暮らしとお金のカフェ
ビジネス

ビジネスプランの書き方テンプレート|投資家・銀行に伝わる事業計画書の作り方

暮らしとお金のカフェ 編集部

ビジネスプラン(事業計画書)の基本構成・各項目の書き方・数値計画の作り方を解説。投資家・金融機関向けの提案書から副業・フリーランスの自己整理のための事業計画まで、実践的なテンプレートを紹介します。

この記事でわかること

ビジネスプラン(事業計画書)の基本構成・各項目の書き方・数値計画の作り方を解説。投資家・金融機関向けの提案書から副業・フリーランスの自己整理のための事業計画まで、実践的なテンプレートを紹介します。

ビジネスプランは「夢を形にする設計図」

起業やビジネスを始めようとするとき「まず何をすればいい?」という問いへの答えの一つが、ビジネスプランを書くことです。

「でも、私は投資家を探してるわけじゃないから…」という声もよく聞きます。でも実は、融資や投資を受けるため以外にも、ビジネスプランを書くことには大きな価値があります。

書く過程で「自分が何をしたいのか」「誰のための事業なのか」「どうやって稼ぐのか」が整理されていきます。頭の中でぼんやりしていたアイデアが、紙に書き出すことで具体的な計画に変わっていくんです。

この記事では、副業・フリーランス・起業を考えている方が実際に使えるビジネスプランの構成とテンプレートをお伝えします。


ビジネスプランが必要な場面

ビジネスプランが役に立つ場面はさまざまです。

場面 目的 想定ページ数
日本政策金融公庫の融資申請 事業の実現可能性を証明 A4で5〜10ページ
銀行・信用金庫への融資相談 返済能力・事業性の説明 A4で5〜15ページ
エンジェル投資家への提案 成長可能性・チームの魅力を伝える 10〜20ページ
ビジネスコンテスト応募 規定に沿った形式 規定による
自己整理・副業プラン アイデアの具体化・実行計画 A4で3〜5ページ

どの用途でも、基本的な構成は共通しています。


ビジネスプランの基本構成9項目

1. エグゼクティブサマリー(要約)

全体の1〜2ページで事業の全体像を要約します。多忙な審査者・投資家はここだけを読んで「続きを読む価値があるか」を判断します。

含めるべき5要素:

  • ビジネスの概要と特徴(何をする事業か)
  • 解決する課題とターゲット顧客
  • ビジネスモデル(どうやってお金を稼ぐか)
  • 創業者・チームのプロフィール
  • 必要な資金額と使途(融資・投資を求める場合)

エグゼクティブサマリーは最後に書くと書きやすいです。全体を書いた後に「要するにこういう事業です」とまとめる方が、内容が充実します。

2. 課題と解決策

課題(Problem): ターゲット顧客が持つ「痛み(Pain)」を具体的に描写します。

「誰が・どんな状況で・何に困っているか」をデータや具体例で示しましょう。「多くの人が困っている」という曖昧な表現より「30〜40代の会社員1,200万人が抱える〇〇という悩み」という具体性が説得力を生みます。

解決策(Solution): あなたの製品・サービスがどう課題を解決するかを説明します。「なぜ今の選択肢(競合・代替品)では解決できないのか」も合わせて示すと、より説得力が増します。

3. 製品・サービスの説明

具体的に何を提供するかを説明します。

含めるべき内容:

  • 製品・サービスの概要(機能・特徴)
  • 競合との差別化ポイント(UVP:ユニーク・バリュー・プロポジション
  • 開発・実現状況(アイデア段階か、試作品か、既に販売中か)

UVPは「なぜあなたの製品でなければいけないのか」をシンプルに1文で言えるようにしておくことが重要です。

4. 市場分析

市場規模の3段階(TAM・SAM・SOM):

指標 意味
TAM(Total Addressable Market) 全体の市場規模 国内の副業市場:1兆円
SAM(Serviceable Addressable Market) 実際に狙える市場 30〜40代会社員向け副業支援:500億円
SOM(Serviceable Obtainable Market) 現実的に獲得できる市場 3年後の目標:5億円(シェア1%)

競合分析: 主要競合3〜5社を選び、自社との比較表を作ります。「競合が存在しない」という主張は「市場調査が甘い」と判断されるため避けましょう。

5. ビジネスモデル

どのようにお金を稼ぐかを明確に説明します。

収益モデルの種類:

モデル 説明
単発課金 1回の取引で収益 コンサルティング・制作物
サブスクリプション 月額・年額の継続課金 SaaS・会員制サービス
広告収益 ユーザーに広告を表示 メディア・アプリ
手数料・仲介 取引の一部を手数料として得る EC・マーケットプレイス
フリーミアム 基本無料・上位機能有料 Dropbox・Slack

重要な数値:

  • CAC(顧客獲得コスト):1人の顧客を獲得するのにかかるコスト
  • LTV(顧客生涯価値):1人の顧客から生涯で得られる収益
  • 目標:LTV ÷ CAC ≥ 3(一般的な健全ラインの目安)

6. 販売・マーケティング戦略

どうやって顧客を獲得し維持するかを説明します。

含めるべき内容:

  • ターゲット顧客セグメント(具体的なペルソナ)
  • 価格設定の根拠(競合比較・コスト・顧客の価値認識)
  • 集客チャネルSNSSEO・広告・紹介・パートナーシップ)
  • セールスプロセス(認知→興味→検討→購入→継続のフロー)

7. 運営計画

ビジネスを実際に運営するための体制を説明します。

  • チーム構成・役割分担(誰が何を担当するか)
  • 主要なパートナー・サプライヤー(外注・連携企業)
  • 必要な設備・システム(初期投資の内訳)
  • スケーラビリティ(売上が増えた場合にどう対応するか)

8. 財務計画(数値計画)

ここが最も重要なセクションです。3〜5年間の数値予測を作成します。

最低限含める数値:

数値 内容
月別・年別売上予測 積み上げ式で根拠を示す
主要コスト(固定費・変動費) 人件費・外注費・広告費・家賃等
損益分岐点 黒字化のために必要な月次売上
キャッシュフロー 月別の資金残高推移
必要資金と調達方法 自己資金・融資・投資の内訳

3シナリオで作成する:

シナリオ 設定方法
楽観的シナリオ 顧客獲得が計画通りに進んだ場合
標準シナリオ 現実的な見込みを反映
悲観的シナリオ 想定の50〜60%しか進まなかった場合

3シナリオを示すことで「最悪の場合でも返済できます」という信頼性が生まれます。

9. 実行スケジュール(マイルストーン)

マイルストーン(重要な達成目標)と予定時期を示します。

時期 マイルストーン
1ヶ月後 MVP(最小限の製品)完成・初期ユーザー10名獲得
3ヶ月後 正式リリース・月次売上30万円
6ヶ月後 月次黒字化・顧客100名
1年後 月次売上100万円・チーム体制整備
3年後 年商1億円・シリーズAラウンド or 黒字継続

ビジネスプランでよくある5つの失敗

失敗1:「競合なし」と書く

どんなビジネスにも直接・間接の競合があります。「競合がない」と書くと「市場調査が不十分」と判断されてしまいます。「競合は△△だが、当社は〇〇で差別化している」という形で書きましょう。

失敗2:根拠のない数字を使う

「1年後に売上1億円」と書いても、根拠がなければ信頼されません。積み上げ式の計算が必要です。「月の顧客獲得数×単価×継続月数」という形で数字を積み上げましょう。

失敗3:長すぎる・専門用語だらけ

投資家・銀行向けのビジネスプランは20〜30ページが目安です。それ以上になると読んでもらえません。また、業界の専門用語は初見の審査者に伝わらないため、分かりやすい言葉で書きましょう。

失敗4:チームの弱点を隠す

「このチームで本当にできるのか?」は審査者・投資家が最も気にするポイントです。弱点を隠すより「〇〇の経験が不足しているため、〇〇月までに専門家を採用する予定」という形で補完策を示す方が誠実な印象を与えます。

失敗5:なぜ今なのかを示さない

「なぜ今このビジネスをやるべきか」という「タイミングの根拠」を示すことで、説得力が増します。市場のトレンド・技術的な変化・法律改正など、「今がチャンス」な理由を入れましょう。


副業・フリーランス向け簡易ビジネスプランテンプレート

融資や投資を求めるわけでなく、「自分のビジネスを整理したい」という方向けの簡易版です。A4で2〜3ページにまとめましょう。

【私のビジネス概要】
事業名:
提供するサービス・商品:
ターゲット顧客:

【解決する課題】
誰の・どんな問題を解決するか:

【私の強み・差別化】
なぜ私がこのビジネスをやるべきか:
競合との違い:

【収益モデル】
何を・いくらで・誰に売るか:
月間売上目標:

【集客方法】
どうやって顧客を獲得するか:
最初の顧客をどう取るか:

【数値計画(月次)】
売上目標:
コスト:
純利益:
損益分岐点(最低月収):

【3ヶ月のアクションプラン】
1ヶ月目:
2ヶ月目:
3ヶ月目:

まとめ

ビジネスプランのポイントを5つにまとめます。

  1. 融資・投資目的だけでなく、自己整理にも大きな価値がある
  2. 9つの構成要素を押さえることで、事業の全体像が見えてくる
  3. 数値は積み上げ式で根拠を示す(「何人×何円」という計算)
  4. **3シナリオ(楽観・標準・悲観)**を作ることで信頼性が上がる
  5. 書く過程で曖昧だった部分が明確になる(これが最大のメリット)

まずは副業・フリーランス向けの簡易版から書き始めましょう。完璧なものを作ろうとせず、「60%の完成度で書き上げる→ブラッシュアップする」という流れで進めることをおすすめします。

暮らしとお金のカフェでは、起業・副業に役立つビジネスの基礎知識を分かりやすくお届けしています。

PR・広告|アフィリエイトリンクを含みます

📚 ビジネスを学べる本

マーケティング・起業・副業ビジネスの書籍

暮らしとお金のカフェ 編集部

副業・節税・フリーランス・資産形成の実践的な情報を発信。暮らしとお金をもっとよくするために、やさしい言葉で情報をお届けします。

関連記事