学資保険は必要か:返戻率と他の備え方を比較
学資保険は必要か:返戻率と他の備え方を比較について、具体的な方法・注意点・実践ステップを解説します。
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学資保険は必要か:返戻率と他の備え方を比較について、具体的な方法・注意点・実践ステップを解説します。
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2026年6月19日 制度改正確認済み
NISA制度:旧つみたてNISA・一般NISAの新規買付は2023年で終了し、2024年から新NISAへ移行しています。旧制度の商品は経過措置で保有できますが、新規投資の枠・非課税保有限度額は新NISAの公式情報で確認してください。 公式情報を確認
「子どもが生まれたら学資保険」—— そう言われることも多いですよね。でも、本当に必要でしょうか? 最近は低金利の影響で返戻率が100%を下回る商品もあり、「貯蓄というより保障?」と迷う親御さんは少なくありません。
この記事では、学資保険の仕組みから返戻率、そして他の教育費対策までを丸ごと比較します。「我が家に本当に必要な選択肢は何か」を見つけるお手伝いをします。
学資保険の仕組みと返戻率って何?
学資保険の基本的な構造
学資保険は、契約者(親)が毎月保険料を払い込み、子どもが進学時期(18歳、22歳など)に給付金を受け取る仕組みです。よく「積立型保険」と呼ばれるのはこのため。
単なる貯金と違う点は、以下の3つ:
- 保障がついている:契約者が亡くなった場合、その後の保険料が免除され、満期に給付金が受け取れる
- 定期的に給付金がもらえる:進学祝い金(15歳時など)と満期金(18〜22歳時)に分かれることが多い
- 返戻率がある:払った総額より多く(または少なく)受け取れる仕組み
返戻率とは何か
返戻率は、受け取る総額 ÷ 払い込む総額 × 100 で計算します。
例)月1万円を18年間払い込む場合
- 払い込み総額:1万円 × 12ヶ月 × 18年 = 216万円
- 受け取り総額:250万円(例)
- 返戻率:250万円 ÷ 216万円 × 100 = 約115.7%
つまり、216万円払って250万円もらえるので、34万円分得をする計算です。
ただし、この返戻率は商品や契約時期、契約者の年齢で大きく変わります。2026年5月時点では、返戻率が100%を下回る商品(つまり損になる商品)も存在するのが現状です。
なぜ返戻率が下がってるの?
ここ10年で学資保険の返戻率が低下した理由は、一言で言うと「超低金利時代」です。
保険会社は契約者から集めたお金を運用して利益を出し、その一部を返戻率に反映させます。ところが、銀行預金の利率が0.1%未満の時代では、運用益がほぼ出ません。
さらに保険会社は以下のコストも負担します:
- 支払い部分:契約者が亡くなった時の保障
- 事務コスト:営業・事務処理・システム維持費
- 広告宣伝費
これらを差し引くと、特に保障が手厚い商品ほど返戻率が下がる傾向があります。
| 返戻率の傾向 | 特徴 |
|---|---|
| 100%超(110%以上) | 保障は最小限。貯蓄性重視。返戻率が高い分、契約者の保障は薄い |
| 100%超(105~109%) | バランス型。適度な貯蓄性と保障 |
| 97~99% | 保障が手厚い。返戻率は低い(損の状態) |
学資保険 vs. NISAと教育ローン:3つの選択肢を比較
では、教育費をどう備えるか。学資保険以外の選択肢もあります。具体的に比較してみましょう。
1. 学資保険(返戻率108%の場合)
前提:月1万円、18年間払い込み
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 払い込み総額 | 216万円 |
| 受け取り総額 | 約233万円 |
| 利益 | 約17万円 |
| 契約者の死亡保障 | あり。以降保険料免除で給付金受取 |
| 税金 | 受け取り時に一時所得として課税(通常は微額) |
| 柔軟性 | 途中解約は元本割れリスク |
| メリット | 保障と貯蓄が両立。強制貯蓄になる |
| デメリット | 返戻率が低い商品もある。急な資金化は不利 |
2. つみたてNISA(年間120万円枠で教育費用に充当する場合)
2024年から制度が拡充され、つみたて投資枠で年120万円、生涯1,800万円まで非課税で運用できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 払い込み総額 | 月1万円 × 12 × 18年 = 216万円 |
| 受け取り総額 | 投資成果次第。3%複利なら約298万円(参考値) |
| 利益 | 約82万円(年3%複利の場合) |
| 非課税期間 | 生涯(2024年制度)。売却後も枠が復活 |
| 税金 | 運用益はゼロ。譲渡益控除なし(非課税) |
| 柔軟性 | いつでも売却可能。急な資金化も容易 |
| メリット | 学資保険より高い利益見込み。自由度が高い |
| デメリット | 保障なし。市場変動リスク。18年時点で値下がりのリスク |
参考:つみたてNISAの対象は金融庁指定の低コスト投資信託のみ。年3%の複利は平均的な見込み値で保証ではありません。
3. 教育ローン(必要時に借りる)
学資保険やNISAではなく、「必要な時に借りる」という選択肢もあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 先払い | 必要ありません |
| 利息 | 年1~2%程度(日本学生支援機構) |
| 借入可能額 | 最大350万円(進学先や年数で異なる) |
| 返済期間 | 20年以内(在学中は利息のみも可) |
| メリット | 前もって貯蓄の手間なし。必要額だけ借りられる |
| デメリット | 利息負担がある。返済義務あり。親の年齢制限あり |
学資保険が向いている家庭・向いていない家庭
「結局、ウチはどれがいいの?」—— そう思いますよね。ここで判断軸を整理します。
✓ 学資保険が向いている家庭
-
契約者(親)の死亡保障が必要
- 生命保険とは別に、「子どもが進学時にまとまった金が必要」という明確なニーズがある家庭
- 保障と貯蓄の一体化で、保険料を節約できる可能性
-
強制貯蓄したい
- 毎月「貯蓄に回す余裕はあるが、つい使ってしまう」というクセがある
- 給与天引きのように自動で積み立てたい人向け
-
返戻率が100%を超える商品が選べる
- 複数商品を比較して、108%以上の返戻率を確保できる場合
- 損をする商品を選ぶメリットはありません
-
市場変動が心理的に辛い
- 投資の値上がり・値下がりを見ると不安になる
- 確実性を重視したい
✗ 学資保険が向いていない家庭
-
返戻率が100%以下の商品しか選べない
- 単なる貯蓄なら銀行の定期預金やつみたてNISAの方がマシ
-
つみたてNISAの非課税メリットを活かしたい
- 運用益が非課税(学資保険は課税対象)
- 投資初心者でも低コスト投資信託で対応可能
-
流動性が必要
- 途中で子どもの病気や家の修繕など、予測不能な出費がありそう
- つみたてNISAなら即座に売却できます
-
親の生命保険が充実している
- 既に十分な死亡保障がある場合、学資保険の保障は重複
教育費の現実:実際にいくら必要?
学資保険やNISA、ローンを選ぶ前に、「教育費ってそもそもいくら必要?」を押さえておきましょう。
幼稚園〜大学までの総額(参考値)
| 段階 | 公立 | 私立 |
|---|---|---|
| 幼稚園(3年間) | 約70万円 | 約200万円 |
| 小学校(6年間) | 約200万円 | 約800万円 |
| 中学校(3年間) | 約150万円 | 約400万円 |
| 高等学校(3年間) | 約150万円 | 約300万円 |
| 大学(4年間) | 約250万円 | 約400~500万円 |
| 合計 | 約800万円 | 約2,100~2,300万円 |
これ、全額用意する必要はありません。公立中心で選べば800万円ですが、そのうち奨学金やローン、お子さん本人のアルバイト収入もあり得ます。
準備の目安:いくら貯めるべき?
多くの家庭は以下のように考えています:
- 大学進学時に必要な額を中心に準備:200~300万円
- 返済不可能なほどの教育ローン利用は避ける
- 進学先(国立か私立か)で調整
つまり、「完璧に全額貯蓄する」のではなく、「親の経済負担を軽くする。教育ローンもバックアップとして持つ」という柔軟な考え方です。
学資保険とNISA・ローンの組み合わせという選択肢
最後に、「学資保険か、NISA か、どちらかオンリー」ではなく、組み合わせる方法も紹介します。
パターン例:月3万円で準備する家庭
| 方法 | 配分 | 役割 |
|---|---|---|
| 学資保険 | 月1万5,000円 | 確実な基礎。契約者の死亡保障付き |
| つみたてNISA | 月1万5,000円 | 高リターン狙い。投資で資産を増やす |
18年後の見込み(参考値)
- 学資保険:324万円(返戻率108%の場合)
- NISA:348万円(年3%複利の場合)
- 合計:約672万円
保険の確実性と投資の高リターンを両立できます。
もう1つのパターン:親の貯蓄 + 教育ローン
「保険や投資に不安がある」という方は:
- 親が月1~2万円ずつ貯蓄(普通預金でもOK)
- 子どもが進学時に教育ローン を活用
- 親の貯蓄 + ローンで学費をカバー
ローン金利が年1.5%程度なら、運用益がない普通預金よりはるかに有利です。
まとめ
学資保険が「必須」かどうかは、あなたの家計と価値観次第です。
学資保険を選ぶなら、必ず複数商品の返戻率を比較し、100%超(できれば105%以上)の商品を選ぶこと。損をする商品はメリットが薄れます。
つみたてNISAなら、低コスト投資信託で運用益を非課税化でき、柔軟性も高い—— ただし市場変動リスクがあります。
教育ローンなら、前もって貯蓄する手間が不要で、親の経済状況に合わせて柔軟に借りられます。
最強の選択肢は「複数を組み合わせる」こと。学資保険で土台を作り、NISAで上乗せし、必要時にローンを使う——— このように段階的に備えれば、心理的にも経済的にも無理がありません。
子どもの教育費は大事ですが、親の老後資金を削ってまで準備するのは本末転倒。バランスよく、賢く選んでくださいね。
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