定年後の収入シミュレーション:年金だけで足りるか
定年退職後の収入(年金・退職金・副業)と生活費を詳細にシミュレーション。年金だけで足りるかを計算し、不足する場合の対応策、働き続けることで年金受給額を増やす方法まで詳しく解説します。
✓この記事でわかること
定年退職後の収入(年金・退職金・副業)と生活費を詳細にシミュレーション。年金だけで足りるかを計算し、不足する場合の対応策、働き続けることで年金受給額を増やす方法まで詳しく解説します。
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2026年6月19日 制度改正確認済み
年金・医療・介護制度:年金額、在職老齢年金の基準額、高額療養費、介護保険料・自己負担は年度や所得区分で変わります。本文の金額は記載年の目安として読み、実際の受給・負担額は日本年金機構、厚生労働省、加入先へ確認してください。 公式情報を確認
「定年後、年金だけで生活できるのだろうか」——これは多くの方が抱える不安です。
この記事では、定年後の収入(年金・退職金・資産運用)と支出をシミュレーションし、「足りない場合にどうするか」を具体的に解説します。
まず自分の年金見込み額を確認する
自分が65歳からいくら年金をもらえるかを確認しましょう。
確認方法
- ねんきん定期便:毎年誕生月に届く郵便で確認(50歳以上は見込み額が記載)
- ねんきんネット:マイナポータルやねんきんネットのWEBサービスで試算
- ねんきん加入者ダイヤル(0570-003-004):電話で問い合わせ
年金の種類と平均受給額(2023年度)
| 年金の種類 | 対象 | 平均月額 |
|---|---|---|
| 老齢基礎年金(国民年金) | 全員 | 約5.7万円(満額は約6.6万円) |
| 老齢厚生年金 | 会社員・会社員など | 約14.5万円(男性平均) |
| 夫婦合計(会社員夫+専業主婦の場合) | — | 約22〜23万円 |
厚生年金の受給額は「加入期間(年数)×平均給与」で決まります。高収入・長期加入ほど受給額が多くなります。
定年後の生活費の目安
総務省「家計調査」による65歳以上・夫婦2人世帯の平均支出(2022年)
| 費目 | 月額 |
|---|---|
| 食費 | 67,776円 |
| 住居費 | 15,578円(持ち家の場合は低め) |
| 光熱費・通信費 | 25,077円 |
| 医療・介護費 | 16,879円 |
| 交通・通信費 | 28,878円 |
| 教養・娯楽 | 25,277円 |
| その他 | 57,688円 |
| 合計 | 約237,153円(約24万円) |
平均的な夫婦の生活費は月約24万円です。ゆとりある老後(旅行・外食・趣味を楽しむ)を目指すなら月30万円以上が目安です。
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年金だけで足りるか:収支シミュレーション
ケース1:標準的な夫婦(会社員夫+専業主婦)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 夫の厚生年金+基礎年金 | 月約18万円 |
| 妻の基礎年金 | 月約5.5万円 |
| 年金収入合計 | 月約23.5万円 |
| 生活費(標準) | 月約24万円 |
| 毎月の不足額 | 約5,000円 |
ほぼ年金で生活できますが、医療費の増加・旅行・孫への贈り物などで月5〜10万円の追加支出が発生しやすく、25〜30年で1,500〜3,600万円の取り崩しが必要になります。
ケース2:共働き夫婦(2人とも会社員)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 夫の厚生年金+基礎年金 | 月約18万円 |
| 妻の厚生年金+基礎年金 | 月約12〜14万円 |
| 年金収入合計 | 月約30〜32万円 |
| 生活費(標準) | 月約24万円 |
| 毎月の余剰 | 約6〜8万円 |
共働きで2人ともフルに厚生年金を掛けていれば、年金だけで十分な場合も。余剰分を医療・旅行・孫への援助に使えます。
ケース3:自営業・フリーランス夫婦
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 夫の国民年金(満額) | 月約6.6万円 |
| 妻の国民年金(満額) | 月約6.6万円 |
| 年金収入合計 | 月約13.2万円 |
| 生活費(標準) | 月約24万円 |
| 毎月の不足額 | 約10.8万円 |
自営業は厚生年金に入れないため、年金収入が会社員の半分以下になります。iDeCo・国民年金基金への加入や、資産運用で不足を補う準備が特に重要です。
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不足する場合の対応策5つ
対策1:年金を繰り下げ受給する
65歳での受給を遅らせることで、受給額が増えます。
繰り下げ受給の効果(月基本額20万円の場合)
| 受給開始年齢 | 増額率 | 月額 |
|---|---|---|
| 65歳(通常) | 0% | 20万円 |
| 67歳 | +16.8% | 23.36万円 |
| 70歳 | +42% | 28.4万円 |
| 75歳 | +84% | 36.8万円 |
70歳まで繰り下げると月8.4万円増額されます。65〜70歳の5年間は働き続けてNISAの資産を取り崩さずに済み、その後は増額された年金で生活できます。
対策2:退職金を賢く運用する
退職金を定期預金に全額預けるだけではもったいないです。
退職金2,000万円の運用シミュレーション(20年間)
| 運用方法 | 20年後 |
|---|---|
| 定期預金(0.1%) | 約2,040万円 |
| 債券中心(年2%) | 約2,972万円 |
| インデックス投資(年5%) | 約5,307万円 |
2,000万円の退職金を年5%で運用できれば、20年後には2.6倍になります。
対策3:65歳以降も働き続ける
定年後に継続雇用・再就職・フリーランスで収入を得ることが最も確実な不足補填策です。
在職老齢年金の注意点
60〜64歳で働きながら年金を受け取る場合、収入と年金の合計が一定額を超えると年金が減額されます(在職老齢年金制度)。65歳以降は減額基準が緩和されます。
対策4:資産を取り崩す計画を立てる
老後の資産取り崩しは「毎月定額」より「4%ルール」の参考が有用です。
4%ルール:資産残高の年4%ずつ取り崩せば、30年間資産が持続するという米国の研究。
- 3,000万円の資産 → 年120万円(月10万円)の取り崩しが可能
- 5,000万円の資産 → 年200万円(月16.6万円)の取り崩しが可能
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まとめ:定年後の収支シミュレーションのポイント
- ねんきんネットで年金見込み額を確認する
- 月の生活費目標(標準24万円・ゆとり30万円)と年金を比較して不足額を計算する
- 不足する場合は①繰り下げ受給 ②退職金運用 ③継続就労 ④資産取り崩し計画 のどれかまたは組み合わせで対応する
- 自営業は厚生年金がないためiDeCo・NISAでの自助努力が特に重要
- 退職金は受け取ってから1年は大きな動かし方をしない(冷静な判断のため)
「年金だけで足りるか」の答えは人によって異なります。まず自分の年金見込み額と生活費の目標を確認し、不足額を計算することから始めましょう。
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