小規模企業共済で節税しながら老後資金
小規模企業共済は個人事業主の退職金制度。掛金が全額控除で大きな節税効果と老後資金準備が同時にできる仕組みを解説します。
✓この記事でわかること
小規模企業共済は個人事業主の退職金制度。掛金が全額控除で大きな節税効果と老後資金準備が同時にできる仕組みを解説します。
こんにちは、暮らしとお金のカフェへようこそ。節税・節約のコツを、実践的な視点でわかりやすく解説します。
個人事業主・フリーランスに「退職金」はない——だから自分で作る
会社員には会社が退職金を準備してくれますが、個人事業主・フリーランスには退職金がありません。廃業したとき・引退したときの資金は、すべて自分で用意する必要があります。
その「自分で作る退職金制度」として、個人事業主にとって最も有利な制度の一つが小規模企業共済です。
節税と老後資金準備を同時に実現できるこの制度を、今すぐ活用しない手はありません。
小規模企業共済とは
小規模企業共済は、中小機構(独立行政法人中小企業基盤整備機構)が運営する、小規模事業者のための退職金制度です。
加入対象者
| 対象 | 詳細 |
|---|---|
| 個人事業主 | 常時使用する従業員が20人以下(商業・サービス業は5人以下) |
| 小規模企業の役員 | 会社の役員(取締役・理事など) |
| 共同経営者 | 個人事業主の共同経営者 |
副業で個人事業主として活動している方も、開業届を出していれば加入できます。
掛金の範囲
月額1,000円〜70,000円の範囲で、500円単位で自由に設定できます。途中での掛金変更も可能です。
節税効果:掛金全額が所得控除になる
最大の魅力は「全額控除」
小規模企業共済の掛金は、その全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除の対象になります。これは非常に強力な節税効果をもたらします。
具体的な節税シミュレーション
所得税率(+住民税率10%)と掛金額の組み合わせで節税額が変わります。
| 課税所得 | 所得税率 | 合算税率 | 月7万円(年84万円)の節税額 | 月3万円(年36万円)の節税額 |
|---|---|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 15% | 約12.6万円 | 約5.4万円 |
| 330万円以下 | 10% | 20% | 約16.8万円 | 約7.2万円 |
| 695万円以下 | 20% | 30% | 約25.2万円 | 約10.8万円 |
| 900万円以下 | 23% | 33% | 約27.7万円 | 約11.9万円 |
| 1,800万円以下 | 33% | 43% | 約36.1万円 | 約15.5万円 |
例:年収600万円(課税所得400万円前後)の個人事業主が月7万円掛けると:
- 年間掛金:84万円
- 節税額(30%として):約25万円/年
- 掛金の実質負担:84万円 - 25万円 = 約59万円
節税を差し引いた実質負担を計算すると、84万円の積立が実質59万円の支出で済むというお得な構造です。
受取時の税制優遇
掛金を積み立てるだけでなく、受取時にも税制優遇があります。
一括受取の場合:退職所得控除が適用
廃業・引退時に一括で受け取る場合、退職所得として扱われ「退職所得控除」が適用されます。
退職所得控除の計算式:
- 加入20年以下:40万円 × 年数
- 加入20年超:800万円 + 70万円 × (年数 - 20年)
例:30年間加入した場合の退職所得控除額: 800万円 + 70万円 × 10年 = 1,500万円の控除
つまり、30年間の積立総額が1,500万円以下であれば、退職所得に対する税金がほぼゼロになります。
分割受取の場合:公的年金等控除が適用
65歳以上での分割受取を選択した場合、公的年金等として扱われ「公的年金等控除」が適用されます。
年金受取と合算しての限度はありますが、受取時も税の優遇が受けられます。
iDeCoとの比較
個人事業主が活用できる節税制度として、iDeCo(個人型確定拠出年金)とよく比較されます。
| 比較項目 | 小規模企業共済 | iDeCo(個人事業主) |
|---|---|---|
| 月最大拠出額 | 7万円 | 6.8万円 |
| 所得控除 | 全額(掛金控除) | 全額(小規模企業共済等掛金控除) |
| 受取時 | 退職所得控除or年金控除 | 退職所得控除or年金控除 |
| 運用方法 | 固定(元本確保型) | 自分で選択(運用リスクあり) |
| 途中解約 | 可能(ただしデメリットあり) | 原則60歳まで引き出し不可 |
| 緊急の借入 | 掛金の9割まで低利で可能 | 不可 |
おすすめの使い方: 両方を組み合わせることで、最大月13.8万円(年165.6万円)の所得控除が可能になります。
途中解約・任意解約のリスク
小規模企業共済は長期継続を前提とした制度です。途中解約にはデメリットがあります。
| 解約理由 | 受取額 |
|---|---|
| 廃業・死亡(共済事由) | 掛金総額+運用益(有利) |
| 任意解約(加入20年未満) | 掛金総額より少ない(元本割れの可能性) |
| 任意解約(加入20年以上) | ほぼ元本を確保 |
重要なポイント:加入後12ヶ月未満で解約すると、掛金は全額戻ってきません。
短期の積立・解約を繰り返す使い方には向いていません。長期的に積み立てることが前提の制度です。
加入方法
加入手順
- 中小機構のウェブサイトまたは取扱金融機関の窓口で申込書を入手
- **開業届(写)または確定申告書(写)**など加入資格を証明する書類を準備
- 申込書と書類を提出(金融機関経由)
- 掛金の引き落とし口座を設定
- 加入完了・小規模企業共済手帳が届く
加入できる取扱機関:銀行・信用金庫・農協・中小機構の委託を受けた機関など。地元の銀行窓口でも手続きできます。
まとめ
小規模企業共済で節税しながら老後資金を作るポイント:
- 掛金全額が所得控除:月7万円(年84万円)なら課税所得400万円の人で年約25万円の節税効果。掛金の実質負担を大幅に軽減できる
- 受取時も税制優遇:一括受取なら退職所得控除(加入20年超で800万円以上)、分割受取なら年金控除が使える
- iDeCoとの組み合わせ:両方活用すれば最大月13.8万円の控除が可能。フリーランスの老後資金の強力な柱になる
「節税しながら老後資金を積み立てる」——これほど効率的な方法は他にありません。個人事業主・フリーランスの方は、ぜひ今年の確定申告前に加入を検討してみましょう。
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暮らしとお金のカフェ 編集部
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