ストックオプションの税金|種類別の課税タイミングと申告方法
ストックオプション(税制適格・非適格)の税金の仕組みを解説。権利行使時・株式売却時の課税タイミング・申告方法・節税ポイントを初心者向けにわかりやすく説明します。
✓この記事でわかること
ストックオプション(税制適格・非適格)の税金の仕組みを解説。権利行使時・株式売却時の課税タイミング・申告方法・節税ポイントを初心者向けにわかりやすく説明します。
ストックオプションの税金|種類別の課税タイミングと申告方法
スタートアップや上場企業の従業員・役員に付与されることが多いストックオプション。「権利行使すれば儲かる」とわかっていても、税金の仕組みを理解しないと思わぬ税負担が生じます。
ストックオプションとは
ストックオプションとは、「あらかじめ決められた価格(行使価格)で会社の株式を購入できる権利」です。
たとえば、行使価格1,000円のストックオプションを持っていて、株価が3,000円になったタイミングで権利行使すると、1株あたり2,000円の利益が得られます。
ストックオプションの2種類
ストックオプションには大きく分けて2種類あります。
1. 税制適格ストックオプション(租税特別措置法適用)
- 権利行使時には課税されない(非課税)
- 株式売却時に譲渡所得として課税(分離課税20.315%)
2. 税制非適格ストックオプション
- 権利行使時に給与所得(または退職所得)として課税
- 株式売却時にも譲渡所得として課税
税制適格は有利な課税方式ですが、適用要件が厳格です。
税制適格ストックオプションの要件
以下の要件をすべて満たす必要があります。
主な要件:
- 付与対象者:会社の取締役・使用人(外部の非居住者は不可)
- 年間行使限度額:1,200万円以下
- 行使期間:付与決議後2年〜10年以内
- 行使価格:付与時の株価以上
- 株式の管理:証券会社に預託(保管委託要件)
これらの要件を満たさない場合、自動的に「税制非適格」として扱われます。
税制適格ストックオプションの課税
権利行使時(株式取得時)
課税なし。
株価が1,000円から3,000円に上がったタイミングで行使しても、この時点では税金がかかりません。
株式売却時
株式を売却した際に「譲渡所得」として課税されます。
計算方法:
例:
- 行使価格:1,000円
- 売却価格:5,000円
- 譲渡所得:5,000円-1,000円=4,000円/株
- 税額:4,000円×20.315%=813円/株
分離課税のため、給与所得との合算は不要です。
税制非適格ストックオプションの課税
権利行使時(株式取得時)
給与所得として課税。
行使価格と時価の差額(経済的利益)が「給与所得」として認識されます。
例:
- 行使価格:1,000円
- 行使時の時価:3,000円
- 経済的利益:2,000円/株(この金額が給与所得に加算)
給与所得として総合課税されるため、所得が多い場合は最高55%の税率がかかります。
株式売却時
譲渡所得として課税。
売却価格から「権利行使時の時価(取得費)」を差し引いた金額が譲渡所得になります。
例(上記の続き):
- 取得費(行使時の時価):3,000円
- 売却価格:5,000円
- 譲渡所得:2,000円/株(税率20.315%)
つまり非適格の場合、「行使時に一度、売却時にもう一度」課税されます。
社外向けストックオプション(有償ストックオプション)
役員や従業員だけでなく、社外の顧問・コンサルタントにも付与されるケースがあります。
この場合、税制適格の要件を満たさないことが多く、権利行使時に「雑所得」または「事業所得」として課税されます。
確定申告の方法
税制適格の場合
証券会社の特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合、確定申告は不要です。 一般口座の場合は確定申告が必要です。
申告書類:
- 確定申告書(第三表・分離課税)
- 株式等の譲渡所得等の計算明細書
税制非適格の場合
権利行使時の経済的利益は通常、勤務先が源泉徴収します。年末調整・確定申告で精算します。
株式売却時は特定口座利用なら原則不要、一般口座は確定申告が必要。
スタートアップと上場前ストックオプション
未上場のスタートアップでストックオプションを付与されているケースが増えています。
IPO(上場)前後の注意点:
- 上場時に一度に大量に権利行使すると、非適格の場合は高額の給与所得が発生する
- 上場後に売却まで保有すれば、その間の値上がり部分は譲渡所得課税(20.315%)
- 「行使して即売り」vs「行使して保有・後で売る」で税額が大きく変わる
税制適格の場合のIPO後の戦略: 上場後に時価が高騰する前に行使すれば、取得費(行使価格)が低くなるため、後の売却時の譲渡所得を圧縮できます。
ただし、IPO後すぐに大量売却すると市場への影響や「ロックアップ期間」の問題もあるため、売却タイミングは証券会社・税理士と相談が必要です。
よくある誤解と注意点
「行使しただけでは税金がかからない」は適格の場合のみ
税制非適格ストックオプションを行使した場合、株式を売っていなくても権利行使時点で税金が発生します。「売っていないのに税金だけ来た」という事態を防ぐためにも、事前に適格・非適格を確認しておきましょう。
損失は他の所得と通算できない(特定口座の場合)
株式売却で損失が出た場合、上場株式の損失は同じ年の上場株式の利益と損益通算できます。しかし非上場株式の場合は特別な取り扱いがあります。
税理士への相談を推奨
ストックオプションの税務は複雑です。特にスタートアップや上場前の行使は、税額が数百万円〜数千万円単位になることも多く、専門家への相談が実質的に必須です。
まとめ
ストックオプションの税金は「税制適格か非適格か」によって大きく異なります。
- 税制適格: 権利行使時は非課税、売却時に分離課税20.315%(有利)
- 税制非適格: 権利行使時に給与所得課税(最高55%)+売却時に譲渡所得課税
自分が持っているストックオプションが「税制適格か否か」を会社の担当部署に確認し、上場前後の行使・売却タイミングについては税理士に相談することを強くおすすめします。
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