公的保障を理解して民間保険を減らす:遺族年金・傷病手当
公的保障を理解して民間保険を減らす:遺族年金・傷病手当について、具体的な方法・注意点・実践ステップを解説します。
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公的保障を理解して民間保険を減らす:遺族年金・傷病手当について、具体的な方法・注意点・実践ステップを解説します。
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公的保障を理解して民間保険を減らす:遺族年金・傷病手当金を知れば「払いすぎ保険料」が見えてくる
「万が一のために」と加入した保険料が、毎月気づけば3〜4万円……。そんな方、意外と多いんです。でも実は、日本に住んで働いているだけで、かなり手厚い公的保障がすでについてきているんですよね。
今日のカフェでのテーマは「公的保障をちゃんと知って、民間保険をスリムにしよう」です。特に「もしも死んだら」「もし長期入院したら」という不安に直結する、遺族年金と傷病手当金を中心にお話しします。これを読めば、保険の「本当に必要な分」がかなりクリアに見えてくるはずです。
そもそも「公的保障」って何が含まれているの?
まず整理しておきましょう。日本の社会保障制度には、大きく分けて以下のような「もしものとき」の保障があります。
| もしものシーン | 公的保障の名前 | 対象者 |
|---|---|---|
| 病気・けがで長期休業 | 傷病手当金 | 健康保険加入者(会社員等) |
| 亡くなったとき(遺族へ) | 遺族年金(遺族基礎・遺族厚生) | 国民年金・厚生年金加入者 |
| 障害が残ったとき | 障害年金 | 国民年金・厚生年金加入者 |
| 高額医療費がかかったとき | 高額療養費制度 | 健康保険・国民健康保険加入者 |
今日はこの中から、傷病手当金と遺族年金にフォーカスします。この2つを理解するだけで、「医療保険は本当にいくら必要か」「死亡保険はいくらで足りるか」がかなり具体的に見えてきます。
傷病手当金:会社員なら病気で休んでも最長1年半、給料の約2/3が出る
基本のしくみ
会社員などが加入する**健康保険(協会けんぽや組合健保)**には、傷病手当金という制度があります。病気やけがで働けなくなったとき、一定期間、給与の約2/3に相当する金額が支給される制度です。
- 支給額の目安:直近12か月の標準報酬月額平均 ÷ 30日 × 2/3
- 支給期間:支給開始から最長1年6か月(2022年1月から通算化)
- 待期期間:連続3日間の休業(待期)が必要。4日目から支給対象
具体的にいくらもらえる?
たとえば、月給30万円(標準報酬月額30万円)の会社員が病気で休んだ場合:
30万円 ÷ 30日 × 2/3 ≒ 約6,667円/日
1か月(30日)で約20万円。1年6か月で最大約360万円受け取れる計算です。
ポイントは「有給休暇消化中は支給されない」こと。 有給を使い切ってから傷病手当金がスタートします。逆に言えば、有給が尽きても傷病手当金がある、という設計です。
自営業・フリーランスは対象外
ここが大きな違いです。国民健康保険には傷病手当金がありません(2026年5月時点)。自営業やフリーランスの方は、会社員のような所得補償がないため、民間の就業不能保険や所得補償保険の必要性が相対的に高くなります。
遺族年金:「万が一死んだら家族が路頭に迷う」は、本当に正しいか?
遺族年金の2階建て構造
遺族年金は「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。
| 種類 | 対象者 | 受給できる遺族 |
|---|---|---|
| 遺族基礎年金 | 国民年金加入者全員 | 子のある配偶者・子(18歳年度末まで) |
| 遺族厚生年金 | 厚生年金加入者(会社員等) | 配偶者・子・父母・孫・祖父母 |
会社員が亡くなった場合、遺族は遺族基礎年金+遺族厚生年金の両方を受け取れます。
遺族基礎年金の金額(2026年5月時点・年度により変動)
遺族基礎年金の支給額は、子どもの人数によって変わります。ここでは制度の概要をお伝えしますが、具体的な金額は日本年金機構の公式情報または年金事務所でご確認ください。目安として、子1人の場合でも年間100万円超の水準があり、子の数が増えると加算されます。
遺族厚生年金はさらに手厚い
遺族厚生年金は、亡くなった方の厚生年金の加入実績(報酬額×加入期間)をもとに計算されます。会社員として長く働いていた方ほど、遺族に残せる年金額が大きくなります。
加えて、若い会社員が亡くなった場合は「300か月みなし」という特例があり、実際の加入期間が短くても25年分相当で計算してもらえます(加入期間が300か月未満の場合)。
「子なし配偶者」は要注意
注意が必要なのは、子どものいない妻(夫)が遺族基礎年金を受け取れないケースです。子なし・30歳未満の妻が夫を亡くした場合、遺族厚生年金は5年間の有期給付となります(2026年5月時点での制度概要。詳細は年金事務所へ)。こういったケースでは、民間の死亡保険で補完する意味が出てきます。
「公的保障の穴」を見極めれば、民間保険は本当にシンプルになる
公的保障を整理すると、「実は手厚い部分」と「意外と薄い部分」が見えてきます。
公的保障が手厚い部分
- 会社員の長期療養 → 傷病手当金(最長1年6か月)
- 子ありの遺族 → 遺族基礎年金+遺族厚生年金
- 高額医療費 → 高額療養費制度(月の自己負担に上限あり)
公的保障が手薄になりがちな部分
- 自営業・フリーランスの病気療養中の収入(傷病手当金なし)
- 子なし・若い配偶者の遺族保障
- 就労不能が1年6か月を超えた長期の所得補償
- 葬儀費用・住宅ローン残高などの一時的な資金需要
この「薄い部分」だけを民間保険で補う、というのが「払いすぎない保険設計」の基本的な考え方です。
実際にどう見直すか:3ステップで整理しよう
ステップ1:自分の公的保障を把握する
まず「ねんきんネット」(日本年金機構)や「ねんきん定期便」で、自分の年金加入状況を確認しましょう。遺族厚生年金の概算額は、ねんきんネットでシミュレーションできます。
傷病手当金については、加入している健康保険組合や協会けんぽに確認すると確実です。
ステップ2:「もしも」の必要額を書き出す
次に、公的保障で賄えない分を計算します。
例:子2人いる35歳会社員(配偶者は専業主婦)の場合
- 万が一亡くなった場合 → 遺族年金が支給される。不足分(住宅ローン残高・教育費等)を民間保険で補う
- 長期療養の場合 → 傷病手当金で1年6か月は給与の約2/3。その後の補完に就業不能保険を検討
「公的保障でいくらカバーされるか」を先に計算してから、不足分だけ保険で埋める、という順番が大切です。
ステップ3:保険証券を並べて「重複」を探す
医療保険・がん保険・就業不能保険・死亡保険・団信(住宅ローン)……気づけばいくつもの保険に入っているケースがあります。特に多いのが、
- 医療保険と傷病手当金の重複(どちらも入院中の収入補填を想定)
- 死亡保険と住宅ローン団信の重複(団信で住宅ローンは消えるのに高額な死亡保障をそのまま継続)
「保険に入ること」がゴールではなく、「万が一の生活を守ること」がゴール。公的保障と民間保険の役割分担を明確にするだけで、保険料の見直し余地が見えてきます。
見直しを始める前に知っておきたい注意点
-
解約前に「今の健康状態で再加入できるか」を確認する 一度解約すると、体調の変化で同じ条件で再加入できない場合があります。新しい保険に入れるかどうかを確認してから、既存の保険を見直しましょう。
-
制度は毎年改正される 遺族年金・傷病手当金の要件や金額は年度改定があります。本記事の内容は2026年5月時点の概要ですが、最新情報は日本年金機構・全国健康保険協会(協会けんぽ)の公式サイトでご確認ください。
-
ファイナンシャルプランナー(FP)への相談も有効 家族構成・収入・住宅ローンの有無によって最適な保障額は大きく変わります。特定の保険会社に属さない「独立系FP」や「FP相談窓口」を活用するのも一つの手です。
まとめ
今日のポイントをまとめます。
- 会社員には傷病手当金(最長1年6か月、給与の約2/3)という強力な公的保障がある
- 子ありの遺族には遺族基礎年金+遺族厚生年金のダブル保障がある
- 自営業・フリーランス・子なし配偶者などは公的保障が手薄になるため、民間保険の出番が増える
- 「公的保障で何がカバーされるか」を先に把握してから、不足分だけを民間保険で補う設計が合理的
- 住宅ローン団信・傷病手当金との重複がないか保険証券を見直すだけでも、保険料が下がる可能性がある
「保険は多いほど安心」という時代は、少しずつ変わってきています。公的保障という「すでに持っている土台」をちゃんと知ることが、家計を守る第一歩です。ぜひ、ねんきんネットと保険証券を並べて、今週末に少しだけ見直してみてください。
📌 具体的な年金額・傷病手当金の計算は、日本年金機構・協会けんぽ(または加入健康保険組合)の公式窓口・サイトでご確認ください。制度の詳細は年度ごとに変更される場合があります。
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