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小さなお店の損益分岐点を知る

暮らしとお金のカフェ 編集部
編集部確認済み: 2026-06-20

小さなお店を始める前に知りたい損益分岐点の考え方を、固定費・変動費・粗利率の分け方から必要売上・必要客数の試算まで中立にやさしく解説します。

この記事でわかること

小さなお店を始める前に知りたい損益分岐点の考え方を、固定費・変動費・粗利率の分け方から必要売上・必要客数の試算まで中立にやさしく解説します。

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この記事の目次

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こんにちは、暮らしとお金のカフェへようこそ。この記事は、小さなカフェや雑貨店、サロンなど「小さなお店」を始めたい方、すでに始めて数字に不安がある方に向けたものです。読み終えるころには、「月にいくら売れば赤字を脱けられるのか」を自分の手で計算できるようになります。むずかしい会計用語はできるだけ使わず、温かいコーヒーを片手に読めるくらいの気軽さでお伝えしますね。

損益分岐点とは「赤字と黒字の境目」のこと

損益分岐点とは、売上と費用がちょうど同じになり、利益がゼロになる売上高のことです。これより売れれば黒字、これより少なければ赤字、というシンプルな「境目」だと考えてください。

計算の基本はとても素直で、損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 粗利率で求めます。たとえば毎月かかる固定費がおよそ30万円、粗利率が60%のお店なら、30万円 ÷ 0.6 = 50万円が境目です。月50万円を売って、ようやくプラスマイナスゼロという目安になります。

ここで大切なのは、この数字を「ノルマ」として自分を追い込む道具にしないことです。あくまで「これだけ売れれば最低限まわる」という安心の基準線として、中立にながめてみてください。数字が見えると、不安はむしろ小さくなることが多いものです。

固定費・変動費・粗利率の分け方

計算の前に、お店のお金を3つに整理します。毎月決まってかかるのが固定費、売れた分だけ増えるのが変動費、そして売上から変動費を引いた割合が粗利率です。次の表で、よくある費目を分類してみましょう。

区分 性質 主な費目の例
固定費 売上が0でもかかる 家賃、人件費(固定給)、リース料、保険料、通信費
変動費 売れた分だけ増える 仕入れ・材料費、販売手数料、包装資材、決済手数料
粗利率 売上に占める粗利の割合 粗利 ÷ 売上。飲食はおよそ60〜70%が一つの目安
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粗利率は「売上100円のうち、材料などを引いて手元に残る割合」です。たとえば1杯500円のコーヒーで材料費が150円なら、粗利は350円、粗利率はおよそ70%です。業種により幅があるので、自分のお店の実際の数字で確かめることが大切です。

固定費別「月いくら売れば赤字を脱するか」試算表

では、固定費と粗利率の組み合わせで、必要な売上がどう変わるかを見てみましょう。下の表は「固定費 ÷ 粗利率」で計算した、損益分岐点売上高のおおよその目安です。

月の固定費 粗利率50% 粗利率60% 粗利率70%
20万円 40万円 約33万円 約29万円
30万円 60万円 50万円 約43万円
40万円 80万円 約67万円 約57万円
50万円 100万円 約83万円 約71万円

この表からわかるのは、粗利率が高いほど、また固定費が小さいほど、必要な売上はぐっと下がるということです。たとえば固定費30万円のお店でも、粗利率が50%なら月60万円、70%なら約43万円と、17万円もの差が生まれます。固定費を抑えることと、粗利率を上げることの両方が、お店を楽にしてくれます。

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客単価×客数で「必要客数」に落とし込む

売上の目標が見えたら、次は「では1日に何人来てもらえばいいの?」という、もっと身近な数字に変えていきます。手順はとてもシンプルです。

  1. 損益分岐点売上高を出す(固定費 ÷ 粗利率)
  2. 月の営業日数で割って、1日あたりの必要売上を出す
  3. それを客単価で割って、1日あたりの必要客数を出す

たとえば必要売上が月50万円、営業日数が25日なら、1日あたり2万円です。客単価が800円のカフェなら、2万円 ÷ 800円 = 25人。つまり「1日25人に来ていただければ赤字を脱ける」とわかります。下の表で客単価ごとの必要客数を比べてみましょう(1日あたり必要売上2万円の場合)。

客単価 1日の必要客数 営業時間8時間での1時間あたり
600円 約34人 約4人
800円 25人 約3人
1,200円 約17人 約2人
1,500円 約14人 約2人

「25人」と聞くと身構えますが、「1時間に3人」と言いかえると、ぐっと現実的に感じられませんか。数字を細かく刻むと、目標は手の届くものに変わります。

はじめは「身の丈」で始めるという考え方

ここまで読むと、「固定費を小さくすれば必要な売上も下がる」という関係に気づかれたと思います。だからこそ、開業のはじめは固定費を身の丈に合わせて小さく始めることが、長く続けるための土台になります。

たとえば、いきなり広い物件を借りず小さな店舗から始める、最初は自分ひとりで回して人件費を抑える、設備は中古やリースから試す、といった工夫です。固定費が20万円のお店と50万円のお店では、必要な売上が2倍以上ちがうこともあります。背伸びをしないぶん、心にも余裕が生まれます。

なお、開業資金を借入でまかなう判断は人それぞれですが、この記事は借入を勧めるものではありません。返済も毎月の固定費に乗ってくるため、まずは小さく始めて、損益分岐点を確実に超える手ごたえを得てから次を考える、という順番が安心です。資金計画の詳しい考え方は、後ほど紹介する公式の窓口で中立な情報を確認してみてください。

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参考にした公式情報

まとめ

  • 損益分岐点は「固定費 ÷ 粗利率」で求める、赤字と黒字の境目の売上高です。
  • 固定費30万円・粗利率60%なら、月50万円が一つの目安になります。
  • 必要売上は「営業日数」と「客単価」で割れば、1日あたりの必要客数まで落とし込めます。
  • 粗利率を上げ、固定費を下げると、必要な売上はぐっと小さくなります。
  • はじめは身の丈に合わせて固定費を小さく始め、確実に境目を超える手ごたえを大切にしましょう。
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