生前贈与の110万円非課税枠:相続税対策として最大活用する方法
生前贈与の110万円基礎控除(年間贈与税の非課税枠)を使った相続税対策を解説。2024年改正後の新ルール、贈与の証明方法、暦年贈与の計画的活用法を紹介します。
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生前贈与の110万円基礎控除(年間贈与税の非課税枠)を使った相続税対策を解説。2024年改正後の新ルール、贈与の証明方法、暦年贈与の計画的活用法を紹介します。
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2026年6月19日 制度改正確認済み
所得税・年収の壁:2026年分は基礎控除と給与所得控除が再改正されています。本文中の「基礎控除48万円」「給与収入103万円」は旧制度の計算例です。給与収入のみで一定の低所得区分に該当する場合、本人の所得税がかかり始める目安は最大178万円まで引き上げられますが、配偶者控除・扶養控除・社会保険の判定は別基準です。 公式情報を確認
「子どもや孫に財産を移しておけば相続税が減る」という話を聞いたことがあるでしょう。生前贈与の基礎控除(110万円/年)を使った相続税対策は、以前から広く活用されてきましたが、2024年の法改正で重要な変更がありました。
最新ルールを理解した上で、計画的に活用する方法を解説します。
生前贈与の基本:110万円の基礎控除
贈与税には「基礎控除」として年間110万円の非課税枠があります。
贈与税の課税対象 = 1年間に受け取った贈与の合計 - 110万円
110万円以内なら贈与税はゼロです。
ポイント
- 贈与を受ける人(受贈者)1人につき年間110万円
- 複数人に贈与する場合、合計が110万円を超えても各人が110万円以内なら問題なし
- 親から子・孫へ、夫婦間など贈与者・受贈者の関係は問わない
2024年改正:相続前7年が持ち戻し対象に
改正前(〜2023年)
相続発生前3年以内の贈与は、相続税の課税対象に戻される(持ち戻し)。
改正後(2024年〜順次移行)
相続発生前7年以内の贈与が持ち戻しの対象に拡大。
| 時期 | 持ち戻し期間 |
|---|---|
| 〜2023年12月31日以前の相続 | 3年 |
| 2024年以降 | 順次延長(2031年に完全移行で7年) |
つまり:亡くなる7年前から開始した贈与は、相続税の課税対象になるリスクがあります。相続税対策として贈与を使うなら、より早い時期から始めることが重要です。
持ち戻しの例外:相続人以外への贈与
孫(代襲相続人でない)や義理の子どもへの贈与は、持ち戻しの対象になりません。
贈与先の選択肢の比較
| 贈与先 | 持ち戻しリスク | 備考 |
|---|---|---|
| 子ども(相続人) | あり(7年以内) | 相続人だから |
| 孫(代襲相続でない) | なし | 相続人でない |
| 配偶者 | あり(7年以内) | 相続人だから |
| 子どもの配偶者 | なし | 相続人でない |
孫や子の配偶者への贈与は持ち戻しリスクがないため、相続税対策として効果的です。
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贈与の効果:相続税との節税計算
仮定:財産1億円・相続人2人(子ども2人)・贈与なし
- 課税遺産総額:1億円 - 基礎控除4,200万円(3,000万円+600万円×2人)= 5,800万円
- 相続税(概算):約770万円
10年間・子ども2人に各110万円贈与した場合
- 贈与総額:110万円 × 2人 × 10年 = 2,200万円
- 相続財産:1億円 - 2,200万円 = 7,800万円
- 課税遺産総額:7,800万円 - 4,200万円 = 3,600万円
- 相続税(概算):約310万円
節税効果:約460万円
贈与を証明する方法:税務調査に備える
「贈与があった」ことを証明できないと、税務署に「実質的な相続財産だ」と判断されることがあります。
必須の対応
1. 贈与契約書を毎年作成する
| 記載内容 | 例 |
|---|---|
| 日付 | 2026年1月1日 |
| 贈与者 | ○○○○(親の氏名) |
| 受贈者 | △△△△(子の氏名) |
| 贈与する金額・財産 | 金100万円 |
| 受渡方法 | 受贈者名義の口座に振り込む |
2. 受贈者名義の口座に振り込む
現金手渡しは贈与の証明が難しくなります。必ず受贈者の口座に振込記録を残す。
3. 通帳・印鑑は受贈者が管理する
「贈与を受けた人が自由に使える状態」でなければ、名義預金と判断されます。
暦年贈与の注意点
定期贈与と判断されないために
「毎年110万円を10年間贈与する」という約束(契約)をしてしまうと、定期贈与として一括で贈与税がかかります。
避けるべきこと:「毎年110万円を10年間贈与する」という合意書の作成
推奨すること:毎年その都度贈与の意思を確認し、金額も少し変える(109万円・111万円等)
110万円を超えた贈与の活用
あえて110万円を超えて贈与し、少額の贈与税を払うことで「贈与の事実を確定させる」という方法もあります。
例:200万円を贈与した場合
課税価格:200万円 - 110万円 = 90万円
贈与税:90万円 × 10% = 9万円
9万円の贈与税を払いながら200万円を移転できます。相続税率が高い場合(30〜40%以上)は有効な対策です。
贈与税の特例制度
110万円の基礎控除以外にも、使える贈与税の特例があります。
| 特例 | 非課税上限 | 条件 |
|---|---|---|
| 教育資金一括贈与 | 1,500万円 | 30歳未満の子・孫へ教育目的 |
| 結婚・子育て資金一括贈与 | 1,000万円 | 18歳以上50歳未満へ |
| 住宅取得等資金の非課税 | 省エネ住宅:1,000万円等 | 住宅購入目的 |
| 相続時精算課税制度 | 累計2,500万円 | 60歳以上の親から18歳以上の子へ |
相続時精算課税制度との使い分け
2023年の改正で相続時精算課税制度に「年間110万円の基礎控除」が追加されました。
| 比較項目 | 暦年贈与 | 相続時精算課税 |
|---|---|---|
| 年間非課税枠 | 110万円 | 110万円(改正後) |
| 累計非課税枠 | なし(毎年リセット) | 2,500万円(累計) |
| 相続時の持ち戻し | 7年以内の分 | 全て持ち戻し(ただし110万円は除外) |
| 向いている財産 | 現金・預貯金 | 値上がりが見込まれる不動産・株式 |
将来値上がりが見込まれる財産(不動産・未公開株等)は相続時精算課税で早期に移転するのが有利です。
生前贈与のスケジュール
| 時期 | やること |
|---|---|
| 毎年1月 | 贈与契約書を作成 |
| 毎年1〜3月 | 受贈者口座に振込(金額を少し変える) |
| 3月15日まで | 前年の贈与税申告(110万円超の場合) |
| 12月末 | 年間の贈与を記録・整理 |
まとめ:生前贈与の活用チェックリスト
- 自分の財産が相続税の課税対象になるか確認した(基礎控除:3,000万円+600万円×相続人数)
- 相続税の課税対象なら、早期(7年以上前から)の贈与を計画した
- 贈与先に孫・子の配偶者を含めた(持ち戻しリスクを減らす)
- 贈与契約書を毎年作成する仕組みを整えた
- 振込記録を残し、受贈者が通帳・印鑑を自分で管理している
- 110万円を超える贈与の場合は贈与税の申告をした
生前贈与は「早く始めるほど効果が大きい」制度です。改正後のルールを把握した上で、今すぐ計画的に取り組みましょう。
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