配偶者控除と配偶者特別控除|年収の壁と控除額の関係
配偶者控除と配偶者特別控除|年収の壁と控除額の関係について、具体的な方法・注意点・実践ステップを解説します。
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配偶者控除と配偶者特別控除|年収の壁と控除額の関係について、具体的な方法・注意点・実践ステップを解説します。
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2026年6月19日 制度改正確認済み
所得税・年収の壁:2026年分は基礎控除と給与所得控除が再改正されています。本文中の「基礎控除48万円」「給与収入103万円」は旧制度の計算例です。給与収入のみで一定の低所得区分に該当する場合、本人の所得税がかかり始める目安は最大178万円まで引き上げられますが、配偶者控除・扶養控除・社会保険の判定は別基準です。 公式情報を確認
社会保険の年収の壁:106万円・130万円は単純な年収だけで決まらず、企業規模、週所定労働時間、月額賃金、雇用見込み、学生かどうか、一時的な収入増加などで判定が変わります。税の壁と混同せず、年金事務所・健康保険組合の最新条件を確認してください。 公式情報を確認
新年度になると、「配偶者が働きに出るときの税金はどうしよう」という相談をよく聞きます。年収103万円の壁という言葉は有名ですが、実は配偶者控除と配偶者特別控除の仕組みを理解すると、思ったより柔軟に働き方を選べるんです。今回は、この二つの控除の違いと、実際の手取りがどう変わるかを一緒に見ていきましょう。
配偶者控除ってどんな制度?
配偶者控除は、配偶者がいる場合に税負担を軽くしてくれる仕組みです。簡単に言えば、「あなたが稼いだお金から一定額を所得控除できます」という優遇措置ですね。
配偶者控除の条件
配偶者控除を受けるには、以下のすべての条件を満たす必要があります。
- 【旧制度の条件】配偶者の給与収入が103万円以下
- 【旧制度の条件】配偶者の合計所得金額が48万円以下(給与のみの場合は103万円 = 旧制度の給与所得控除55万円+旧制度の基礎控除48万円)
- 納税者本人の合計所得金額が900万円以下
- 配偶者が青色事業専従者でない(個人事業主の場合)
- 配偶者が給与所得者の扶養親族控除の対象でない(同じ人で親の扶養にはなっていない)
「103万円以下」という数字が生まれる理由は、旧制度の給与所得控除55万円と旧制度の基礎控除48万円を合わせた金額だからです。旧制度では、これを超えると本人の所得税が発生し始める説明でした。
控除額はいくら?
配偶者控除の金額は、納税者本人の所得によって異なります。
| 納税者本人の合計所得金額 | 配偶者控除の額 |
|---|---|
| 900万円以下 | 38万円 |
| 900万円超~950万円以下 | 26万円 |
| 950万円超~1,000万円以下 | 13万円 |
| 1,000万円超 | 0円 |
つまり、年収が高いほど控除額が減り、1,000万円を超えるともらえなくなるということです。
配偶者特別控除で「103万円の壁」が緩和される
ここが重要なポイント。配偶者の年収が103万円を少し超えても、控除額が急にゼロにはならないという仕組みが配偶者特別控除です。
配偶者特別控除の対象範囲
配偶者特別控除が適用されるのは、以下の条件を満たす場合です。
- 配偶者の給与収入が103万円超~150万円以下
- 納税者本人の合計所得金額が900万円以下
- 配偶者の合計所得金額が48万円超~133万円以下
- その他の条件は配偶者控除と同じ
大きな違いは、103万円を超えても150万円までは何らかの控除が受けられるということ。
控除額の段階的な減少
配偶者特別控除は、配偶者の合計所得に応じて段階的に減少します。重要なのは、103万円を超えたからといって控除がすぐにゼロになるのではなく、150万円に向かって段階的に減少するということです。
以下は目安的な関係を示したものです。実際には月単位で調整され、配偶者の給与が月額に換算した際の厳密値に基づきます。
- 103万円超~110万円程度:控除額がほぼ変わらない(最大38万円)
- 110万円超~120万円程度:控除が段階的に減少
- 130万円超~140万円程度:控除がさらに減少
- 140万円超~150万円以下:控除が少額(数万円程度)
- 150万円超:控除なし
ここで大事なのは、103万円をわずかに超えても「あ、控除がなくなった」にはならないということ。むしろ、働いて稼いだ分がそのまま手取りになる部分が大きいんです。
年収の壁|103万円と130万円の違い
「年収の壁」という言葉をよく聞きますが、これは税金と社会保険の話が混ざっているため、混乱しやすいんです。
103万円の壁=所得税が発生する
配偶者の年収が103万円を超えると、配偶者本人に所得税がかかり始めます。ただし配偶者特別控除があるため、納税者本人の控除はゼロになりません。
130万円の壁=社会保険が関係する
一方、130万円の壁は税金ではなく、社会保険(健康保険・厚生年金)の問題です。130万円を超えると、配偶者は配偶者の職場で社会保険に加入するか、国民健康保険と国民年金に加入する必要があります。これは控除とは別の制度です。
また、106万円という数字も関係します。職場の被保険者数が51人以上で、以下をすべて満たすと社会保険加入の対象になります(2024年10月以降の現行要件)。
- 月額賃金 8.8万円以上(年換算106万円相当)
- 週20時間以上勤務
- 雇用契約期間が2ヶ月超の見込み
- 学生ではない
実際のシミュレーション|夫婦で考える手取り
具体的な例を見てみましょう。(2026年5月時点の税制を参照)
ケース1:配偶者が年100万円で働く場合
配偶者の税負担
- 給与所得:100万円 − 旧制度の給与所得控除55万円 = 45万円
- 旧制度の基礎控除48万円により、所得税はかからない
納税者本人の税負担軽減
- 配偶者控除38万円が適用される
- 仮に納税者本人の合計所得が500万円なら、税率は20%
- 控除による減税額:38万円 × 20% = 76,000円
社会保険
- 130万円未満のため、配偶者の扶養のまま
- 保険料負担なし
ケース2:配偶者が年120万円で働く場合
配偶者の税負担
- 給与所得:120万円 − 旧制度の給与所得控除55万円 = 65万円
- 旧制度の基礎控除48万円を引くと:65万円 − 48万円 = 17万円
- 所得税(5%):17万円 × 5% = 8,500円
納税者本人の税負担軽減
- 配偶者特別控除が適用される(120万円はまだ150万円以下)
- 控除額は段階的に減少して約31万円程度
- 同じく税率20%なら:31万円 × 20% = 62,000円
社会保険
- 130万円未満のため、扶養のまま
手取りの比較
| 項目 | 100万円の場合 | 120万円の場合 | 増加分 |
|---|---|---|---|
| 配偶者の給与 | 100万円 | 120万円 | +20万円 |
| 配偶者の所得税 | 0円 | 8,500円 | −8,500円 |
| 納税者の減税額 | 76,000円 | 62,000円 | −14,000円 |
※実際には復興特別所得税(2.1%)や住民税(10%)も含まれるため、正確な手取り増加分は計算が異なります。この表は目安です。
ここで気づくことは、年100万円と120万円では、税制上の負担はさほど大きく変わらないということ。むしろ、働く本人の充実度や将来への不安感減少を考えると、120万円働く価値は十分あるかもしれません。
150万円を超えるとどうなる?
配偶者特別控除が完全になくなるのが150万円を超える場合です。ここからは、配偶者本人の税負担が増えます。
年150万円から200万円への増加を見る
- 給与所得:150万円 − 55万円 = 95万円
- 旧制度の基礎控除48万円を引くと:95万円 − 48万円 = 47万円
- 所得税(5%):47万円 × 5% = 23,500円
150万円を超えると配偶者特別控除はなくなり、配偶者本人の税負担が顕在化します。
さらに社会保険の加入義務が絡んできます。職場が51人以上で、月8.8万円以上の給与&週20時間以上勤務の場合は、106万円で社会保険加入が必須。そうなると保険料が月1万~1.5万円程度かかり始めるため、手取りが減る可能性があります。
配偶者控除・特別控除を最大限活用するコツ
1. 103万円を少し超えても慌てない
配偶者特別控除のおかげで、103万円から150万円までの間なら、働く意欲を保ちながら働くことができます。配偶者本人の給与が増える分、多くは手取りに反映されます。
2. 社会保険加入を視野に入れる
130万円や106万円を超えると、税務上の優遇が減る代わりに、配偶者本人が社会保険に加入することで、将来の年金が増えるというメリットがあります。一時的に手取りは減っても、長期的には得になることもあります。
3. 納税者本人の所得が高い場合は注意
納税者本人の合計所得が900万円を超えると、配偶者控除そのものが減ります。また、1,000万円を超えると配偶者控除は適用されません。この場合、配偶者がいくら働いても納税者本人の控除は受けられないため、配偶者が働く意味が変わってきます。
4. 年度をまたぐときの給与調整
年末が近い時期に「あと少しで103万円を超えてしまう」という場合、年内の給与を調整することで控除を保つこともできます。ただし職場の都合があるため、事前に相談しておくと良いでしょう。
まとめ
配偶者控除と配偶者特別控除は、一見複雑に見えますが、実は配偶者が年100万円から150万円の間で働く場合、思ったより柔軟に働き方を選べるという制度設計になっています。
重要なポイントをおさらいします。
- 103万円以下:配偶者控除で納税者本人が最大38万円の控除
- 103万円超~150万円以下:配偶者特別控除で段階的に控除が減少(150万円に向かってだんだん減っていく)
- 130万円を超えるとき:社会保険が関係し、保険料負担が発生する可能性
- 150万円を超えるとき:配偶者特別控除がなくなり、配偶者本人の税負担が増加
配偶者のキャリアや人生設計を考えると、手取りだけでなく「社会保険加入による将来の年金増加」「本人のやりがいや生きがい」といった要素も大事です。税制上の優遇を理由に働く時間を制限するのではなく、本来やりたいことと税制を両立させるために、この仕組みを上手に活用してみてください。
最新の税制については、国税庁のHPや税理士に相談するのがおすすめです。年度によって制度が変わることもあるため、実際の申告時には専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。
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