所得控除と税額控除の違いを解説|どちらが節税効果が高いのか
節税で使われる「所得控除」と「税額控除」の違いを分かりやすく解説。住宅ローン控除・配当控除・iDeCo・ふるさと納税など代表的な控除の節税効果を比較します。
✓この記事でわかること
節税で使われる「所得控除」と「税額控除」の違いを分かりやすく解説。住宅ローン控除・配当控除・iDeCo・ふるさと納税など代表的な控除の節税効果を比較します。
こんにちは、暮らしとお金のカフェへようこそ。節税・節約のコツを、実践的な視点でわかりやすく解説します。
「iDeCoで所得控除を受ける」「住宅ローン控除(税額控除)で節税する」——節税の文脈でよく出てくる「控除」という言葉ですが、同じ「控除」でも仕組みが全く異なります。この違いを理解しないと、節税の優先順位を間違えて損することになります。今日は「所得控除」と「税額控除」の違いと、それぞれの使い方を具体的に解説します。
控除の2種類:節税の仕組みの根本的な違い
所得税は大きく次の計算ステップで求められます。
収入 → 所得(各種控除を引いた金額) → 課税所得 → 所得税額 → 実際の納税額
「所得控除」と「税額控除」は、このどのステップで引かれるかが違います。
| 種類 | 控除が行われる段階 | 仕組みの特徴 |
|---|---|---|
| 所得控除 | 課税所得の計算時(税率をかける前) | 所得税率が高い人ほど効果が大きい |
| 税額控除 | 税額の計算後(税額から直接引く) | 所得税率に関わらず同じ金額が節税できる |
所得控除とは:課税所得を減らして節税する
所得控除は「税金の計算対象となる所得(課税所得)」を減らします。課税所得が減ると、かかる税率を掛ける前の金額が下がるため、結果として税額が減ります。
所得控除の主な種類
| 所得控除の種類 | 控除額の目安 | 対象 |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 48万円(一律) | 全員適用 |
| 配偶者控除 | 最大38万円 | 配偶者の年収が103万円以下の場合 |
| 生命保険料控除 | 最大12万円 | 生命保険・個人年金・介護保険 |
| iDeCo掛金控除 | 掛金全額 | iDeCo加入者 |
| ふるさと納税(寄附金控除) | 寄附額−2,000円 | ふるさと納税実施者 |
| 医療費控除 | 医療費−10万円 | 年間医療費10万円超の人 |
| 小規模企業共済等掛金控除 | 掛金全額 | 小規模企業共済・iDeCo加入者 |
所得控除の節税額の計算方法
所得控除は「控除額 × 所得税率」が節税額になります。
iDeCoで年27.6万円の所得控除を受ける場合
| 所得税率 | 節税額(所得税) | 住民税(10%) | 合計節税額 |
|---|---|---|---|
| 10%(年収330〜695万円以下) | 27,600円 | 27,600円 | 約55,200円 |
| 20%(年収695〜900万円以下) | 55,200円 | 27,600円 | 約82,800円 |
| 23%(年収900〜1,800万円以下) | 63,480円 | 27,600円 | 約91,080円 |
| 33%(年収1,800〜4,000万円以下) | 91,080円 | 27,600円 | 約118,680円 |
所得控除は年収が高い(税率が高い)ほど節税効果が大きくなる点が特徴です。
税額控除とは:計算後の税額から直接引く
税額控除は、所得税率をかけた後の「税額」から直接引かれます。そのため所得税率に関わらず、控除額がそのまま節税額になります。
税額控除の主な種類
| 税額控除の種類 | 控除額 | 対象 |
|---|---|---|
| 住宅ローン控除 | 年末残高 × 0.7%(最大13年) | 住宅ローン利用者 |
| 配当控除 | 配当所得 × 10%(総合課税の場合) | 株式の配当所得がある人 |
| 外国税額控除 | 外国で払った税金分 | 海外投資・外国株式保有者 |
税額控除の節税額の計算
住宅ローン残高3,000万円の場合の住宅ローン控除(税額控除):
3,000万円 × 0.7% = 21万円
→ 所得税(と住民税の一部)から21万円が直接引かれる
この21万円の節税は、所得税率が10%でも20%でも同じです。
所得控除と税額控除、どちらが節税効果が大きいか
具体的な数字で比較します。「100万円分の控除」があった場合の違いを見てみましょう。
所得税率20%の人が100万円の控除を受けた場合
| 種類 | 節税額 | 仕組み |
|---|---|---|
| 所得控除(100万円) | 20万円 | 100万円 × 20%(税率)=20万円 |
| 税額控除(100万円) | 100万円 | 100万円がそのまま税額から引かれる |
税額控除の方が5倍の節税効果になります。
ただし注意点があります:税額控除は「計算された税額を超えては引けない」という上限があります。年間の所得税額が10万円しかない人が住宅ローン控除で21万円控除しようとしても、10万円分しか引けません(超えた分は住民税から一定額が引かれる場合があります)。
節税の優先順位:どの控除から使うべきか
節税効果の大きい順に優先することが基本です。
ステップ1:税額控除を最大限活用する(最優先)
住宅ローン控除
- 対象:2022年以降に入居した住宅
- 控除率:年末ローン残高 × 0.7%
- 期間:最長13年間
- 効果:1年で最大21万円、13年で最大273万円の節税
住宅ローンを持っている人は、まずこれを最大限に活用することが先決です。
配当控除(株式の配当所得がある場合)
- 確定申告で「総合課税」を選択することで適用
- 所得税率が低い人(課税所得695万円以下)に有効
ステップ2:所得控除で課税所得を下げる
税額控除の枠を使い切った上で、所得控除を積み重ねます。
優先度の高い所得控除
| 優先度 | 控除の種類 | 理由 |
|---|---|---|
| 高 | iDeCo・小規模企業共済 | 掛金全額が控除・老後資金も準備できる |
| 高 | ふるさと納税 | 税金を返礼品に変えられる・実質損なし |
| 中 | 医療費控除 | 年間医療費が10万円を超えた場合 |
| 中 | 生命保険料控除 | 既に保険に加入している場合は忘れずに |
| 低 | 基礎控除・配偶者控除 | 自動的に適用されるので特別な手続き不要 |
控除を組み合わせて節税を最大化する実践例
設定:年収600万円・住宅ローン残高3,000万円・iDeCo月2.3万円・ふるさと納税実施
| 控除の種類 | 分類 | 節税額(概算) |
|---|---|---|
| 住宅ローン控除 | 税額控除 | 21万円 |
| iDeCo掛金控除(年27.6万円) | 所得控除 | 約8.3万円 |
| ふるさと納税(年5万円寄附) | 所得控除 | 約4.8万円 |
| 合計節税額 | 約34万円 |
年間34万円の節税は、10年間で340万円になります。控除を活用するかしないかで、これだけの差が生まれます。
確定申告が必要な控除と、年末調整で完了する控除
年末調整だけで完了(会社員)
- 生命保険料控除
- 配偶者控除・扶養控除
- iDeCoの掛金控除(払込証明書を提出)
確定申告が必要(または推奨)
- 医療費控除(10万円超の場合)
- 住宅ローン控除(初年度のみ確定申告、翌年以降は年末調整)
- ふるさと納税(ワンストップ特例を使えない場合)
- 配当控除(総合課税で確定申告する場合)
会社員でも確定申告をすることで、見逃していた控除を遡って申告することもできます(5年間は還付申告が可能)。
まとめ
所得控除と税額控除の違いと活用方法をまとめます。
2つの控除の違い
- 所得控除:課税所得を減らす → 節税額は「控除額 × 所得税率」。年収が高いほど効果大
- 税額控除:税額から直接引く → 所得税率に関わらず控除額がそのまま節税額になる
節税の優先順位
- 住宅ローン控除(税額控除・最大効果)
- iDeCo・小規模企業共済(所得控除・老後資金も同時に準備)
- ふるさと納税(所得控除・返礼品が得られる)
- 医療費控除・生命保険料控除
「控除には2種類ある」と知っているだけで、年間数十万円の節税機会を見逃さなくなります。まず住宅ローン控除とiDeCoを組み合わせることから始めましょう。
暮らしとお金のカフェでは、生活のあらゆる場面で役立つ情報をやさしくお届けしています。ぜひ他の記事もご覧ください。
freee会計
副業・フリーランスの確定申告はfreeeで自動化!
- ✓青色申告65万円控除に完全対応
- ✓銀行・クレカの明細を自動取込
- ✓初心者でもかんたんガイド機能
- ✓30日間無料トライアルあり
30日間無料。その後プランを選択。副業収入がある方は必須ソフト。
楽天カード
年会費無料で1%還元!お金のプロが「最強カード」と称賛
- ✓年会費永年無料なのに還元率1%
- ✓楽天市場でSPU最大16倍(お買い物マラソン活用)
- ✓楽天証券でクレカ積立1%ポイント還元
- ✓ETCカード・家族カードも発行可
審査・発行無料。新規入会で楽天ポイントプレゼント。
暮らしとお金のカフェ 編集部
副業・節税・フリーランス・資産形成の実践的な情報を発信。暮らしとお金をもっとよくするために、やさしい言葉で情報をお届けします。