「給与明細」を正しく読むと見えてくる「手取りを増やす方法」
給与明細を毎月もらっているのに詳しく見ていない人がほとんどです。正しく読むことで節税の余地が見つかります。
✓この記事でわかること
給与明細を毎月もらっているのに詳しく見ていない人がほとんどです。正しく読むことで節税の余地が見つかります。
こんにちは、暮らしとお金のカフェへようこそ。節税・節約のコツを、実践的な視点でわかりやすく解説します。
毎月給与明細を受け取ったとき、「手取り額」だけを確認してあとは見ていない——という方は少なくないはずです。でも実は、給与明細をしっかり読むことで、「もっと手取りを増やせる可能性」が見えてきます。
サラリーマンの手取りを増やす方法はいくつかありますが、その多くは「給与明細の控除の内訳を理解すること」から始まります。今月の給与明細を手元に用意して、一緒に読み方を確認してみましょう。
給与明細の基本構造を理解する
給与明細は大きく「支給額」と「控除額」の2つに分かれています。
手取り額 = 総支給額 − 控除額合計
まずはこの式を頭に入れておきましょう。手取りを増やすには、「支給額を増やす(昇給・残業)」か「控除額を減らす(節税)」しかありません。今回は「控除額を減らす」、つまり節税の話をメインにします。
主な控除項目と意味
| 控除項目 | 内容 | 自分でコントロール可能か |
|---|---|---|
| 健康保険料 | 医療費を賄う保険料 | ほぼ不可(会社によって変わる) |
| 厚生年金保険料 | 老後の年金を積み立てる | 不可 |
| 雇用保険料 | 失業時の補償のための保険料 | 不可 |
| 所得税(源泉徴収) | 所得に応じて課税される税金 | 控除を増やすことで減らせる |
| 住民税 | 居住地の自治体に納める税金 | 控除を増やすことで減らせる |
「控除」という言葉は2種類あります。一つは「控除額」として給与から差し引かれる社会保険料・税金のこと、もう一つは「所得控除」という、課税の対象となる所得を減らして税金を下げる仕組みのことです。節税で使われる「控除」は後者を指します。
給与明細から「今より税金を減らせるか」を確認する方法
年収と税率の関係を知る
所得税は「課税所得(収入から各種控除を引いた金額)」に対してかかります。課税所得が高いほど税率が上がる「累進課税制度」を採用しています。
所得税の税率(2024年時点):
| 課税所得 | 税率 |
|---|---|
| 〜195万円 | 5% |
| 195万〜330万円 | 10% |
| 330万〜695万円 | 20% |
| 695万〜900万円 | 23% |
| 900万〜1,800万円 | 33% |
例えば年収600万円の方の場合、課税所得は約300〜400万円程度(給与所得控除などを差し引いた後)になります。この方が節税で課税所得を10万円減らせると、所得税が約2万円、住民税(10%一律)が1万円、合計約3万円の節税になります。
源泉徴収されすぎていないか確認する
給与明細の「所得税(源泉徴収)」欄を確認してください。毎月差し引かれているこの金額は、年末調整で精算されます。もし各種控除の申告が適切にできていれば、年末調整で還付(戻ってくる)される可能性があります。
「毎年年末調整でほとんど戻ってこない(または追加で取られる)」という方は、控除の申告漏れがあるかもしれません。
手取りを増やす方法1:iDeCoで所得控除を増やす
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後の資産形成をしながら節税もできる制度です。会社員の場合、掛金は全額が「所得控除」の対象になり、課税所得が直接減ります。
iDeCoの節税効果の計算例
年収500万円の会社員が月1.5万円(年間18万円)を積み立てる場合:
- 課税所得が18万円減少
- 所得税率が20%とすると、所得税が36,000円節税
- 住民税(10%)が18,000円節税
- 合計で年間約54,000円の節税効果
月1.5万円の積み立てで年間5万円以上節税できるのは非常に効果的です。さらに積み立てたお金は運用益も非課税で、受け取り時にも退職所得控除や公的年金等控除が使えます。
iDeCoの注意点:
- 60歳まで引き出せない(老後資金として考える)
- 会社の確定拠出年金制度(企業型DC)の有無によって上限額が変わる
加入できる掛金の上限(会社員の場合)
- 企業年金なしの会社員:月23,000円(年27.6万円)
- 企業型DCのみある会社員:月20,000円(年24万円)
- 企業型DC・確定給付型年金両方ある会社員:月12,000円(年14.4万円)
手取りを増やす方法2:生命保険料控除を正しく申告する
生命保険料・医療保険料を払っている方は、生命保険料控除を受けられます。この控除は年末調整で申告するものです。
控除の種類と上限(新制度):
| 種類 | 上限(所得税) | 上限(住民税) |
|---|---|---|
| 一般生命保険料控除 | 4万円 | 2.8万円 |
| 介護医療保険料控除 | 4万円 | 2.8万円 |
| 個人年金保険料控除 | 4万円 | 2.8万円 |
| 合計上限 | 12万円 | 7万円 |
毎年秋に保険会社から「生命保険料控除証明書」が届きます。これを年末調整の申告書に添付するだけで控除が適用されます。「届いているのに捨ててしまった」という場合は、保険会社に再発行を依頼できます。
手取りを増やす方法3:医療費控除で確定申告
年間の医療費が10万円(または所得の5%)を超えた場合、超えた金額を「医療費控除」として所得から差し引けます。この控除は年末調整では受けられず、確定申告が必要です。
医療費として計上できるもの(代表例):
- 診察費・入院費・手術費
- 処方薬の薬代
- 通院のための交通費(バス・電車)
- 歯科治療費(審美目的は除く)
医療費として計上できないもの:
- 美容整形手術
- 健康診断(病気が発見されて治療につながった場合は可)
- 予防接種(インフルエンザなど)
活用例: 年収600万円の方が年間医療費15万円(自己負担分)の場合、10万円を超えた5万円が控除対象。所得税20%なら1万円、住民税10%で5,000円、合計1.5万円の節税効果。
医療費の領収書は1年分をまとめて保管しておきましょう。マイナポータルと医療費の連携が進んでおり、将来的にはデータで自動集計できる仕組みも整いつつあります。
手取りを増やす方法4:住宅ローン控除の最大活用
住宅ローンを組んで自宅を購入・建設した方は、「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」が適用されます。
住宅ローン控除のポイント:
- 最大控除期間:13年間
- 年末のローン残高×0.7%が所得税から直接差し引かれる(税額控除)
- 所得税で控除しきれない分は翌年の住民税からも控除される
例えばローン残高が3,000万円なら、その0.7%=21万円が所得税から直接引かれます。これは非常に大きな節税効果です。
住宅ローン控除の初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で処理できます。初年度の確定申告を忘れている方は、5年以内なら遡って申告できます(過去の申告漏れの時効は5年)。
給与明細を見直す習慣をつくる
月に一度、給与明細を受け取ったときに次のことを確認する習慣をつくると、節税の機会を逃しにくくなります。
毎月の確認チェックリスト:
- 基本給・残業代・各種手当は正しく計算されているか
- 所得税の金額は先月と比べておかしくないか
- 社会保険料は変わっていないか(4・5・6月の給与は翌年の社会保険料を決める「算定基礎」の対象になる)
年1回(年末調整・確定申告時)の確認:
- iDeCoの掛金証明書を会社に提出したか
- 生命保険料控除証明書を提出したか
- 医療費が10万円を超えた場合に備えて領収書を保管しているか
- 住宅ローン控除の手続きを正しく行っているか
まとめ
給与明細の控除の内訳を理解することが、手取りを増やす第一歩です。今月の給与明細を取り出して、控除の内訳を確認しましょう。「どこを減らせるか」が見えてきます。
今すぐできることをまとめます。
- iDeCoを検討する:毎月の掛金が全額所得控除。年数万円の節税効果
- 生命保険料控除証明書を確認する:秋に届いたものを年末調整に使う
- 医療費の領収書を保管する:年10万円超えたら確定申告で取り戻せる
- 住宅ローン控除を最大活用する:控除しきれない分は住民税からも控除される
給与は「もらった金額」よりも「最終的に手元に残った金額」が大事です。正しい節税知識で、あなたの手取りを少しでも増やしていきましょう。
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暮らしとお金のカフェ 編集部
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