「老後の年金」だけに頼るリスクと今からできる準備
年金だけで老後を乗り切れる時代ではありません。しかし悲観的になる必要もありません。今からできる準備を整理します。
✓この記事でわかること
年金だけで老後を乗り切れる時代ではありません。しかし悲観的になる必要もありません。今からできる準備を整理します。
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「年金だけじゃ老後は無理」という言葉を、一度は耳にしたことがあるでしょう。でもそれを聞いて「じゃあどうすればいいの?」と途方に暮れてしまう方も多いのではないでしょうか。
確かに、公的年金だけで豊かな老後を送ることは難しくなっています。でも「だから無理」ではなく「だから今から準備する」という考え方が大切です。今日は年金だけに頼るリスクを正確に知り、今からできる具体的な準備方法をご紹介します。
現実の年金受給額を知る
まず、実際にいくら受け取れるのかを知りましょう。「老後が不安」という感覚の多くは、具体的な数字を知らないために生まれています。
厚生年金の平均受給額
厚生労働省の調査(2023年)によると、厚生年金(国民年金含む)の平均受給額は次の通りです。
- 男性の平均受給額:月約16万4,000円
- 女性の平均受給額:月約10万6,000円
なお、国民年金(自営業・フリーランスなど)のみの場合は、フル加入(40年間)で月約6万8,000円(2024年度)です。
夫婦世帯の受給合計と生活費の差
夫婦2人の場合、合計すると月25〜27万円程度になることが多いです。一方、65歳以上夫婦2人の月々の平均生活費は約25〜28万円です。
つまり「平均的な夫婦」の場合、年金受給額と生活費はほぼ同程度、という計算になります。
ではなぜ「年金だけでは足りない」と言われるのでしょうか?それは「平均値の罠」があるからです。受給額は個人の収入・加入期間によって大きく変わります。また生活費には住宅の修繕、医療・介護費、突発的な出費は含まれていません。
年金だけに頼る3つのリスク
リスク1:制度変更リスク
年金制度は政策で変更される可能性があります。過去にも受給開始年齢の引き上げ(60歳から65歳へ)、支給額の実質的な削減が行われてきました。
今後の予測として:
- 受給開始年齢のさらなる引き上げ:65歳→67歳、または70歳への引き上げが議論されている
- マクロ経済スライド:物価・賃金の上昇より年金の増加を抑える仕組みが続く
- 少子高齢化による財政悪化:現役世代が減り、受給者が増えることで財政圧力が高まる
「将来の年金額が今より減る可能性がある」という前提で計画を立てることが重要です。
リスク2:長寿リスク
「長生きすること」が経済的なリスクになる時代です。
平均寿命の現状:
- 男性の平均寿命:約81歳
- 女性の平均寿命:約87歳
しかし「平均寿命まで生きる」ではなく、「90歳・100歳まで生きる可能性」を考慮することが大切です。
例えば65歳から90歳まで25年間生きるとして、月5万円の不足が続くと、不足額は1,500万円になります。100歳まで生きると2,100万円の不足です。
リスク3:インフレリスク
物価が上がっても年金額がそれに追いつかない場合、実質的な価値が下がります。
インフレの影響の例:
- 現在の月20万円の年金
- 年2%のインフレが20年続いた場合
- 20年後の20万円の実質購買力は現在の約13.5万円相当
物価上昇に耐えられる資産(株式・不動産など)を持っておくことが、インフレリスクへの対策になります。
年金を補う4つの手段
年金の不安に対して、今から積み重ねられる補完策を4つご紹介します。
手段1:新NISA(積み立て投資)
最も再現性が高く、今すぐ始められる方法です。
2024年からリニューアルされた新NISAは、投資で得た利益が永続的に非課税になる制度です。
シンプルな始め方:
- 証券口座を開設(SBI証券・楽天証券・マネックス証券など)
- 新NISAのつみたて投資枠で積み立て設定
- 毎月一定額(1,000円〜)でインデックスファンドを購入
積み立て効果のシミュレーション:
- 月1万円を30年間積み立て(年利5%想定):約832万円
- 月3万円を30年間積み立て(年利5%想定):約2,495万円
- 月5万円を20年間積み立て(年利5%想定):約2,055万円
長期・積み立て・分散投資のインデックスファンドは、世界経済全体の成長を享受できる最もシンプルな投資方法です。
手段2:iDeCo(節税しながら老後資金を積み立てる)
iDeCoは「老後資金専用の積み立て制度」で、掛金全額が所得控除になります。
iDeCoのメリット:
- 毎月の掛金が全額所得控除→毎年数万円の節税
- 運用益が非課税
- 受け取り時にも税制優遇
デメリット:
- 60歳まで引き出せない
老後の必要資金がある程度把握できている方には、非常に効率的な節税・貯蓄手段です。
節税効果の例(年収500万円・月2万円積み立ての場合): 年間24万円が所得控除→所得税(20%)で48,000円節税、住民税(10%)で24,000円節税 = 年間72,000円の節税
手段3:副業・個人事業で収入の柱を作る
老後も「少し働き続けること」は、年金不足を補う最も確実な手段の一つです。
高齢になっても続けやすい副業例:
- ライティング・編集(在宅・時間自由)
- コンサルティング・顧問(専門知識の活用)
- 教える仕事(塾講師・習い事の先生)
- ECサイト運営・物販(自宅でできる)
今から副業を始めてスキルを磨いておけば、65歳以降も月5〜10万円の収入を維持しやすくなります。「老後も稼げる自分」を作っておくことが、最強の老後対策です。
手段4:不動産(賃貸収入)
不動産投資で毎月の家賃収入を得る方法です。ローンを完済した物件があれば、毎月安定した収入が続きます。
不動産投資のポイント:
- 物件選びと管理には一定の知識と手間が必要
- 空室リスク・修繕コストも考慮が必要
- ローンを組む場合、完済後の年齢を考慮する
不動産は他の方法より資金が必要で専門知識も求められますが、長期的な「家賃収入」は強力な老後の収入源になります。
今すぐできる3ステップ
ステップ1:自分の年金受給予定額を確認する
「ねんきんネット」(年金機構の公式サイト)にアクセスして、自分の受給予定額を確認しましょう。
受給額が分かると「月々いくら不足するか」の計算ができ、必要な準備量が具体的になります。
ステップ2:新NISAを今月から始める
証券口座の開設から最初の積み立て設定まで、30分もあれば完了します。
SBI証券・楽天証券はオンラインで口座開設でき、月100円から積み立てられます。「完璧な計画が立ててから」ではなく、「まず小さく始める」ことが重要です。
ステップ3:iDeCoを検討する
勤務先の確定拠出年金(企業型DC)の有無を確認した上で、iDeCoへの加入を検討しましょう。加入申し込みは金融機関(証券会社・銀行)で手続きできます。
年金への悲観は不要、準備を始めることが大切
「年金制度が崩壊する」という極端な見方もありますが、日本の公的年金は世界でも有数の規模と信頼性を持つ制度です。完全になくなることはないでしょう。
ただし「年金だけで十分」という楽観も危険です。「年金は減るかもしれない」という前提の上で、今から補完策を積み上げていくことが、老後を安心して過ごすための現実的なアプローチです。
まとめ
年金だけに頼るリスクと、今からできる準備をまとめます。
年金だけに頼る3つのリスク:
- 制度変更リスク(受給開始年齢の引き上げ・支給額の削減)
- 長寿リスク(90歳・100歳まで生きる可能性)
- インフレリスク(物価上昇で年金の実質価値が下がる)
年金を補う4つの手段:
- 新NISA:今すぐ始められる・運用益非課税
- iDeCo:節税しながら老後資金を積み立てる
- 副業・個人事業:老後も稼ぐ力を維持する
- 不動産:安定した家賃収入を確保する
「年金は減るかもしれない」を前提に、NISAとiDeCoの両輪で今から準備を始めましょう。
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暮らしとお金のカフェ 編集部
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