損出しの方法:年末に損失を確定させて節税する投資テクニック
投資の損出し(タックスロスハーベスティング)の方法を詳しく解説。年末に含み損を実現させて利益と相殺し、税金を取り戻す具体的な手順と注意点を紹介します。
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投資の損出し(タックスロスハーベスティング)の方法を詳しく解説。年末に含み損を実現させて利益と相殺し、税金を取り戻す具体的な手順と注意点を紹介します。
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損出しとは?仕組みをわかりやすく解説
「損出し」(タックスロスハーベスティング)とは、含み損のある投資資産をあえて売却して「損失を確定」させ、その年の「利益」と相殺することで税金を減らすテクニックです。
通常、株式や投資信託の売却益には20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の税金がかかります。しかし損失と利益を相殺(損益通算)することで、課税される利益を減らすことができます。
損出しの具体例
例:A株で50万円の利益、B株で30万円の含み損がある場合
損出しをしない場合:
- A株の利益:50万円
- 税金:50万円 × 20.315% = 約10.2万円
B株の含み損(30万円)を損出しした場合:
- A株の利益:50万円
- B株の損失(確定):30万円
- 課税される利益:50万円 - 30万円 = 20万円
- 税金:20万円 × 20.315% = 約4.1万円
節税効果:10.2万円 - 4.1万円 = 約6.1万円の節税
損出しの手順
ステップ1:年内の利益・損失を確認する
10〜11月頃に、以下を確認します:
- 証券口座の「取引報告書」または「損益照会」機能
- 今年すでに確定した利益(売却益・配当など)
- 保有中の銘柄の含み益・含み損
ステップ2:損出しする銘柄を選ぶ
含み損のある銘柄の中から、損出しに使う銘柄を選びます。
選ぶ際の判断基準:
- 今後も保有し続けたい銘柄(損出し後に買い戻す)
- または、もう保有する必要のない銘柄(そのまま売却で整理)
ステップ3:売却(損出し実行)
売却することで含み損が「確定損失」になります。この損失が今年の利益と相殺されます。
重要:損出しは年内に売却が完了している必要があります。
通常、株式の決済は売却から2営業日後(T+2)です。12月末の場合、大納会(最終取引日)の2営業日前までに売却する必要があります。
ステップ4:買い戻し(損出し後も保有したい場合)
売却した翌日以降に同じ銘柄を買い戻すことで、実質的なポジションを維持できます。
注意:「同日中の売り戻し」はNG
同日に売却・買い戻しをしてしまうと、損失が「なかったこと」にされる可能性があります(総平均法での取得単価計算の影響)。必ず翌日以降に買い戻しましょう。
損益通算できる組み合わせ
すべての利益・損失が相殺できるわけではありません。損益通算できる組み合わせを理解しましょう。
同一区分での損益通算(特定口座内)
株式等の譲渡益・損失の通算:
- 上場株式の売却益・損失
- 上場投資信託(ETF)の売却益・損失
- 投資信託の売却益・損失
これらは同じ「申告分離課税」の区分で通算できます。
配当金との損益通算:
- 上場株式等の配当金・投資信託の分配金
売却損失と配当金を申告することで、課税済みの配当所得税を一部取り戻せる場合があります(要確定申告)。
損益通算できないもの
繰越控除も活用する
当年の利益を上回る損失が出た場合、損失を翌年以降3年間繰り越すことができます(繰越控除)。
例:2025年に100万円の損失が出て相殺できる利益が40万円だった場合
- 2025年:40万円の損失を相殺 → 残り60万円の損失を翌年へ繰り越し
- 2026年:60万円以内の利益は非課税に
繰越控除を使うには確定申告が必要です(特定口座・源泉徴収ありの場合でも)。
新NISAの損失は損出しに使えない
注意点として、新NISA口座での損失は損益通算・繰越控除に使えません。
新NISAは利益が非課税である一方、損失も「なかったことになる」扱いです。そのため、含み損のある新NISA銘柄を売却しても、節税効果はありません。
損出しは特定口座(一般口座)の保有銘柄でのみ有効な手法です。
損出しを実行する際の注意点
注意1:買い戻し価格が上がるリスク
損出し後、翌日に買い戻そうとしたら株価が上昇していた、ということもあり得ます。感情的にならず、事前に「この価格以内なら買い戻す」を決めておくと良いでしょう。
注意2:取引コストを考慮する
売却・購入ともに売買コスト(手数料)がかかります(多くのネット証券は現在「ゼロコミッション」ですが確認を)。
注意3:年末の取引には注意
年末は株式市場が薄くなり、約定値が不利になるケースもあります。急ぎすぎず、余裕を持って計画しましょう。
注意4:確定申告が必要な場合がある
損益通算・繰越控除を使う場合、確定申告が必要です。特定口座(源泉徴収あり)でも、損失の繰越控除を使うには確定申告が必要になります。
損出しのベストなタイミング
毎年11〜12月が基本
年内の損益状況を確認し、12月の大納会前(2営業日前まで)に実行するのが基本です。
大きな利益が出た年に特に有効
株式投資では、利益が大きくなった年ほど損出しの節税効果が大きくなります。まとまった利益確定が発生した年の年末に必ず確認しましょう。
まとめ:損出しは「賢い投資家の当たり前の習慣」
損出しは節税を目的とした合法的・合理的な投資テクニックです。「損を確定させる」という心理的なハードルはありますが、税金として消えるよりも「同じ銘柄に再投資する」方が経済合理性があります。
年末の投資チェックリストとして:
- 今年の確定利益・確定損失を確認する
- 含み損の銘柄を洗い出す
- 損出しで相殺できる利益と金額を計算する
- 12月の大納会2営業日前までに実行する
- 翌日以降に同銘柄を買い戻す(保有継続の場合)
このルーティンを毎年末に行うだけで、長期的には数十万円単位の節税効果になることもあります。
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本記事は情報提供を目的としており、税務相談については税理士等の専門家にご相談ください。
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