国民健康保険料を安くする方法【フリーランス・退職後の節約術】
フリーランス・退職後の国民健康保険料を安くする方法を解説。収入を減らして保険料を下げる合法的な節税方法、任意継続との比較、保険料の計算方法まで詳しく紹介します。
✓この記事でわかること
フリーランス・退職後の国民健康保険料を安くする方法を解説。収入を減らして保険料を下げる合法的な節税方法、任意継続との比較、保険料の計算方法まで詳しく紹介します。
国民健康保険料は思ったより高い
会社を辞めてフリーランスになったり、退職後に国民健康保険(国保)に加入すると、保険料の高さに驚く人が多いです。
会社員時代は保険料の半分を会社が負担してくれますが、国保では全額自己負担になります。さらに、前年の所得をベースに計算されるため、退職直後は前年の会社員時代の収入が反映されて高額になります。
年収500万円の会社員が退職・フリーランスになった場合の国保概算: 年間60〜80万円(月5〜7万円)の保険料になるケースも珍しくありません。
この記事では、合法的に国民健康保険料を安くする方法を詳しく解説します。
国民健康保険料の計算の仕組み
保険料は何で決まるか
国保の保険料は以下の要素で決まります(市区町村によって計算方法が異なる)。
主な計算要素:
- 所得割:前年の「総所得金額 - 基礎控除43万円」× 所得割率
- 均等割:加入者1人当たりの定額
- 平等割:世帯単位の定額(一部の市区町村)
つまり、所得が低いほど保険料が安くなるのが基本です。
具体的な計算例(東京都23区の場合)
前年の所得が500万円(フリーランス1年目):
医療分・後期高齢者支援分・介護分(40〜64歳)合算で、概算年間保険料は60〜80万円程度になります。
前年の所得が200万円(2年目以降・経費計上後): 同様に計算すると概算年間保険料は30〜40万円程度に下がります。
自分の住む市区町村の保険料を知るには、市区町村のWebサイトや問い合わせで確認できます。
国保料を安くする合法的な方法
方法1:青色申告特別控除(最大65万円)を活用する
フリーランス・個人事業主として青色申告すると、最大65万円の特別控除を受けられます。
これは課税所得を減らすための控除ですが、同時に国保の算定基準となる所得も下がります。
青色申告特別控除65万円の効果(東京都23区・所得割率8.99%の場合): 65万円 × 8.99% ≒ 年間約58000円の保険料削減
方法2:経費を適切に計上して所得を下げる
副業・フリーランスの場合、適切な経費の計上で課税所得(=保険料の計算ベース)を下げられます。
よく見落とされる経費:
- 自宅兼オフィスの家賃(按分可能)
- 通信費(仕事用スマホ・インターネット代)
- パソコン・周辺機器(10万円未満は全額経費、以上は減価償却)
- 書籍・学習費(業務関連のもの)
- 交通費(仕事上の移動)
重要: 経費計上は事実に基づいて行う必要があります。実態のない費用を経費にするのは違法です。
方法3:小規模企業共済・iDeCoで所得控除を増やす
小規模企業共済は、中小企業の経営者や個人事業主向けの退職金制度です。掛金が全額所得控除になるため、国保料の算定基準を下げる効果があります。
- 月1000〜7万円の範囲で設定可能
- 年間最大84万円の所得控除
- 廃業・退職時に退職金として受け取れる
**iDeCo(個人型確定拠出年金)**も掛金が全額所得控除になります。
- フリーランスの場合、月最大6万8000円(年間81万6000円)まで掛金可能
両方フル活用した場合の最大控除額: 84万円 + 81.6万円 = 年間165万円超の所得控除
方法4:国保の保険料軽減制度を利用する
所得が一定以下の場合、均等割・平等割の保険料が2割・5割・7割軽減されます。
軽減の所得基準(2024年度):
| 軽減割合 | 所得の目安(総所得金額等) |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円以下(加入者1人の場合) |
| 5割軽減 | 43万円+加入者数×29万円以下 |
| 2割軽減 | 43万円+加入者数×53.5万円以下 |
開業直後や収入が少ない年は、この軽減制度の対象になる可能性があります。
任意継続保険との比較
退職後は任意継続か国保か
会社を退職した後、最大2年間は前の会社の健康保険を「任意継続」できます。
任意継続のメリット:
- 会社在職中の保険料の(会社負担分も自己負担になるが)上限額が決まっている
- 退職直後は国保より安くなることが多い
任意継続の計算方法: 退職前の標準報酬月額 × 10.00%(協会けんぽの場合)が月額保険料
国保と任意継続のどちらが安いか:
退職後の収入が大幅に減る場合は国保の方が翌年から安くなることが多い。まず両方の保険料を計算して比較しましょう。
市区町村の国保担当窓口に相談すると試算してくれます。
家族の扶養に入る選択肢
配偶者が会社員・公務員で社会保険に加入している場合、配偶者の扶養(第3号被保険者)に入ることで保険料がゼロになります。
扶養に入れる収入の目安:年収130万円未満(60歳以上・障害者は180万円未満)
フリーランス1年目で収入が少ない場合は、配偶者の扶養に入ることを検討しましょう。
国保料の減額申請
災害や失業の場合の減額制度
自然災害や倒産・解雇などの理由で収入が大幅に減少した場合、国保料の減額申請ができます。
非自発的失業者(会社の都合で解雇・倒産等)への特例: 離職の翌日から翌年度末まで、前年所得を30%とみなして国保料を計算します。通常の30%の所得として計算するため、大幅な保険料削減になります。
まとめ
国民健康保険料を安くするためのポイントをまとめます。
- 青色申告で65万円の特別控除を活用して所得を下げる
- 経費を適切に計上して課税所得(保険料算定基準)を減らす
- 小規模企業共済・iDeCoで所得控除を最大化する
- 退職後は任意継続 vs 国保の保険料を必ず比較する
- 収入が少ない場合は軽減制度の申請を忘れずに
- 配偶者がいる場合は扶養に入る選択肢も検討する
国保料は適切な知識と手続きで数十万円単位の節約が可能です。特にフリーランスになりたての方は、開業届・青色申告承認申請を忘れずに提出して、節税の準備を整えましょう。
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