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介護リスクとお金の備え方|親の介護費用と自分の将来の準備方法

暮らしとお金のカフェ 編集部

介護にかかる費用の実態・公的介護保険の仕組み・民間介護保険の活用・介護費用の貯め方を解説。親の介護費用への備え・自分が介護が必要になった場合の準備方法まで、介護リスクへの具体的な対応を紹介します。

この記事でわかること

介護にかかる費用の実態・公的介護保険の仕組み・民間介護保険の活用・介護費用の貯め方を解説。親の介護費用への備え・自分が介護が必要になった場合の準備方法まで、介護リスクへの具体的な対応を紹介します。

介護リスクとお金の備え方|親の介護費用と自分の将来の準備方法

「老後のお金を準備しよう」と考えるとき、生活費や医療費は意識しても、介護費用まで計算に入れている人は多くありません。しかし、要介護認定を受ける人は65歳以上の約20%に上り(厚生労働省調査)、長生きするほど介護が必要になるリスクは高まります。

この記事では、介護にかかる費用の実態から、公的介護保険の仕組み、民間介護保険の活用、親の介護費用への備え、そして自分自身の将来への準備方法まで、具体的に解説します。

介護にかかる費用の実態——想像より高い現実

月々の介護費用の目安

介護費用は「在宅か施設か」「要介護度」「利用するサービス」によって大きく異なります。

介護の形態 月々の費用目安 備考
在宅介護(軽度) 3〜8万円 ヘルパー・デイサービス利用
在宅介護(重度) 10〜20万円 訪問介護・医療サービス多用
サービス付き高齢者向け住宅 15〜25万円 食費・管理費込み
特別養護老人ホーム(特養) 8〜15万円 公的施設・入居待ちが多い
介護付き有料老人ホーム 20〜40万円 私的施設・サービス充実
認知症対応型グループホーム 15〜25万円 認知症特化型

生命保険文化センターの調査では、介護期間中にかかった費用の平均は約580万円(平均介護期間5年4ヶ月)という数字も報告されています。ただしこれは平均値であり、認知症などで介護期間が10年を超えるケースでは総費用が1,000万円以上になることもあります。

介護は突然始まる——準備のタイミングが重要

介護が必要になるきっかけの多くは「転倒・骨折」「脳卒中」「認知症の進行」など、比較的突然に起きます。「親が元気なうちに備えよう」と思っていても、気づいたときにはすでに対応が必要な状況になっていることが少なくありません。

親が70代のうちから、介護に関する話し合いと準備を始めることが理想的です。

公的介護保険の仕組み——まずここを理解する

40歳から支払う介護保険料

日本では40歳以上の全員が介護保険料を支払い、65歳以上(または40〜64歳で特定疾患)になって要介護認定を受けると、介護サービスを利用できます。

要介護度と支給限度額

要介護度によって毎月使える介護サービスの上限(支給限度額)が決まっています。

要介護度 支給限度額(月)目安 自己負担1割の場合
要支援1 約5万円 約5,000円
要支援2 約10万円 約1万円
要介護1 約17万円 約1.7万円
要介護2 約20万円 約2万円
要介護3 約27万円 約2.7万円
要介護4 約31万円 約3.1万円
要介護5 約36万円 約3.6万円

自己負担は原則1割(所得によって2割・3割)です。

公的介護保険でカバーされないもの

公的介護保険は「介護サービス費用の1〜3割負担」を助けてくれますが、以下は対象外または自己負担です。

  • 施設入居の場合の食費・居住費(月5〜15万円程度)
  • 福祉用具購入費(限度額超の分)
  • 交通費・日用品・おむつ代など
  • 介護施設への入居一時金(有料老人ホームでは0〜数百万円)

これらを合わせると、施設入居の場合は月20〜40万円になることも珍しくありません。

高額介護サービス費制度

月の自己負担が一定額(所得により3.7万〜4.4万円)を超えた場合、超過分が後から返金される「高額介護サービス費」という制度があります。申請が必要なので、忘れずに手続きしましょう。

親の介護費用への備え——今すぐできること

親の資産状況を把握する

介護費用は基本的に「本人(親)の資産」で賄うのが原則です。まず「親にどれだけの資産があるか」を把握することが出発点です。

確認しておくべき情報

  • 預貯金の概算(銀行名・口座番号まで知っておくと安心)
  • 不動産(自宅・土地の有無)
  • 生命保険・医療保険・介護保険(保険会社・証券番号)
  • 年金の種類と受給額

重要:認知症が進むと、本人の同意なしに銀行口座から引き出せなくなります(資産凍結)。元気なうちに把握しておくことが不可欠です。

家族信託・成年後見制度を早めに検討する

親が認知症になった場合の財産管理手段として、次の2つがあります。

制度 特徴 メリット デメリット
家族信託 元気なうちに家族に財産管理を任せる 柔軟な管理が可能・コストが低い 事前に公証人費用など数十万円必要
成年後見制度 裁判所が選んだ後見人が管理 法的な保護が強い 手続きが複雑・毎月後見人報酬がかかる

特に「家族信託」は、認知症になる前に手続きができれば、その後の財産管理がスムーズになります。司法書士・弁護士に相談して早めに検討することをおすすめします。

兄弟姉妹と介護費用の分担を話し合う

介護が始まると、「誰が費用を負担するか」「誰が介護を担うか」で兄弟間のトラブルが起きることがよくあります。

元気なうちに兄弟で集まり、「費用の分担ルール」「介護が必要になった場合の役割分担」を話し合っておくと、いざというときの混乱を防げます。

自分の将来の介護への備え——老後資金に組み込む

介護費用を老後資金の計算に含める

老後資金を計算するとき、介護費用を含めて計算している方は多くありません。しかし、要介護になる可能性を考えると、介護費用を上乗せして準備することが重要です。

老後資金の試算例(夫婦2人・老後30年)

項目 金額
生活費(月22万円×30年) 7,920万円
医療費(概算) 500万円
介護費用(平均:2人分で1,200万円) 1,200万円
合計 9,620万円

公的年金・退職金・現在の金融資産でこれを賄えるか確認し、不足分を積み立てで準備します。

民間介護保険の検討

公的介護保険だけでは不足する費用を補うために、民間の介護保険を検討する方法もあります。

民間介護保険の特徴

  • 要介護2以上などを条件に、一時金(100〜500万円)または年金が受け取れる
  • 月々の保険料は年齢により数千円〜1万円程度
  • 50代以降に加入すると保険料が上がる

保険 vs 貯蓄の判断基準

状況 おすすめの方向
60歳以上で保険料が高い 貯蓄で備える方が合理的な場合が多い
40〜50代で保険料が安い 民間介護保険で備える選択肢も
すでに十分な資産がある 保険料を払わず資産運用で対応
資産が少ない 公的介護保険+低コストの保険で補う

「保険料の総額(例:月1万円×20年=240万円)と想定給付額(例:100〜500万円)を比較して判断することが重要です。

住まいの選択肢を知っておく

介護が必要になった場合の住まいの選択肢を事前に把握しておくと、慌てずに動けます。

施設の種類 月額費用 特徴 向いている人
自宅(在宅介護) 3〜15万円 住み慣れた環境 要介護度が軽い・家族の協力あり
サービス付き高齢者住宅 15〜25万円 見守り+生活支援 介護は軽度だが一人では不安な方
特別養護老人ホーム(特養) 8〜15万円 公的施設・費用低め 要介護3以上・費用を抑えたい方
介護付き有料老人ホーム 20〜40万円 充実したサービス 費用に余裕がある方

特養は入居待ちが多く、申し込んでから入居まで数年かかることもあります。希望する場合は早めに申し込みをしておくことも考えましょう。

まとめ

介護リスクとお金の備えのポイントをまとめます。

  1. 介護費用の実態を知る:在宅で月3〜20万円・施設で8〜40万円が目安。平均期間は5〜7年、長ければ10年以上
  2. 公的介護保険の仕組みを理解する:自己負担1〜3割だが、食費・居住費は別途必要
  3. 親の資産状況を今すぐ把握する:認知症・資産凍結に備えて、元気なうちに確認と家族信託の検討を
  4. 老後資金に介護費用を上乗せして計画する:夫婦で1,000〜1,500万円を追加で想定する
  5. 民間介護保険は保険料vs給付額で判断する:50代以前なら検討の余地あり

介護は「準備すべきリスク」です。今日から少しずつ、親と自分自身の将来の介護について話し合い、備えを始めましょう。


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