災害時のSNS活用と注意点
災害時SNSは情報源と安否確認の両方で活躍します。一方でデマも多く拡散されます。利用ルール・情報源・拡散の3つの注意点を押さえて活用します。
✓この記事でわかること
災害時SNSは情報源と安否確認の両方で活躍します。一方でデマも多く拡散されます。利用ルール・情報源・拡散の3つの注意点を押さえて活用します。
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災害時のSNSは「諸刃の剣」
2011年の東日本大震災では、SNSが初めて本格的に災害情報ツールとして活用されました。Twitterでは被災地の状況がリアルタイムで発信され、救助要請や安否確認に役立った一方で、「○○工場が爆発した」「水道水が危険」などのデマも大量に拡散されました。
それ以降、熊本地震(2016年)、西日本豪雨(2018年)、令和6年能登半島地震(2024年)でも同じことが繰り返されています。SNSは災害時に強力なツールになる一方で、使い方を誤ると混乱を拡大させる原因にもなります。
元消防職員として現場を経験した視点からいうと、SNSをどう使うかは「防災力」の一部です。平常時に使い方を理解しておくことで、いざというときに冷静に判断できるようになります。
安否確認:SNSと公式ツールを組み合わせる
家族間での安否確認の事前準備
災害が起きたとき、最初に気になるのは「家族の安否」です。しかし大規模災害時は電話回線がつながりにくくなります(回線が集中するため)。そのため、音声通話に頼らない安否確認手段を複数用意しておくことが重要です。
家族で事前に決めておくべき3つのこと:
- 共通のSNSアカウントの確認:家族全員がLINEやXのアカウントを持ち、互いにフォロー・友達登録しているか確認
- 連絡の優先順位を決める:①LINE ②X(旧Twitter) ③災害用伝言板 ④171(災害用伝言ダイヤル)という順序
- 集合場所を複数決めておく:連絡が取れない場合の待ち合わせ場所(自宅・学校・避難所など)
災害用伝言板の使い方
各携帯キャリアが提供する「災害用伝言板」は、電話がつながりにくい状況でもメッセージを残せる公式ツールです。
- NTTドコモ:d disaster-safety.jp
- au:au Safety Navi
- ソフトバンク:ソフトバンク 災害用伝言板
登録方法:自分の電話番号で登録し、「無事です」などのメッセージを残す 確認方法:安否を確認したい人の電話番号で検索する
毎年1月1日・3月1日・8月30日・9月1日に体験利用ができます。家族全員で実際に使ってみておくことを強くおすすめします。
LINEで安否確認する際のコツ
LINEは災害時の安否確認でよく使われますが、いくつかのコツがあります:
- グループLINEを活用:家族全員が入ったグループを作り、「無事です」の一言を送るだけでOK
- 既読機能を活用:送信後に既読がつけば生存確認になる
- 位置情報の共有機能:LINEの「現在地を送信」機能で居場所を伝えられる
- ネットワーク障害に備えて:Wi-FiのみでもLINEは使えるので、避難所や公共施設のWi-Fiを活用
公式アカウントを最優先で情報収集する
信頼できる情報源リスト
災害時に情報収集すべき公式アカウントを事前にリスト化しておきましょう。平常時にフォローしておくことで、いざというときに素早く情報にアクセスできます。
国・公的機関:
- 気象庁(@JMA_kishou):気象警報・地震・津波情報
- 国土交通省(@MLIT_JAPAN):河川・道路・交通情報
- 内閣府防災(@bousai_cao):政府の避難情報
地域の公式情報:
- 自分が住む都道府県・市区町村の公式SNSアカウント
- 地元のNHK放送局
- 地元の水道局・電力会社
報道機関:
- NHK(@nhk_seikatsu):生活・防災情報
- NHKニュース(@nhk_news):速報
情報の見極め方
公式アカウントの情報でも、古い情報が表示される場合があります。必ず投稿日時を確認しましょう。
信頼性を判断するポイント:
- アカウントに公式バッジ(認証マーク)があるか
- 投稿時刻が最新か
- 具体的な根拠・出典が示されているか
- 他の公式アカウントと情報が一致しているか
自治体の防災アプリも併用する
多くの自治体が防災専用アプリを提供しています。これらはSNSより信頼性が高く、地域特有の情報を得やすいです。
- Yahoo!防災速報:無料で高精度なアラート
- NHKニュース・防災:気象・防災情報を一元管理
- 自治体の防災アプリ:居住地の避難所・避難ルートを確認
デマを見抜き、拡散しない
災害時にデマが広がりやすい理由
人は不安なとき、情報を求めます。そして「衝撃的な情報」ほど注目され、拡散されやすい。これが災害時にデマが広がるメカニズムです。
過去の災害で実際に拡散されたデマの例:
- 「○○工場から有毒ガスが漏れた」(根拠なし)
- 「水道水が汚染されている」(誤情報)
- 「ライオンが逃げ出した」(2016年熊本地震で実際に拡散)
- 「○○避難所はもう満員」(古い情報の誤伝達)
これらは実際に拡散され、救助活動の妨げや不必要なパニックを引き起こしました。
デマを見抜く3つの問い
情報を見たときに、次の3つを自問しましょう:
①発信者は誰か? 公式機関・信頼できる報道機関か、匿名の個人アカウントか。情報源が「友達の友達」「知り合いから聞いた」は要注意。
②根拠・出典が示されているか? 「〇〇だそうです」「らしいです」という伝聞情報は信頼性が低い。公式機関のリンクや発表が引用されているかを確認。
③他の信頼できる情報源が同じことを言っているか? 複数の信頼できる情報源が同じ内容を伝えていれば信頼性が上がる。1つのアカウントだけが発信している情報は慎重に。
拡散する前にやるべきこと
- 一次情報を確認する:公式機関のウェブサイトやSNSで同様の情報が出ているか検索
- ファクトチェックサイトを使う:「Japan Fact-check」「BuzzFeed News」などで確認
- 確信が持てなければ共有しない:「たぶん本当」「念のため共有」は止める
- 誤情報に気づいたら報告する:各SNSの「報告」機能を活用
SNSの使いすぎによる弊害にも注意
情報過多が判断力を低下させる
災害時はSNSを見続けると情報が多すぎて、何が重要か判断できなくなることがあります。「情報過多」による混乱は、準備不足と同様に危険です。
おすすめの使い方:
- 情報収集の時間を決める(例:1時間ごとに10分)
- フォローする情報源を絞り込む(信頼できる公式アカウントのみ)
- ライフラインの確認が最優先:電気・水・ガス・通信の状況確認
スマホのバッテリー管理
情報収集でスマホを使いすぎると、肝心なときにバッテリーが切れます。
バッテリーを長持ちさせる設定:
- 画面の明るさを最低限に
- Wi-Fi・Bluetooth・GPSを必要時のみON
- 機内モードにして、必要なときだけ解除
- 省電力モードをON
モバイルバッテリーは災害備蓄の必需品です。容量10,000mAh以上のものを用意しておきましょう。
平常時にやっておくべき準備
災害時にSNSを活用するための準備は、平常時にしておかなければなりません。
今すぐできる準備チェックリスト:
- 家族全員で共通のLINEグループを作成する
- 信頼できる公式SNSアカウントをフォローする
- 自治体の防災アプリをインストールする
- 災害用伝言板の使い方を試しておく(体験期間を活用)
- 家族間で安否確認の手順を決めておく
- モバイルバッテリーを購入・備蓄する
まとめ
災害時のSNS活用は、正しく使えば命を守る強力なツールになります。ポイントをまとめます:
- 安否確認:LINE・災害用伝言板・171を組み合わせる
- 情報収集:公式アカウントを最優先し、発信時刻を必ず確認
- デマ対策:「発信者・根拠・複数確認」の3点を確認してから共有
- バッテリー管理:情報収集の時間を決め、モバイルバッテリーを備蓄
「いざというとき」のために、今日から準備を始めましょう。
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暮らしとお金のカフェ 編集部
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