所得税の基本をわかりやすく解説|計算方法・税率・控除の仕組みを図解
所得税の仕組みを基礎から解説。所得の種類・課税所得の計算方法・累進課税の仕組み・主要な所得控除と税額控除の違いまで、会社員から副業・フリーランスまで役立つ所得税の基礎知識をわかりやすく解説します。
✓この記事でわかること
所得税の仕組みを基礎から解説。所得の種類・課税所得の計算方法・累進課税の仕組み・主要な所得控除と税額控除の違いまで、会社員から副業・フリーランスまで役立つ所得税の基礎知識をわかりやすく解説します。
所得税の基本をわかりやすく解説|計算方法・税率・控除の仕組みを図解
「給料から税金が引かれているのはわかるけど、どうやって計算されているのかよくわからない」という方は多いです。所得税は毎年払っているのに、仕組みを知らないまま支払っている方も珍しくありません。
基本を理解するだけで、正しく節税できるようになります。所得税の仕組みをわかりやすく解説します。
所得税とは何か
所得税は、個人の「所得(もうけ)」に対してかかる国税です。日本では「累進課税制度」を採用しており、所得が多いほど税率が高くなります。
所得税の基本的な性格:
所得の10種類を理解する
所得税では、収入の種類によって「所得の種類」が10種類に分類されています。
| 所得の種類 | 主な内容 | 計算方法 |
|---|---|---|
| 給与所得 | 会社員の給料・賞与 | 収入金額 − 給与所得控除 |
| 事業所得 | 自営業・フリーランスの収入 | 収入金額 − 必要経費 |
| 不動産所得 | 家賃収入 | 収入金額 − 必要経費 |
| 利子所得 | 銀行預金の利息 | 収入金額(原則源泉分離課税) |
| 配当所得 | 株の配当金 | 収入金額 − 元本取得費 |
| 譲渡所得 | 不動産・株の売却益 | 収入金額 − 取得費 − 経費 |
| 退職所得 | 退職金 | (収入金額 − 退職所得控除)× 1/2 |
| 山林所得 | 山林の伐採・売却 | 収入金額 − 必要経費 − 特別控除 |
| 一時所得 | 生命保険の満期・宝くじ(注) | (収入 − 経費 − 特別控除50万円)× 1/2 |
| 雑所得 | 年金・副業・FX・仮想通貨 | 収入金額 − 必要経費 |
※宝くじの当選金は非課税です。
会社員でよく関係するもの:
- メインの収入→給与所得
- 副業(ブログ・フリーランス)→事業所得または雑所得
- iDeCoの年金受取→雑所得
課税所得の計算:税金がかかる「元の数字」を求める
所得税がかかるのは「全収入」ではなく、各種控除を差し引いた後の「課税所得」です。
課税所得の計算式
収入(売上)
− 必要経費(または給与所得控除)
= 所得
所得(各種所得の合計)
− 所得控除(基礎控除・配偶者控除・扶養控除・社会保険料控除等)
= 課税所得
この「課税所得」に税率をかけて所得税が決まります。
給与所得控除の仕組み(会社員の場合)
会社員は「経費」を個別に計算しない代わりに、「給与所得控除」という一定額が自動的に差し引かれます。
| 給与収入(年収) | 給与所得控除額 |
|---|---|
| 162.5万円以下 | 55万円 |
| 162.5〜180万円 | 収入×40%−10万円 |
| 180〜360万円 | 収入×30%+8万円 |
| 360〜660万円 | 収入×20%+44万円 |
| 660〜850万円 | 収入×10%+110万円 |
| 850万円超 | 195万円(上限) |
例:年収500万円の場合 給与所得控除:500万円×20%+44万円 = 144万円 給与所得:500万円−144万円 = 356万円
所得控除:課税所得を減らす仕組み
所得控除は「課税所得を減らすもの」です。控除額が多いほど税金が少なくなります。
主な所得控除一覧
| 控除の種類 | 概要 | 最大控除額の目安 |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 全員が使える基本控除 | 48万円(年収2,400万円以下) |
| 配偶者控除 | 配偶者の所得が低い場合 | 38万円 |
| 扶養控除 | 子ども・親族の扶養 | 38〜63万円(年齢による) |
| 社会保険料控除 | 健康保険・厚生年金・国民年金等 | 全額控除 |
| 生命保険料控除 | 生命・医療・介護・年金保険料 | 最大12万円 |
| 地震保険料控除 | 地震保険の保険料 | 最大5万円 |
| 医療費控除 | 年間10万円超の医療費 | 実費(限度200万円) |
| 寄附金控除 | ふるさと納税・認定NPOへの寄附 | 寄附金額−2,000円 |
| iDeCo(小規模企業共済等掛金控除) | iDeCo掛金の全額 | 全額控除 |
所得控除と税額控除の違い
所得控除:課税所得を減らす → 税金への効果は「控除額×税率」 税額控除:税額から直接引く → 控除額がそのまま税金の減額に
税額控除の方が節税効果が高いです。主な税額控除には「住宅ローン控除」「配当控除」などがあります。
所得税の税率:累進課税の仕組み
所得税は「課税所得が多いほど高い税率がかかる」累進課税です。
所得税の税率表(2024年現在)
| 課税所得 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 0円 |
| 195〜330万円 | 10% | 9.75万円 |
| 330〜695万円 | 20% | 42.75万円 |
| 695〜900万円 | 23% | 63.6万円 |
| 900〜1,800万円 | 33% | 153.6万円 |
| 1,800〜4,000万円 | 40% | 279.6万円 |
| 4,000万円超 | 45% | 479.6万円 |
累進課税の誤解: 税率が上がっても、上がった税率はその区分の所得にのみかかります。たとえば課税所得400万円の方は、全額に20%がかかるのではなく:
- 195万円まで:5% = 9.75万円
- 195〜330万円:10% = 13.5万円
- 330〜400万円:20% = 14万円
- 合計:37.25万円(実質税率は約9.3%)
実際の所得税計算例
年収500万円の会社員(独身・扶養なし)の計算例:
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 給与収入 | 500万円 |
| 給与所得控除 | −144万円 |
| 給与所得 | 356万円 |
| 基礎控除 | −48万円 |
| 社会保険料控除(概算) | −72万円 |
| 課税所得 | 236万円 |
| 所得税(10%ブラケット) | 約13.85万円 |
| 復興特別所得税(2.1%) | 約0.29万円 |
| 所得税合計 | 約14.1万円 |
まとめ
所得税の基本をまとめます。
- 所得税の計算の流れ:収入 → 所得(−経費・給与所得控除) → 課税所得(−各種控除) → 所得税(×税率)
- 累進課税:課税所得が多いほど高い税率がかかるが、全体にかかるわけではない
- 控除を使いこなす:iDeCo・ふるさと納税・医療費控除・生命保険料控除などを積極活用
- 会社員でも確定申告が有利な場合あり:副業・医療費・住宅ローンなど
- 住民税は別途かかる:所得税とは別に課税所得の約10%が住民税としてかかる
所得税の仕組みを理解することが、正しい節税の第一歩です。
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暮らしとお金のカフェ 編集部
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