確定申告はe-Taxで変わる|マイナンバーカード方式の準備手順と控除の違い
毎年の確定申告を税務署の行列で済ませていませんか。e-Taxのマイナンバーカード方式なら自宅で完結し、青色申告なら控除額にも差が出ます。事前準備の手順とつまずきポイントを整理しました。
✓この記事でわかること
毎年の確定申告を税務署の行列で済ませていませんか。e-Taxのマイナンバーカード方式なら自宅で完結し、青色申告なら控除額にも差が出ます。事前準備の手順とつまずきポイントを整理しました。
この記事の目次
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2026年6月19日 制度改正確認済み
住宅ローン控除:2026年入居分から住宅区分・省エネ性能・借入限度額・控除期間などが見直されています。本文中の一律0.7%や過去年の限度額は、記載された入居年の旧制度例として確認してください。新規購入では入居年と住宅性能証明を基に最新表を確認します。 公式情報を確認
保険料控除:通常の新契約は一般生命・介護医療・個人年金の各上限4万円、合計上限12万円です。2026年分と2027年分は、23歳未満の扶養親族がいる一定の人について一般生命保険料控除の上限を6万円とする特例がありますが、3区分合計上限は12万円のままです。 公式情報を確認
副業所得と申告:給与所得者の「給与以外の所得20万円以下なら所得税の確定申告が不要となる場合がある」という取扱いには条件があります。住民税の申告、医療費控除等で確定申告する場合、事業所得・雑所得の区分は別に確認してください。 公式情報を確認
e-Tax(国税電子申告・納税システム)を使えば、確定申告は自宅のスマホやパソコンで完結します。それだけではありません。青色申告の方は、e-Taxで申告するかどうかで青色申告特別控除の額が10万円変わります(65万円か55万円か)。還付金の振込も紙の申告より早い傾向があり、添付書類の一部は提出省略が可能。「行かなくていい」以上の実利があるんです。
一方で、「マイナンバーカード方式って何を準備すればいいの?」「ID・パスワード方式と何が違うの?」という最初の一歩でつまずく方が非常に多いのも事実。この記事では、e-Taxの方式の違い、マイナンバーカード方式の具体的な準備手順、控除額への影響、そして初年度にハマりやすいポイントを順番に解説します。来年の申告期に慌てないために、準備は今のうちに済ませてしまいましょう。
なお、制度・システムの説明は2026年6月時点の情報に基づきます。画面構成や手順は更新されることがあるため、最新情報は国税庁の確定申告ページで確認してください。
確定申告はe-Taxで変わる|マイナンバーカード方式の準備手順と控除の違い
e-Taxとは:紙の申告と何が違うのか
e-Taxは、国税庁が運営する電子申告・納税のシステムです。確定申告書等作成コーナー(国税庁のウェブサイト上の作成ツール)やスマホ、会計ソフトから申告データを送信できます。
紙の申告との違いを整理すると、メリットはかなり具体的です。
| 項目 | 紙で提出(持参・郵送) | e-Tax |
|---|---|---|
| 提出方法 | 税務署窓口・郵送 | 自宅からオンライン送信 |
| 受付時間 | 開庁時間・郵送日数に依存 | 申告期はメンテナンス時間を除き24時間 |
| 還付までの期間の目安 | 1か月〜1か月半程度 | 3週間程度(スマホ・PC申告) |
| 青色申告特別控除 | 最大55万円 | 最大65万円(電子帳簿保存でも可) |
| 添付書類 | 原則添付 | 源泉徴収票や一部の証明書は提出省略可(保存は必要) |
| 控えの扱い | 収受印の扱いが変更され、控え管理は自己対応が基本 | 受信通知(送信記録)がデータで残る |
| 計算ミス | 手計算だと起こりやすい | 自動計算でほぼ防げる |
特に効くのが還付スピードと控除額です。やってみると分かるのですが、「2月頭に送信して2月中に還付金が振り込まれる」体験を一度すると、紙には戻れなくなります。
2つの方式:マイナンバーカード方式とID・パスワード方式
e-Taxで本人確認を行う方法は、大きく2つあります。
1. マイナンバーカード方式(本命) マイナンバーカードと、カードを読み取れるスマホ(またはICカードリーダー)を使ってログイン・送信する方式です。事前の税務署訪問は不要で、自宅だけで完結します。マイナポータル連携を使えば、給与の源泉徴収票、医療費通知、生命保険料控除証明書、iDeCoの掛金証明書などのデータを自動取得して申告書に自動入力できるのが最大の強みです(連携対象は発行元によります)。
2. ID・パスワード方式(暫定的な位置づけ) 税務署で職員と対面の本人確認を行い、IDとパスワードの通知を受けて使う方式です。マイナンバーカードがなくても使えますが、マイナンバーカードの普及までの暫定的な対応とされています。これから始めるなら、マイナンバーカード方式を選ぶのが素直です。
| 比較項目 | マイナンバーカード方式 | ID・パスワード方式 |
|---|---|---|
| 事前の税務署訪問 | 不要 | 原則必要(対面の本人確認) |
| 必要なもの | マイナンバーカード+読取対応スマホ等 | ID・パスワードの通知 |
| マイナポータル連携(自動入力) | 利用できる | 利用できない |
| 位置づけ | 標準的な方式 | 暫定的な方式 |
マイナンバーカード方式の準備手順:5ステップ
それでは、本命のマイナンバーカード方式の準備を具体的に進めましょう。申告期直前は窓口もシステムも混むので、1〜2か月前までに済ませておくのが理想です。
ステップ1:マイナンバーカードを用意する 未取得の方は、交付申請から受け取りまで1か月前後かかることがあります。最初に着手してください。すでに持っている方は、**電子証明書の有効期限(発行から5回目の誕生日)**が切れていないか確認を。期限切れだとe-Taxで使えず、市区町村窓口での更新が必要です。
ステップ2:2種類のパスワードを確認する カード受け取り時に設定した、次の2つを使います。
- 利用者証明用電子証明書のパスワード(数字4桁):ログインなどで使用
- 署名用電子証明書のパスワード(英数字6〜16桁):申告データの送信(電子署名)で使用
忘れた場合・ロックされた場合は市区町村窓口等で再設定が必要です。申告期に窓口は混雑するので、いま思い出せない方はここを最優先で解消しましょう。e-Tax準備の挫折原因ナンバーワンは、実はこのパスワード問題です。
ステップ3:読み取り環境を整える マイナンバーカード読み取り対応のスマホ(NFC対応の多くの機種が対応)があれば、それだけでOKです。パソコンで申告する場合も、スマホをICカードリーダー代わりにするQRコード認証が使えるため、専用のICカードリーダーは必須ではなくなっています。マイナポータルアプリをスマホにインストールしておきましょう。
ステップ4:利用者識別番号を取得する e-Taxの利用者番号(16桁)です。確定申告書等作成コーナーからマイナンバーカード方式で進めば、画面の案内に沿って取得できます。過去に取得したことがある方は、重複取得しないよう注意してください(番号が複数あるとデータが分断されます)。
ステップ5:マイナポータル連携を設定する マイナポータルで、生命保険会社・証券会社・iDeCo(国民年金基金連合会)などとの連携(外部サイトとの連携設定)を済ませておくと、控除証明書データが申告時に自動入力されます。連携の反映には日数がかかる場合があるため、これも早めの設定が吉です。
ここまで終われば、申告期にやることは「作成コーナーで数字を確認して送信ボタンを押す」だけ。初年度の準備に合計2〜3時間、2年目以降は申告作業そのものが1時間以内に収まる方も多い印象です。
青色申告の65万円控除:e-Taxかどうかで10万円変わる
個人事業主・フリーランスの方に直結する話がこれです。青色申告特別控除は、要件によって3段階に分かれています(2026年6月時点)。
- 65万円控除:複式簿記+貸借対照表・損益計算書の添付+期限内申告に加えて、e-Taxによる申告または優良な電子帳簿保存を行っている
- 55万円控除:複式簿記+貸借対照表・損益計算書の添付+期限内申告(紙で提出)
- 10万円控除:簡易な記帳など、上記要件を満たさない場合
つまり、同じ帳簿を付けていても、紙で出すかe-Taxで出すかだけで控除が10万円違うのです。所得税率10%+住民税10%の方なら、差額10万円×20%=年約2万円の税負担差になる計算です(目安。国民健康保険加入者は保険料への影響も加わります)。
65万円控除の詳しい要件は青色申告で65万円控除を受けるための条件で整理しています。これから青色申告を始める方は、申請期限のある青色申告承認申請書の書き方と提出期限もあわせて確認してください。
なお、会計ソフトを使っている場合は、ソフトからe-Tax送信まで一気通貫でできるものが主流です。帳簿付け→決算書作成→電子申告の流れを1つのツールで完結させたい方は確定申告ソフト比較2026:freee・マネーフォワード・やよいが参考になります。
会社員・年金受給者にもe-Taxが効く場面
e-Taxは個人事業主だけのものではありません。会社員でも、次のような場面で出番があります。
- 医療費控除:マイナポータル連携で医療費通知データを自動取得でき、明細の手入力が大幅に減ります
- ふるさと納税(寄附金控除):寄附先が多い方は、寄附データの自動連携が便利です
- 住宅ローン控除の1年目:必要書類は多いものの、自宅から送信でき、還付も早い傾向です
- 副業の申告:副業所得が20万円を超えた会社員の申告もスマホで完結します
- 年の途中で退職して年末調整を受けていない方:還付申告で取り戻せる可能性があります
スマホの確定申告書等作成コーナーは年々改善されており、給与所得+医療費控除程度の申告なら、元になる書類が手元にそろっていれば30分〜1時間程度で送信まで行ける操作感です。最新の対応範囲は国税庁の確定申告ページで確認できます。
初年度にハマりやすいポイントと対策
実際に手を動かすと、つまずきどころはだいたい共通しています。先回りして潰しておきましょう。
1. パスワードのロック 署名用パスワード(英数字6〜16桁)は5回連続で間違えるとロックされます。ロック解除は市区町村窓口等での手続きが必要です。自信がない方は、入力前に控えを確認してから操作しましょう。
2. 電子証明書の期限切れ カード本体の有効期限より先に、電子証明書の期限(5回目の誕生日)が来ます。更新は無料ですが窓口手続きが必要です。申告期の1〜2か月前に有効期限を確認する習慣をつけてください。
3. スマホの読み取りエラー カードの読み取り位置は機種によって異なります。カードをスマホの背面中央〜上部に密着させ、読み取り完了までそのまま動かさないのがコツです。ケースを外すと安定することもあります。
4. 提出後の控え・受信通知の保存忘れ e-Taxでは「受信通知」と申告データの控え(PDF)が証明の要です。送信後に必ずダウンロードして保存しましょう。住宅ローンの審査や保育園の手続きなどで申告書類の控えを求められたときに困りません。
5. 添付省略=保存不要、ではない e-Taxで提出を省略できる証明書類も、法定の保存期間は手元保存が必要です(原則5年など)。「出さなくていい」と「捨てていい」は別物です。
6. 申告期限ギリギリの送信 期限日はアクセスが集中します。システム的には24時間送信できても、トラブル対応の余地を残すため、期限の1週間前送信を自分ルールにするのがおすすめです。
まとめ:申告期の行列は「準備した人」には関係ない
要点を整理します。
- e-Taxなら確定申告は自宅で完結。還付は3週間程度が目安で、紙より早い傾向
- 方式はマイナンバーカード方式が本命。読み取り対応スマホがあればICカードリーダー不要
- 青色申告はe-Tax申告(または優良な電子帳簿保存)で65万円控除、紙だと55万円。差は年約2万円の税負担(目安)
- 準備の鍵は「電子証明書の有効期限」と「2種類のパスワード」。申告期前に必ず確認
- マイナポータル連携で控除証明書の自動入力が可能。設定は早めに
システムの仕様や制度は2026年6月時点の情報です。実際の操作・要件は国税庁の確定申告ページで最新情報を確認してください。
今日やる最初の一歩はこれだけ:財布からマイナンバーカードを出して、電子証明書の有効期限を確認し、2種類のパスワードを思い出せるかチェックしましょう。ここさえクリアしていれば、e-Tax移行の8割は終わったようなものです。
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