万円 |
重要なポイント:勤続年数が長いほど、退職金は増額します。ただし、35年以上勤続しても、それ以上増えない企業も多いです。これは「生涯賃金の一定割合を退職金として支給する」という考え方に基づいているためです。
退職金を受け取ったときの税務対応
退職金は受け取り時に税金がかかる場合とかからない場合があります。正しく理解しておくと、想定外の税負担を避けられます。
退職所得控除という優遇措置
退職金は退職所得控除という特別な控除が適用されます。これにより、多くの退職金は非課税か、ごく少額の納税で済みます。
退職所得控除の計算方法は以下の通りです:
- 勤続年数 20年以下:40万円 × 勤続年数(最低80万円)
- 勤続年数 20年超:800万円 + 70万円 × (勤続年数 − 20年)
具体的な計算例
例1:勤続30年で退職金1,500万円を受け取った場合
退職所得控除 = 800万円 + 70万円 × (30 − 20) = 800万円 + 700万円 = 1,500万円
退職所得 = (1,500万円 − 1,500万円) ÷ 2 = 0円
例2:勤続25年で退職金1,000万円を受け取った場合
退職所得控除 = 800万円 + 70万円 × (25 − 20) = 800万円 + 350万円 = 1,150万円
退職所得 = (1,000万円 − 1,150万円) ÷ 2 = 0円
→ 所得税・住民税ともにかからない(非課税)
例3:勤続15年で退職金400万円を受け取った場合
退職所得控除 = 40万円 × 15年 = 600万円
退職所得 = (400万円 − 600万円) ÷ 2 = 0円
→ 所得税・住民税ともにかからない(非課税)
このように、勤続年数が長いほど控除が大きくなり、多くのケースで退職金は非課税になります。これは退職金が老後生活の重要な資金であることを考慮した、税制上の優遇措置なのです。
勤続年数が短い場合や高額な場合
仮に勤続10年で退職金600万円を受け取った場合:
退職所得控除 = 40万円 × 10年 = 400万円
退職所得 = (600万円 − 400万円) ÷ 2 = 100万円
所得税 = 100万円 × 5%(所得税率)+ 復興特別所得税 = 約5万円
住民税 = 100万円 × 10% = 10万円
→ 合計約15万円の税負担が発生します。
早期退職や転職時の退職金はどうなる?
定年まで勤めずに、途中で退職する場合、退職金はどのように計算されるのでしょうか?
早期退職制度を利用した場合
多くの企業では、早期退職者に対して割増退職金を支給します。割増率は企業によって異なりますが、勤続年数を加算する、または支給額を上乗せするといった方法が一般的です。
例えば:
- 勤続20年で通常なら800万円の退職金のところ、割増率150%で1,200万円に増額
このような割増退職金であっても、退職所得控除の対象になります。
転職による退職金
転職時の退職金は、勤続年数に応じて通常通り計算されます。転職先で再び退職金制度に加入する場合、前職の勤続年数と転職後の勤続年数は別々に計算されることが一般的です。
つまり、前職で10年、転職後15年勤めた場合、退職時には二つの退職金が支給されることになります。
退職金が無い場合の対策
退職金制度がない企業で働いている場合、自分たちで老後資金を準備する必要があります。以下のような方法が有効です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)の活用
iDeCoは個人で運用する年金制度で、掛金は全額所得控除の対象になります。会社員で企業年金がない場合、毎月23,000円まで拠出でき(2026年5月時点)、30年間の加入で約830万円以上の資産を形成できる可能性があります。
受け取り時には退職所得控除が適用されるため、税負担も軽減されます。詳細は国税庁HPで最新情報をご確認ください。
NISA(新NISA)での積立投資
2024年から始まった新NISAは、年間360万円(つみたて投資枠120万円 + 成長投資枠240万円)の投資が可能で、生涯非課税限度額は1,800万円です。運用益は非課税となり、長期の積立によって老後資金を着実に増やしていけます。
小規模企業共済の活用(自営業の場合)
自営業者であれば、小規模企業共済に加入することで、毎月最大70,000円を掛金として拠出でき、これが全額所得控除になります。
まとめ
退職金の平均額は、企業規模で数百万円から数千万円の幅があり、勤続年数が長いほど増額されるのが一般的です。大企業で35年勤めた場合は1,200万〜2,200万円程度、中小企業なら300万〜900万円程度が相場となります。
また、退職金は退職所得控除という強力な税制優遇措置の対象になるため、多くのケースで非課税か極めて少額の納税で済みます。
退職金がない場合でも、iDeCoや新NISAなどの制度を活用することで、計画的に老後資金を形成することは十分可能です。現在の職場での退職金制度を改めて確認し、必要に応じて個人での資産形成も始めてみることをお勧めします。
暮らしとお金のカフェ 編集部
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