退職金にかかる税金|退職所得控除で大きく軽くなる仕組み
退職金にかかる税金|退職所得控除で大きく軽くなる仕組みについて、具体的な方法・注意点・実践ステップを解説します。
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退職金にかかる税金|退職所得控除で大きく軽くなる仕組みについて、具体的な方法・注意点・実践ステップを解説します。
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2026年6月19日 制度改正確認済み
副業所得と申告:給与所得者の「給与以外の所得20万円以下なら所得税の確定申告が不要となる場合がある」という取扱いには条件があります。住民税の申告、医療費控除等で確定申告する場合、事業所得・雑所得の区分は別に確認してください。 公式情報を確認
退職金をもらうとき、「税金がどのくらい引かれるんだろう…」と不安になりませんか?実は退職金の税金は、退職所得控除という仕組みのおかげで、給与の税金よりも圧倒的に軽くなります。同じ額をもらっても、その受け取り方次第で手元に残る金額が大きく変わることもあります。
この記事では、退職金にかかる税金の仕組みと、控除をしっかり活用する方法を、できるだけわかりやすく説明します。計算方法も具体例も入れているので、自分の退職金がいくら手元に残るのか、この記事を読めばイメージできるようになりますよ。
退職金にかかる税金の基本
まず、退職金には退職所得税という特別な税金がかかります。給与をもらう時の所得税とは別物です。
退職金にかかる税金は、以下の2つで決まります。
- 退職所得控除額:退職金から差し引く控除額
- 税率:控除後の金額に対して何%の税金をかけるか
この「退職所得控除」が、退職金税制の最大の味方。退職金全額に税金がかかるわけではなく、勤続年数に応じた控除額を先に差し引くため、税負担がぐっと下がるんです。
退職所得控除の計算方法
退職所得控除は、勤続年数で決まります。2026年5月時点での制度に基づくと、以下のようになります。
| 勤続年数 | 控除額計算式 | 具体例 |
|---|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 年数(最低80万円) | 10年なら400万円、最低80万円 |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 ×(年数 − 20) | 30年なら800万 + 70万 × 10 = 1,500万円 |
具体的に計算してみましょう。
勤続20年以下の場合
勤続10年で退職金500万円をもらった場合:
- 退職所得控除 = 40万円 × 10年 = 400万円
- 控除後の金額 = 500万円 − 400万円 = 100万円
- この100万円に対して税金が計算される
勤続20年超の場合
勤続35年で退職金2,000万円をもらった場合:
- 退職所得控除 = 800万円 + 70万円 × (35 − 20) = 800万円 + 1,050万円 = 1,850万円
- 控除後の金額 = 2,000万円 − 1,850万円 = 150万円
- この150万円に対して税金が計算される
勤続年数が長いほど、控除額が大きくなり、税負担が驚くほど軽くなることが分かりますね。
退職金にかかる具体的な税金の計算
退職所得控除を差し引いた後の金額を「退職所得」といいます。この退職所得に対して、所得税と住民税がかかります。
所得税の計算
退職所得に対する所得税は、以下の速算表を使います(2026年現在も継続中)。
| 退職所得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 0円 |
| 195万円超 〜 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
| 330万円超 〜 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
| 695万円超 〜 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
| 900万円超 〜 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
さらに、退職所得税には復興特別所得税が上乗せされます。所得税額の2.1%を加算して納める仕組みです(2013年〜2037年まで)。
住民税
退職所得に対する住民税は、一律10%(道府県民税4% + 市町村民税6%)です。
具体的な計算例
勤続25年で退職金1,500万円をもらった場合を計算してみます。
退職所得控除の計算
- 1,500万円 − (800万円 + 70万円 × 5年) = 1,500万円 − 1,150万円 = 350万円(退職所得)
所得税の計算
- 350万円は「330万円超 〜 695万円以下」に該当
- 所得税 = 350万円 × 20% − 427,500円 = 700万円 − 427,500円 = 272.5万円
- 復興特別所得税 = 272.5万円 × 2.1% = 約5.7万円
- 所得税計 = 272.5万円 + 5.7万円 = 約278.2万円
住民税の計算
- 住民税 = 350万円 × 10% = 35万円
手取り額
- 1,500万円 − 278.2万円 − 35万円 = 約1,186.8万円
退職金の約79%が手元に残る計算です。もし同じ1,500万円を給与でもらった場合、税負担はもっと大きくなることを考えると、退職金税制の優遇がいかに大きいかが分かります。
退職金の受け取り方で変わる税金
退職金の税金に大きく影響する要素が、実は受け取り方です。同じ金額でも、一時金で受け取るか年金形式で受け取るかで、税負担が変わる可能性があります。
一時金で受け取る場合
退職金全額を一度にもらう方法です。上で説明した退職所得控除の仕組みがフルに活用できるため、最も税負担が軽くなりやすいです。
年金形式で受け取る場合
退職金を毎年分割してもらう方法です。この場合、受け取り額は「退職年金」として公的年金等控除の対象になります。ただし、毎年の受け取り額によっては、一時金で受け取るより税負担が重くなることもあります。
多くの人にとって、一時金での受け取りが有利です。ただし、個人の収入や家族構成によって最適な選択が変わるため、勤め先の総務部門やFPに相談することをお勧めします。
退職所得控除で気をつけたいポイント
複数社で勤務していた場合
転職経験がある方は注意が必要です。退職所得控除は「最後の勤め先での勤続年数」を基準に計算されます。前の会社での勤続年数は含まれません。
ただし、退職金を2度にわたってもらった場合の税申告は複雑になるため、税務署や税理士に相談することをお勧めします。
退職金を確定拠出年金(iDeCo)で受け取る場合
自営業者やフリーランスの方が個人型確定拠出年金(iDeCo)で老後資金を積み立てている場合、その受け取りも退職所得控除の対象になります。
iDeCoの加入期間が退職所得控除の計算に使われるため、長期加入者は大きなメリットを受けられます。加入期間が40年の場合、控除額は以下のようになります。
- 退職所得控除 = 800万円 + 70万円 × (40 − 20) = 800万円 + 1,400万円 = 2,200万円
この仕組みは、長期に渡って老後資金を計画的に積み立てた方への税制上の報酬といえます。
控除額は加入年数で変動
「退職所得控除の最大額は●●円」という情報を見かけることがありますが、実際には加入年数に上限がないため、勤続年数が長いほど控除額は大きくなり続けます。ですから、年数ごとに正確に計算することが重要です。
退職金以外の収入がある場合の税金
退職金をもらった年に、給与や他の所得がある場合、税金の計算が複雑になります。
給与と退職金の両方がある場合
退職金は「退職所得」として分離課税され、給与所得とは別々に税金が計算されます。つまり、給与がいくらあっても、退職金の税負担には直接的な影響を与えません。これも退職金税制の優遇ポイントです。
確定申告の必要性
退職金をもらった場合、勤め先が源泉徴収(税金を先に引くこと)と年末調整を行うため、多くの人は確定申告不要です。ただし、給与以外の所得がある場合や、特定の控除を受ける場合は確定申告が必要になることもあります。
年金受給や医療費控除など、他の要素がある場合は、税務署に相談することをお勧めします。
まとめ
退職金にかかる税金は、退職所得控除のおかげで、同じ金額をもらう場合でも、給与よりもはるかに軽い税負担で済みます。
重要なポイントは以下の通りです。
- 退職所得控除 = 勤続20年以下なら「40万円 × 年数(最低80万円)」、20年超なら「800万円 + 70万円 ×(年数 − 20)」
- 勤続年数が長いほど控除額が大きくなり、税負担が軽くなる
- 一時金での受け取りが最も有利になることが多い
- 退職金は給与と分離課税されるため、給与額の影響を受けない
- 転職経験がある場合や複数の退職金がある場合は、計算が複雑になるため専門家に相談を
退職金をもらうことは、キャリアの一つの区切りです。しっかり税制のメリットを理解して、手元に残る金額を最大限に活かす計画を立ててくださいね。不安な点があれば、税務署や信頼できるFP、税理士に相談することをお勧めします。
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