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配偶者控除と扶養の壁を理解する

暮らしとお金のカフェ 編集部

配偶者控除は世帯の税金に大きく影響します。103万・130万・150万・201万の壁を整理して、家族の働き方を最適化する判断ができるようになります。

この記事でわかること

配偶者控除は世帯の税金に大きく影響します。103万・130万・150万・201万の壁を整理して、家族の働き方を最適化する判断ができるようになります。

こんにちは、暮らしとお金のカフェへようこそ。節税・節約のコツを、実践的な視点でわかりやすく解説します。

「扶養の壁」は1つじゃない:混乱の原因を整理する

「103万円を超えないようにしてるんだけど、本当に正しいの?」「130万円の壁が一番厳しいって聞いたけど、どういうこと?」という疑問をよく受けます。

「扶養の壁」という言葉が使われるとき、実は複数の異なる制度の壁が混在しています。この壁をきちんと整理せずに「なんとなく103万円以内で働く」という判断をしていると、本来もっと稼げるのに稼いでいなかったり、損をする働き方をしてしまっていたりすることがあります。

今回は主な4つの壁(103万円・130万円・150万円・201万円)を一つひとつ丁寧に解説し、家族の状況に合った最適な働き方を考えるための情報を提供します。

壁の全体像:4つの壁をまとめて把握する

まず全体像を把握しましょう。

年収の壁 何の壁か 影響する制度
103万円 所得税の壁 配偶者本人の所得税・配偶者控除
106万円 社会保険の壁(一部) 従業員数51人以上の企業に勤める場合
130万円 社会保険の壁(本格的) 配偶者の社会保険の扶養
150万円 配偶者特別控除の壁 控除額が段階的に減り始める
201.6万円 配偶者特別控除の終点 配偶者特別控除がゼロになる

この5種類の壁を正確に理解することが、家族の働き方を最適化する第一歩です。

103万円の壁:所得税に関する壁

103万円以下の場合

配偶者の給与収入が103万円以下の場合:

  1. 配偶者本人の所得税:ゼロ(基礎控除48万円+給与所得控除55万円=合計103万円が控除されるため)
  2. 主たる納税者の配偶者控除:最大38万円の控除を受けられる

両方の効果があるため、世帯全体の税負担が最小になります。

103万円を超えた場合

103万円を超えると:

  • 配偶者本人に所得税が発生する(ただし少額から始まる)
  • 配偶者控除が使えなくなるが、配偶者特別控除(最大38万円)に切り替わる

重要なのは、103万円を超えても150万円以下なら配偶者特別控除は38万円のままということです。つまり主たる納税者の控除額という観点では、103万円を少し超えても変わりません。

「103万円の壁を超えると大損!」という認識は、半分正確で半分間違いです。

106万円の壁:企業規模によって異なる社会保険の壁

大企業(従業員数51人以上)で働く場合

一定規模以上の企業で働くパートタイム従業員は、年収が106万円(月額8.8万円)以上になると社会保険加入が義務になります。

社会保険加入の条件:

  • 週20時間以上の労働
  • 月額8.8万円(年換算約106万円)以上
  • 雇用見込み期間2ヶ月以上
  • 学生でない

この条件に当てはまる場合、106万円を超えると社会保険料(健康保険厚生年金)が発生します。年収106万円での社会保険料は年間約16〜18万円程度になることが多く、実質的な手取りが減ります。

小規模企業(従業員数50人以下)で働く場合

従業員数50人以下の企業では、この106万円の壁はありません。代わりに130万円の壁(後述)が適用されます。

130万円の壁:社会保険で最も大きなインパクト

130万円の壁が厳しい理由

配偶者の年収が130万円以上になると、配偶者の社会保険の扶養から外れることになります。これにより:

社会保険料の年間負担額の目安:

年収 健康保険料(概算) 厚生年金(概算) 合計(概算)
130万円 約7万円 約12万円 約19万円
150万円 約8万円 約14万円 約22万円

130万円を少し超えただけで、年間20万円近い社会保険料負担が新たに発生します。これが「130万円の壁を超えると手取りが減る」という状況の原因です。

130万円の壁を超えるなら160〜180万円以上を目指す

130万円を超えて社会保険に加入するなら、社会保険料を払っても手取りが増えるラインである160〜180万円以上を稼ぐことを目標にするのが合理的です。

例えば年収160万円の場合:

  • 社会保険料:約24万円
  • 所得税・住民税:約6万円
  • 手取り:約130万円

年収129万円(扶養内)の手取り:約127万円

差は3万円。160万円を稼ぐ方が少し有利になります。さらに厚生年金に加入することで将来の年金額も増えるメリットもあります。

150万円の壁と201.6万円の壁

配偶者特別控除の逓減

配偶者の年収が150万円を超えると、主たる納税者が受けられる「配偶者特別控除」が段階的に減り始めます。

配偶者の年収 配偶者特別控除額
150万円以下 38万円(満額)
155万円 36万円
160万円 31万円
170万円 21万円
180万円 16万円
201.6万円超 ゼロ

ただし制御的が減っても、配偶者本人の収入が増えているため、家計トータルでは多くの場合プラスになります。

世帯全体の手取りで考える

「控除が減った」ということだけで損と判断するのは間違いです。

例:配偶者の年収が150万円→170万円になった場合

  • 控除額:38万円→21万円(17万円減少)
  • 主たる納税者の税額増加:17万円×20%(所得税率)≒3.4万円
  • 配偶者の収入増加:20万円

20万円稼いで税額が3.4万円増えるだけ。差し引き16.6万円の手取り増加になります。

主たる納税者の年収による控除額の変化

主たる納税者(一般的には夫)の年収が高い場合、控除額が減ります。

主たる納税者の合計所得 配偶者控除(配偶者年収〜103万)
900万円以下 38万円
900〜950万円 26万円
950〜1,000万円 13万円
1,000万円超 適用なし

主たる納税者の年収が1,000万円を超えると、配偶者控除・配偶者特別控除のどちらも使えません。

家族の働き方を最適化するシミュレーションの手順

  1. 主たる納税者の年収と所得税率を確認する
  2. 配偶者の現在の年収を確認する
  3. 勤め先の従業員数を確認する(106万円の壁に該当するか)
  4. 社会保険の扶養状況を確認する
  5. 壁のどこに位置するかを把握して、最適な年収目標を決める

これを手元で計算することが難しい場合は、ファイナンシャルプランナーや税理士に相談することをおすすめします。

まとめ

配偶者控除と扶養の壁を理解するためのまとめです:

  1. 103万円の壁:所得税の壁。超えても150万円以内は控除は変わらない
  2. 106万円の壁:51人以上の企業で働く場合に適用される社会保険の壁
  3. 130万円の壁:最も影響が大きい社会保険の壁。超えるなら160万円以上を目指す
  4. 150万〜201.6万円の壁:控除が段階的に減るが、収入増の方が大きくなる場合が多い
  5. 家計トータルで判断する:控除額だけでなく、本人の収入増も合わせて計算する

「なんとなく103万円以内」という判断より、状況を正確に把握した上で家族にとって最適な働き方を選択しましょう。制度は毎年少しずつ変わるので、年末調整確定申告の時期に最新情報を確認する習慣をつけることも大切です。


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