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減価償却の仕組みと節税への活用法|設備投資を賢く経費計上する方法

暮らしとお金のカフェ 編集部

減価償却の仕組みと節税活用法を解説。減価償却の計算方法(定額法・定率法)・一括償却資産・少額減価償却資産の特例・設備投資のタイミングと節税効果・パソコン・車・機械の減価償却を初心者向けに紹介します。

この記事でわかること

減価償却の仕組みと節税活用法を解説。減価償却の計算方法(定額法・定率法)・一括償却資産・少額減価償却資産の特例・設備投資のタイミングと節税効果・パソコン・車・機械の減価償却を初心者向けに紹介します。

こんにちは、暮らしとお金のカフェへようこそ。節税・節約のコツを、実践的な視点でわかりやすく解説します。

「事業用にパソコンを購入したけど、経費にどうやって計上するの?」「車を仕事にも使っているけど、全額経費になる?」——個人事業主・副業で仕事をしている方から、こういった疑問をよく耳にします。ポイントは「減価償却」の仕組みを理解することです。正しく使えば、設備投資のタイミングを工夫するだけで節税効果が大きく変わります。

減価償却とは何か——設備投資費用を複数年で経費にする仕組み

減価償却とは、高額な資産(PC・車・機械・建物など)の購入費用を、使用期間にわたって少しずつ経費計上する方法です。

なぜ一括で経費にならないのか

高額な資産は複数年にわたって使用するため、「使った期間に応じて費用を分割する」のが会計の考え方です。今年300万円の車を買ったとしても、その車を5年間使うなら「5年分の価値を今年1年で使った」とはいえません。

減価償却の基本イメージ

年度 取得価額 年間経費(4年の場合) 累計経費
1年目 100万円 25万円 25万円
2年目 25万円 50万円
3年目 25万円 75万円
4年目 25万円 100万円

主な資産の耐用年数(法定耐用年数)——何年で償却するかの基準

耐用年数は国が法律で定めていて、資産の種類によって決まります。

資産 耐用年数 年間償却率(定額法)
パソコン・タブレット(情報通信機器) 4年 0.25
スマートフォン 4年 0.25
カメラ・ビデオカメラ 5年 0.2
普通自動車 6年 0.167
デスク・椅子(事務用家具) 8〜15年 0.125〜0.067
建物(木造) 22年 0.046
建物(鉄筋コンクリート) 47年 0.022

重要:中古資産の耐用年数は別の計算式で求めます(後述)。

減価償却の計算方法——定額法と定率法の違い

定額法(個人事業主の基本)

毎年同じ金額を経費計上する方法です。個人事業主は原則として定額法が適用されます。

計算式

年間減価償却費 = 取得価額 × 定額法の償却率(1÷耐用年数)

例:100万円のパソコン(耐用年数4年)の場合

  • 償却率:1 ÷ 4 = 0.25
  • 年間償却費:100万円 × 0.25 = 25万円/年

4年間、毎年25万円を経費に計上できます。

定率法(法人でよく使われる)

初期の年に多く経費計上し、年々減少していく方法です。法人の場合は選択できます(個人事業主は届出が必要)。

定率法のメリット:初年度に多く経費計上できるため、設備投資当初の節税効果が高い。

定率法のデメリット:後半になるほど経費計上額が減る。

どちらが有利か

方法 向くケース
定額法 毎年安定した経費計上がしたい場合
定率法 設備投資当初に節税効果を最大化したい法人

個人事業主は原則定額法なので、定率法を使いたい場合は「減価償却資産の償却方法の変更承認申請書」を税務署に提出する必要があります。

少額資産の特別な経費計上方法——30万円が節税の鍵

資産の取得価額が低い場合、通常の減価償却ではなく「一括経費計上」ができる特例があります。

10万円未満:全額即時経費

取得価額が10万円未満の資産は、購入した年度に全額を一括で経費計上できます。

:8万円のWEBカメラ → 購入年に8万円全額を経費に計上

一括償却資産(10万円〜20万円未満)

20万円未満の資産は「3年均等償却」を選択できます。

:15万円の外付けHDD → 毎年5万円を3年間経費計上(5万円×3年=15万円)

少額減価償却資産の特例(30万円未満)——青色申告者の最強特典

青色申告者(個人事業主・中小企業)は、30万円未満の資産を購入年に全額一括で経費計上できます(年間合計300万円まで)。

比較例:28万円のノートパソコンの場合

申告の種類 経費計上方法 節税効果のタイミング
白色申告 4年間で毎年7万円 節税効果が4年に分散
青色申告(少額特例) 購入年に28万円一括 購入年に集中して節税

12月に必要なパソコンを購入すれば、その年の課税所得を最大28万円下げられます。税率20%なら5万6千円の節税です。

設備投資のタイミングで節税を最大化する

減価償却のルールを理解すると、「いつ買うか」が節税効果に直結することがわかります。

年度末(12月)に向けた設備投資計画

個人事業主(12月決算)の場合、12月に30万円未満の設備を購入すれば当年の経費として全額計上できます。

活用のフロー

  1. 11月頃に今年の利益を概算する
  2. 利益が多ければ12月に必要な設備投資を行う
  3. 30万円未満の資産を購入(少額減価償却資産の特例を活用)
  4. 当年の課税所得が下がり、納税額が減る

注意点:「節税目的だけで不要なものを買う」のは逆効果です。事業に必要な投資を、節税を意識したタイミングで行うのが正解です。

設備投資の節税シミュレーション

状況 節税効果
年利益300万円・税率20%・12月に25万円のPC購入 25万円 × 20% = 5万円の節税
年利益500万円・税率30%・12月に29万円の機材購入 29万円 × 30% = 8.7万円の節税

車の減価償却と節税——プライベート兼用の場合の注意点

事業用の車は減価償却できますが、プライベートにも使う「兼用車」の場合は按分が必要です。

事業使用割合の按分

按分の計算方法

事業での走行距離 ÷ 総走行距離 × 100 = 事業使用割合

例:年間2万km走行のうち、事業用途1.4万km → 事業使用割合70%

この場合、車に関するすべての費用(ガソリン代・保険・車検・減価償却費)の70%が経費になります。

新車 vs 中古車の節税比較

種類 耐用年数 特徴
新車(普通車) 6年 長い期間で少しずつ経費化
中古車(3年落ち) 約3年(計算式による) 短期間で全額経費化できる
中古車(5年落ち) 約2年 さらに早く経費化できる

中古車の耐用年数の計算式

  • 新品の耐用年数の20%分:普通車(6年)×20% = 1.2年
  • 経過年数が耐用年数超の中古車:耐用年数の20%(最低2年)

中古車(特に4〜5年落ち)は耐用年数が2〜3年になるため、購入費用を短期間で経費化できます。これが「節税目的の中古車購入」と言われる理由です。

一般的に見落とされがちな減価償却対象資産

資産 耐用年数 注意点
ソフトウェア(市販品) 5年 購入費用も減価償却の対象
ソフトウェア(自社開発) 3〜5年 開発費用を資産計上する場合
家具・棚 8〜15年 ホームオフィスの家具も対象
照明器具 5〜8年 事業用部屋の照明は経費化可
エアコン 6〜13年(建物附属設備) 事業部分は按分して経費化

まとめ

減価償却を理解して活用することで、設備投資のタイミングと節税効果を計画的に組み合わせられます。

  • 耐用年数は資産の種類によって法律で決まっている
  • 30万円未満の資産は青色申告で購入年に全額経費にできる(少額減価償却資産の特例)
  • 年度末(12月)に必要な設備を購入して節税するのが有効
  • 中古車は耐用年数が短く、早期に全額経費化できる節税効果がある
  • プライベート兼用資産は事業使用割合で按分する

まずは今持っている事業用の資産を棚卸しして、「まだ減価償却が終わっていない資産はあるか」「30万円未満で買える必要なものはないか」を確認するところから始めましょう。


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