給与所得がある人の確定申告——会社員が申告すると得をするケースを総まとめ
会社員は基本的に年末調整で完結しますが、確定申告で得をするケースが多数あります。医療費控除・住宅ローン控除・ふるさと納税・副業収入など、給与所得者が申告すべきケースを具体的に解説します。
✓この記事でわかること
会社員は基本的に年末調整で完結しますが、確定申告で得をするケースが多数あります。医療費控除・住宅ローン控除・ふるさと納税・副業収入など、給与所得者が申告すべきケースを具体的に解説します。
こんにちは、暮らしとお金のカフェへようこそ。今日は「給与所得がある人(会社員・パート)の確定申告」についてお話しします。
「会社員は年末調整があるから確定申告は不要」と思っている方が多いですが、確定申告をすることで税金が戻ってくるケースが多数あります。
「え、知らなかった!」と損をしている方も多いので、今日は給与所得者が確定申告で得をするすべてのケースをまとめて解説します。
年末調整でできること・できないことを整理する
年末調整でできること
会社が従業員の代わりに行う手続きで、以下の控除が反映されます:
| 控除の種類 | 年末調整での対応 |
|---|---|
| 基礎控除 | 自動的に適用 |
| 配偶者控除・配偶者特別控除 | 申告書を提出すれば対応 |
| 扶養控除 | 申告書を提出すれば対応 |
| 社会保険料控除 | 自動的に適用(国民年金等は証明書要) |
| 生命保険料控除 | 証明書を提出すれば対応 |
| 地震保険料控除 | 証明書を提出すれば対応 |
| 小規模企業共済等掛金控除(iDeCo) | 証明書を提出すれば対応 |
| 住宅ローン控除(2年目以降) | 証明書を提出すれば対応 |
年末調整でできないこと(確定申告が必要)
| 状況 | 確定申告の必要性 |
|---|---|
| 医療費が10万円超えた | 必要(医療費控除) |
| 住宅ローン控除の初年度 | 必要 |
| ふるさと納税を6団体以上した | 必要 |
| 副業収入が年20万円超えた | 必要 |
| 雑損控除(災害・盗難) | 必要 |
| 寄附金控除(ふるさと納税以外) | 必要 |
確定申告で「お金が戻ってくる」ケース6選
ケース1:医療費が年間10万円を超えた(医療費控除)
1月〜12月に支払った医療費の合計が10万円(または総所得金額の5%のうち低い方)を超えた場合、超えた金額が所得から控除されます。
医療費控除の対象:
- 病院での診察・治療費
- 歯科治療費(インプラントを含む場合も)
- 処方薬の費用
- 通院費(電車・バス)
- 訪問看護費
- 入院費(差額ベッド代は対象外)
医療費控除の対象外:
- 美容整形
- 健康診断(疾患発見以外)
- 市販薬(一部対象)
- 差額ベッド代
還付金の計算例:
年間医療費:25万円、所得:500万円、税率20%の場合
→ 控除額:25万円−10万円=15万円
→ 還付見込み:15万円×20%=3万円の税金が還付
重要:生計同一の家族(配偶者・子ども・親等)の医療費を合算できます。家族の医療費が多い年は必ず確認しましょう。
ケース2:住宅ローン控除の初年度
住宅を購入・新築した年は、確定申告で住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を申請する必要があります。2年目以降は年末調整でOKです。
還付額の規模:
年末時点のローン残高の0.7%(最大35万円/年)が税額から控除されます。
例えばローン残高3,000万円なら年21万円の税額控除。10〜13年間続くため、合計200万円以上の節税になる場合も。
必要書類(初年度):
- 住民票の写し
- 土地・建物の登記事項証明書
- 売買契約書のコピー
- 住宅ローンの借入金残高証明書
- 住宅取得後の確定申告書(住宅借入金等特別控除の計算明細書)
ケース3:ふるさと納税を6団体以上した
ふるさと納税の返礼品を受け取って寄附金控除を受ける方法は2つあります。
| 方法 | 条件 | 手続き |
|---|---|---|
| ワンストップ特例 | 寄附先が5団体以下 | 各自治体に申請書を送るだけ |
| 確定申告 | 制限なし | 確定申告に寄附金受領証明書を添付 |
6団体以上の場合はワンストップ使用不可→確定申告が必要です。
ケース4:副業収入が年20万円を超えた
副業収入が年20万円を超えると確定申告が必要です。
ただし、確定申告することで副業の経費を計上できるため、結果的に税金が戻ってくることもあります。
副業の経費例:
- PC・スマートフォン(副業使用分)
- 通信費(副業使用分)
- 書籍・セミナー代
- 交通費
- コワーキングスペース
副業収入が40万円でも、経費15万円があれば課税対象は25万円に減ります。
ケース5:株式投資で損失が出た(損益通算・繰越控除)
投資で損失が出た年は確定申告をすることで、他の口座の利益と相殺(損益通算)でき、払い過ぎた税金が戻ってきます。
また、損失が大きく当年に全部使いきれない場合は、翌年以降3年間繰越せます(繰越控除)。
例:A口座で30万円の利益(税金6万円納付)、B口座で20万円の損失がある場合
→ 損益通算後の利益:10万円
→ 税金:2万円
→ 4万円が還付される
ケース6:雑損控除(災害・盗難)
台風・地震・火災・盗難などで財産に損失が出た場合、雑損控除を申告できます。
控除額:
- 差引損失額の合計 − 総所得金額×10%
対象となる損失:
- 住宅・家財の被害(修理費・補修費を含む)
- 盗難による損失
- 詐欺・横領(ただし要件あり)
対象外:
- 土地(構築物を除く)
- 贅沢品(時計・宝石等)の盗難
申告で戻ってくる金額の目安
| ケース | 年収500万円の場合の還付目安 |
|---|---|
| 医療費15万円超過分 | 約1万〜3万円 |
| 住宅ローン控除(初年度) | 約10〜35万円 |
| ふるさと納税(3万円分) | 約2万8,000円 |
| 副業損失(経費30万円超過) | 約6万円 |
還付申告(税金が戻る申告)は、確定申告期間(2月16日〜3月15日)より前の1月1日から申告できます。確定申告期間の混雑を避けて、1月〜2月上旬に申告するとスムーズです。
確定申告の流れ(給与所得者向け簡易版)
- 源泉徴収票を用意する(会社から1月末頃交付)
- 控除に必要な書類を集める(医療費領収書・ふるさと納税証明書等)
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」にアクセス
- 「給与所得者の確定申告」を選択
- 源泉徴収票の内容を入力
- 各種控除を入力
- 税額・還付金を確認
- e-Tax(電子申告)で送信(マイナンバーカード必要)
- 還付金が口座に振り込まれる(2〜3週間後)
まとめ
「会社員は確定申告不要」というのは半分だけ正しい情報です。
重要ポイントをまとめると:
- 医療費10万円超→医療費控除で税金が戻る(家族分もまとめて申告)
- 住宅ローン初年度→確定申告が必須(2年目以降は年末調整でOK)
- ふるさと納税6団体以上→ワンストップ不可→確定申告が必要
- 副業収入20万円超→確定申告が必要(経費計上でお得になる場合も)
- 投資損失→損益通算・繰越控除で払いすぎた税金が戻る
年に一度、「今年は確定申告で得をするケースはあるか」を確認する習慣が、長期的に大きな節税効果を生みます。
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暮らしとお金のカフェ 編集部
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