iDeCoの受け取り方を最適化:一時金vs年金の税金比較と選び方
iDeCoの受け取り方は「一時金(退職所得)」「年金(雑所得)」「組み合わせ」の3種類。退職金との関係も含め、税負担を最小化する最適な受け取り方を解説します。
✓この記事でわかること
iDeCoの受け取り方は「一時金(退職所得)」「年金(雑所得)」「組み合わせ」の3種類。退職金との関係も含め、税負担を最小化する最適な受け取り方を解説します。
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iDeCoの受け取り方を最適化:一時金vs年金の税金比較と選び方
iDeCoは掛け金の拠出時・運用時の税制優遇が注目されますが、実は「受け取り方」の選択が税負担に最も大きな影響を与えます。受け取り方を間違えると、せっかくの非課税メリットが大きく損なわれることもあります。
この記事では、iDeCoの3つの受け取り方(一時金・年金・組み合わせ)の税金の違いと、退職金との関係を踏まえた最適な選択方法を詳しく解説します。
iDeCoの3つの受け取り方
iDeCoの受取方法は3種類あります。
1. 一時金として受け取る(退職所得扱い) 積み立てた資産を60〜75歳の間に一括で受け取ります。「退職所得」として課税されるため、退職所得控除が使え、通常は税負担が少ない。
2. 年金として受け取る(雑所得扱い) 5〜20年の有期年金として分割受け取り。「雑所得」として公的年金等と合算されて課税されます。
3. 一時金と年金の組み合わせ 一部を一時金、残りを年金として受け取ります。複雑ですが、状況によっては最も有利になることも。
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退職所得控除とは:一時金受け取りの最大の優遇
一時金として受け取ると「退職所得」として扱われ、退職所得控除が適用されます。
退職所得控除額の計算式
- 加入期間20年以下:40万円 × 加入年数(最低80万円)
- 加入期間20年超:800万円 + 70万円 × (加入年数 − 20年)
例:iDeCoに30年間加入した場合の退職所得控除 800万円 + 70万円 × 10年 = 1,500万円
つまり、30年間積み立てた結果が1,500万円以内であれば、一時金で受け取っても税金がゼロになります。
さらに、退職所得の課税方式は優遇されていて、控除後の金額の1/2に課税されます(課税退職所得金額の計算)。
退職金との関係が重要:同じ年に受け取ると控除が合算される
ここが多くの人が見落とすポイントです。
退職所得控除は、「iDeCoの一時金」と「会社の退職金」で合算して計算されます。具体的には、同じ年に両方を受け取った場合、退職所得控除が合算されて適用されます(支払者が異なっても)。
ただし、2022年度の税制改正により、以下のルールが変わりました。
重要なルール変更(2022年度〜)
- iDeCoの受け取りと退職金の受け取りの間隔が「5年以内」の場合:控除が合算されて計算
- 「5年以上間隔を開けて」受け取ると:それぞれ独立した退職所得控除が使える
このため、「退職金を60歳に受け取り、iDeCoを65歳に受け取る(5年空ける)」という戦略が、税負担を最小化する有力な方法となりました。
年金受け取りの税金:公的年金等控除が適用
年金形式で受け取る場合は「雑所得(公的年金等)」として扱われ、公的年金等控除が適用されます。
公的年金等控除額(65歳以上の場合)
- 年金収入が110万円以下:控除額=110万円(実質非課税)
- 110万円超〜330万円以下:収入金額 ×25% + 27.5万円
- 330万円超〜410万円以下:収入金額 ×25% + 27.5万円
老齢年金(公的年金)と合算されるため、年金収入が多い人ほど控除枠を超えやすく、税負担が大きくなります。
具体例:一時金vs年金のどちらが有利か
ケース1:退職金がなく、iDeCoのみの場合 退職所得控除をフルに使える一時金が有利なことが多い。
ケース2:退職金が大きく、控除枠を使い切っている場合 退職金受け取りから5年後にiDeCoを年金形式で受け取り、公的年金等控除を活用する方が有利なことも。
ケース3:他に収入が少ない場合(65歳以降) 年金が少ない・収入が低い場合は、iDeCoを年金形式で受け取っても公的年金等控除内に収まる可能性が高く、税負担ゼロになることも。
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受け取り開始年齢の選択:60〜75歳の範囲で選べる
iDeCoは60歳〜75歳の間で受け取り開始年齢を選択できます。ただし、通算加入者等期間(加入期間)によって最低受給開始年齢が変わります。
| 通算加入者等期間 | 受け取り開始可能年齢 |
|---|---|
| 10年以上 | 60歳から |
| 8年以上10年未満 | 61歳から |
| 6年以上8年未満 | 62歳から |
| 4年以上6年未満 | 63歳から |
| 2年以上4年未満 | 64歳から |
| 1ヶ月以上2年未満 | 65歳から |
60歳を過ぎてiDeCoに加入した方や、加入期間が短い方は要注意です。
受け取り前に確認すべき4つのポイント
iDeCoの受け取り前に必ず確認しましょう。
- 退職金の受け取り予定時期:iDeCoとの間隔が5年以上か確認
- 総受け取り額と退職所得控除額の比較:控除内に収まるか試算
- その他の所得との合算:年金受け取りの場合、公的年金との合計額を確認
- 受け取り後の生活費:一時金で受け取った後の運用・管理計画
確定申告が必要になるケースも多いため、税理士や証券会社の窓口に相談することをおすすめします。
まとめ:最適な受け取り方は個人の状況による
iDeCoの受け取り方に「絶対の正解」はありません。退職金の有無・金額、加入期間、その他の所得、年齢によって最適な方法が変わります。
基本的な考え方としては:
- 退職金が少ない・ない場合:一時金受け取り(退職所得控除をフル活用)
- 退職金が大きい場合:5年間隔を開けてiDeCoを受け取る(または年金形式)
- 年金収入が少ない場合:年金形式で公的年金等控除を活用
老後の受け取り方は、積み立て開始時から意識して設計することが重要です。早めに専門家(FP・税理士)に相談することも検討しましょう。
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