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高齢者世帯の防災対策3つの優先順位

暮らしとお金のカフェ 編集部

高齢者は災害時の脆弱性が高いです。情報入手・避難経路・支援要請の3つを整えれば、自宅単身でも安心な備えができます。

この記事でわかること

高齢者は災害時の脆弱性が高いです。情報入手・避難経路・支援要請の3つを整えれば、自宅単身でも安心な備えができます。

こんにちは、暮らしとお金のカフェへようこそ。日々の暮らしをちょっとよくするためのヒントを紹介します。

災害が起きたとき、最も危険にさらされやすいのが高齢者です。2011年の東日本大震災では、犠牲者の65%以上が60歳以上の高齢者でした。体力の低下・情報収集の困難さ・避難の難しさなど、複数の脆弱性が重なるためです。しかし、事前の備えをしっかりしておけば、その多くを防ぐことができます。今回は高齢者世帯が最優先で取り組むべき「防災対策の3本柱」を、具体的な手順とともに解説します。

なぜ高齢者は災害に弱いのか

まず、高齢者が災害時に特に配慮が必要な理由を整理しましょう。

リスク要因 具体的な問題
身体的機能の低下 避難に時間がかかる、転倒リスクが高い
情報収集の困難 スマホ操作が苦手、防災無線が聞こえにくい
社会的孤立 周囲に助けを求められない、一人暮らし
認知機能の低下 状況判断が遅れる、適切な行動が取れない
既往症・服薬 薬の備蓄不足、医療が途絶えると命に関わる

これらのリスクを理解した上で、以下の3つの対策を優先的に整えましょう。

優先対策1:情報入手手段を複数確保する

災害時、最も重要なのは「正確な情報をいち早く得ること」です。スマートフォンが使えなくなっても情報を受け取れるよう、複数の手段を持っておきましょう。

確保すべき情報入手手段:

  1. 防災ラジオ(手回し・乾電池式)

    • 停電時でも使える
    • NHKラジオ第1は災害情報を優先放送
    • 購入目安:3,000〜5,000円
  2. 自治体の登録制メール・LINE公式アカウント

    • 地域の避難情報・警戒レベルがリアルタイムで届く
    • 市区町村のホームページから登録
    • 家族が代理で登録することも可能
  3. 防災行政無線

    • 自治体が設置する屋外スピーカーからの放送
    • 聞き取りにくい場合は「テレホンサービス」で確認できる自治体も
  4. 近所からの声かけ

    • 最後の砦は人のつながり
    • 普段から隣近所との関係構築が大切

今すぐできるアクション:

  • 手回し充電ラジオを購入して電池を確認
  • 自治体の防災メールに登録(または家族に登録してもらう)
  • 近所の方に「何かあれば声をかけてください」と一言伝える

優先対策2:避難経路と移動手段を事前確認

「いざというとき逃げられるか」——これは実際に試してみるまでわかりません。特に足腰が弱っている方、階段の多い地域に住んでいる方は要注意です。

避難経路の確認手順

ステップ1:ハザードマップの確認 市区町村が発行する「総合ハザードマップ」で、自宅周辺の洪水・土砂災害・津波などのリスクを確認します。多くの自治体でWebからダウンロードできます。

ステップ2:避難所までの経路を実際に歩く

  • 所要時間を計測(体調が悪い日を想定して、余裕を見た時間で)
  • 途中の障害物(段差・坂・狭い路地)を確認
  • 夜間・雨天時の安全性を考慮

ステップ3:複数ルートを確保 1つのルートだけでは、そこが浸水・倒壊で通れなくなった場合に対応できません。少なくとも2つのルートを確認しておきましょう。

移動手段の確認

移動手段 対応が必要な場合
徒歩 基本。体力に合わせた準備
車いす・シルバーカー 段差のない経路を確認
家族・近所の支援 一人での避難が困難な場合
避難移送サービス 自治体・社会福祉協議会に問い合わせ

歩行が困難な方へ: 民生委員や地域包括支援センターに相談すると、「要援護者支援計画」の策定を手伝ってもらえる場合があります。

優先対策3:支援要請の仕組みを3層で構築

「困ったときに誰に助けを求めるか」を、事前に決めておくことが命を守ります。一人で抱え込まない仕組みが大切です。

支援要請の3層構造

第1層:近所・地域の見守り

  • 普段から挨拶・交流を欠かさない
  • 「もし私から連絡がなければ確認してください」と頼んでおく
  • 町内会・自治会の防災活動に参加する

第2層:家族との連絡手段の多重化

  • 電話(固定・携帯)だけでなく、LINEやSMSも活用
  • NTTの「171(災害用伝言ダイヤル)」の使い方を練習(毎年1月1日・3月1日・9月1日に体験利用できます)
  • 「連絡が取れない場合は○○に向かう」という集合場所を決めておく

第3層:行政・制度の活用

  • 災害時要援護者名簿への登録:高齢者・障害者など、自力での避難が困難な方が対象。自治体の窓口に申請します
  • 地域包括支援センターとの連携:普段から担当者と顔を合わせておくと、緊急時に動きやすくなります

薬・医療に関する特別な備え

高齢者は薬の継続が特に重要です。

薬の備え:

  • 常備薬・処方薬を最低1週間分(可能なら2週間分)多めに確保
  • お薬手帳をコピーして防災袋に入れておく
  • かかりつけ医・薬局の連絡先をメモしておく

今日からできる防災チェックリスト

  • 手回し充電ラジオを購入・電池確認
  • 自治体の防災メール・LINEに登録
  • 避難所までの経路を実際に歩いてみた
  • 災害時要援護者名簿に登録した(または確認した)
  • 家族との連絡手段・集合場所を決めた
  • 171(伝言ダイヤル)の使い方を練習した
  • 処方薬・お薬手帳のコピーを防災袋に入れた
  • 近所の方に「何かあれば声をかけて」と伝えた

まとめ

  1. 高齢者が災害に弱い理由は「身体・情報・社会的孤立・認知・医療」の5つの脆弱性が重なるため
  2. 情報入手はラジオ・自治体メール・行政無線・近所の声かけの4経路を確保
  3. 避難経路は実際に歩いて所要時間と障害を確認し、複数ルートを把握しておく
  4. 支援要請は近所・家族・行政の3層で構築し、171伝言ダイヤルも使いこなす
  5. 薬の備え・要援護者名簿への登録・地域とのつながり構築が命を守る土台になる

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