断水72時間を乗り切る5つの備え
水道が止まっても3日間は持ちこたえられる備えが必要です。飲料水・生活用水・トイレ・調理・衛生の5項目で、家族全員分の水を確保する方法を紹介します。
✓この記事でわかること
水道が止まっても3日間は持ちこたえられる備えが必要です。飲料水・生活用水・トイレ・調理・衛生の5項目で、家族全員分の水を確保する方法を紹介します。
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「水道が止まる」——そんな事態は自分には関係ないと思っている方も多いかもしれません。でも、地震・台風・大雨・水道管の破損など、断水の原因は日常のあちこちにあります。
内閣府の調査では、首都直下地震が発生した場合、最大800万人以上が断水に見舞われ、完全復旧には1〜2ヶ月かかる可能性があるとされています。そこまでの大規模災害でなくても、局地的な水道管の破損で数日間の断水が起きることは珍しくありません。
「水が出なくなって初めて水の大切さがわかった」とよく言われます。今日は、断水から72時間(3日間)を乗り切るための具体的な備えを5つの視点からお伝えします。
備え1:飲料水——家族3日分を計算して備蓄する
まず最も重要な「飲料水」の備蓄から始めましょう。
必要量の計算方法
人間が生命を維持するために必要な水分は、1人1日最低2〜3リットルとされています。飲料に加えて、歯磨きや最低限の手洗いを含めると、1人1日3リットルが目安です。
家族別の必要量(3日分):
| 家族構成 | 1日の必要量 | 3日分の必要量 | 2Lペットボトル換算 |
|---|---|---|---|
| 1人 | 3L | 9L | 約5本 |
| 2人家族 | 6L | 18L | 約9本 |
| 3人家族 | 9L | 27L | 約14本 |
| 4人家族 | 12L | 36L | 約18本 |
3人家族なら2リットルのペットボトル14本が最低ライン。箱買い(12本入り1箱)で一気に揃えるのが効率的です。
保存水の選び方と管理
保存水(備蓄専用の長期保存水): 市販の「保存水」は賞味期限が5〜10年のものがあり、通常のミネラルウォーターより長期保存に適しています。1箱2,000〜4,000円程度で購入でき、倉庫や押入れの奥に保管できます。
通常のミネラルウォーターの場合: 賞味期限は通常2〜3年(未開封)。「年1回の入れ替え習慣」を作ることで、常に新しい水を備蓄できます。
ローリングストック(回転備蓄)の考え方: 備蓄水を「使いながら補充する」方法です。まず箱買いで備蓄し、日常的に少しずつ消費しながら補充する。賞味期限切れを防ぐ最も現実的な方法です。
保管場所のポイント:
- 直射日光を避ける(光・熱による水質変化を防ぐ)
- 温度変化が少ない場所(押入れ・床下収納・玄関横など)
- 取り出しやすい場所に置く(奥にしまいすぎると存在を忘れる)
備え2:生活用水——お風呂の残り湯を活用する
飲料水とは別に、トイレ・手洗い・食器洗いなどの「生活用水」も必要です。
1人1日の生活用水の内訳
| 用途 | 必要量(目安) |
|---|---|
| トイレ(1回) | 3〜13L(タンク式)または4〜6L(節水型) |
| 手洗い(1回) | 3〜5L |
| 歯磨き(1回) | 0.5〜1L |
| 食器洗い(1回) | 5〜10L |
1人1日のトイレ(4〜5回)だけで20〜50Lが必要です。これを全て保存水で賄うのは現実的ではありません。
お風呂の残り湯が最強の生活用水備蓄
今すぐできる最善の備えが、「お風呂を使った後、すぐに水を抜かない」習慣です。
浴槽の容量は一般的に200〜300L。毎日この水を翌朝まで残しておくだけで、3日分のトイレ用水が確保できます。災害時は入浴しないと決めて、この水を生活用水として活用します。
残り湯の活用優先順位:
- トイレの洗浄(最も使用量が多い)
- 雑巾がけ・簡単な清掃
- 手洗い(飲料水は使わない場面で)
飲料目的には使えませんが、生活インフラとして非常に役立ちます。
ポリタンク・給水袋の備え
地域の給水車が来たとき、水を受け取るための容器も必要です。
- ポリタンク(10〜20L): 丈夫で繰り返し使えるが重い
- 折りたたみ式ウォータータンク: 使わないときコンパクトに収納できる
- 給水袋(ビニール袋式): 100円ショップでも購入できる。1人1枚以上
備え3:トイレ対策——断水時の最大の悩みを解決する
断水時に最も困るのがトイレです。浄化槽・下水道の状況によっては、水を流せない場合もあります。
断水時のトイレ対応の選択肢
選択肢1:浴槽の残り湯でタンクに水を補給 最もシンプルな方法。バケツで浴槽の水を汲んでトイレタンクに入れる(または便器に直接流し込む)。ただし、下水管が損傷している場合は使えないので、地震後は配管の確認が必要です。
選択肢2:簡易トイレ(携帯トイレ)を使用 大規模災害時には下水管が破損していて普通のトイレが使えない場合があります。そのための備えとして、携帯トイレ・簡易トイレの備蓄が重要です。
携帯トイレの備蓄量の目安(3日分):
- 1人1日5〜6回として → 3日で15〜18回分
- 家族3人で → 45〜54回分
携帯トイレはドラッグストアや防災用品店で購入できます。1個50〜100円程度。段ボールに入れてトイレ内や押入れに保管しておきましょう。
備え4:調理・食事——水を使わない食材を中心に
断水時は「水を使う調理」が制限されます。食料の備蓄と同時に、水をできるだけ使わない食事の工夫が必要です。
水をほとんど使わない備蓄食材
- レトルト食品(カレー・シチュー・丼の素など): 温めるだけで食べられる(加熱できる場合)または常温でもOKなものを選ぶ
- パックご飯: 電子レンジまたは湯煎で食べられる。常温でも食べられる商品もある
- 缶詰(魚・肉・野菜・フルーツ): 加熱なしでそのまま食べられる
- クラッカー・ビスケット・干し芋: 水なしで食べられるおやつ・炭水化物源
- チーズ・ナッツ類: タンパク質・脂質を補える
水が必要な食材(断水時は注意):
- 生米(炊飯に大量の水が必要)
- インスタントラーメン・カップ麺(お湯が必要)
- 乾燥野菜・乾燥豆(水で戻す必要がある)
紙皿・使い捨て箸を備蓄する
断水時に食器を洗う水は惜しい。紙皿・紙コップ・使い捨て箸・割り箸をまとめて備蓄しておくと、洗い物が不要になります。
必要量(3日分・3人家族):
- 紙皿:3食×3日×3人=約27枚(余裕を見て30〜50枚)
- 使い捨て箸:同様に30〜50膳
備え5:衛生管理——水なしで清潔を保つ
断水時に衛生状態を保つことは、健康維持と精神的な安定のために非常に重要です。
ウェットティッシュ・アルコール除菌シートの大量備蓄
水なしで手・体・周辺環境を清潔に保てるウェットティッシュは、断水時の最重要衛生グッズです。
- ノンアルコールタイプ: 顔・体を拭く、赤ちゃんのオムツ替えなどに
- アルコールタイプ(除菌ウェットシート): 手洗い代わりの除菌に
3日分の備蓄目安(3人家族):
- ウェットティッシュ:80枚入り×5〜10個
歯磨きの水を最小化する
通常の歯磨きは200〜300mlの水を使います。断水時は以下の方法で節水できます。
- 携帯用マウスウォッシュ(うがい液): 水なしで使えるものもある
- チューインガム型デンタルケア: 応急処置として
- 少量の水(コップ半分以下)でのブラッシング: 使う水を最小限に
清拭タオル(体を拭くタオル)
入浴できない日が続く場合、清拭タオル(医療・介護で使われる拭き取り専用タオル)があると清潔を保てます。温めて体を拭けばスッキリ感があります。
まとめ
断水72時間を乗り切るための備えは、一度整えてしまえば後は「ローリングストック」で維持できます。難しく考えず、まず最低限を揃えることから始めましょう。
今日のポイントをまとめます:
- 飲料水: 1人1日3L×3日分。3人家族なら2Lペットボトル約14本を常備
- 生活用水: お風呂の残り湯を毎日翌朝まで残しておく習慣を今日から
- トイレ: 携帯トイレを家族分3日分(一人15〜20回分)備蓄する
- 調理: レトルト・パックご飯・缶詰・紙皿・割り箸を3日分備蓄
- 衛生: ウェットティッシュ・アルコール除菌シートを大量備蓄
「備えている人」と「備えていない人」の差は、災害時に大きな差として現れます。今日、まず飲料水の備蓄量を確認するところから始めてみてください。
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暮らしとお金のカフェ 編集部
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